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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

QEは早晩終わる 

2021年06月28日 21時21分16秒 | 金市場
前週末、6月25日のNY市場の金価格は小幅に反発となった。NY金は前日比1.10ドル高の1777.80ドルで取引を終了した。午前終盤に10年債利回りが上昇基調を強め1.55%を突破すると、金は水準を維持できずに反落状態となった。終盤は前日の終値近辺での取引となりそのまま終了。その後の時間外では買い戻され1781.8ドルで週末の取引を終了した。週間ベースでは、4週間ぶりの上昇となった。月末と四半期末が接近する週末ということで、もう少し値動きが出ることを想定したが、そうはならなかった。

インフレ論議が高まる折でもあり、注目度の高かった5月の個人消費支出(PCE)物価指数(エネルギー・食品を除く)コア指数は、FRBがインフレの判断材料として重視していることで知られる指標。前年同月比3.4%上昇と1992年4月以来、29年ぶりの大幅な伸びで、FRBの目標である2%を大幅に上回る結果になった。ただし、市場予想と一致したことと、前月比では、0.5%増と市場予想の0.6%増を下回ったことから、FRBが緩和策の縮小を急ぐとの懸念は和らいだ。先週の連邦公開市場委員会(FOMC)を経て、金市場の目線は23年あるいは早ければ22年まで利上げのタイミングは前倒しもありというところまで上昇している。それゆえに、仮に高めの数値でも上振れが大きくなければ、市場の反応は薄くなっている。織り込み済みということに。

米連邦準備理事会(FRB)高官のインフレ見通しに関連する発言が連日にわたり続いた先週。パウエルFRB議長は、新型コロナウイルスに関連した下院の小委員会にて、「インフレを巡る懸念を理由に、性急な利上げは行わない」と発言。一方、雇用の改善は秋口の伸展があるとの見通しを示した。テーパリングに踏み出すにあたってのネックになっているのが、未だ760万人の雇用が失われた状況にあることを指摘してきたFRBゆえに、秋になれば改善方向との指摘は、少なくとも年末にかけて縮小論議を進める方向ということだろう。

QE(量的緩和策)は、いずれ終わる。

ただし、多くの念頭にある2013年の事例と同様に進むとは思えない。ここまでの空前の通貨のばら撒きは13年当時の比ではなく、Bumpyな工程が控えるのではと思っている。どこもかしこも破格の流動性(カネ余り)の上に乗って、崩れそうで崩れないという不思議な均衡が続いている。住宅価格が前年比で30%近くも上がっているが、さすがに、ばら撒きもそろそろ収束させたほうがいいんじゃないか、、、というのがこのところの議論で、それが急に終息すると大混乱必至につき、さてどうしようか。。。という状況のようにみえる。
中国は一足早く収束に舵を切っているようにみえる。
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