亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

持続する地政学要因

2014年06月23日 23時59分36秒 | 金市場
本日は午後2時から4時まで先日ここで告知した自前のセミナーだった。顔なじみの方々も多く見えてくれて盛況だった。これで夜の部、昼の部と終了。FRBを中心に出口戦略にあたっての問題点を取りあげたが、ちょうどECB(欧州中銀)がマイナス金利を採用したところでもあるし、事例(いわば教材)が増えているので以前よりもわかりやすくなったのではないかと思う。目先の材料としては、雇用統計があるが、まずは7月2週目に発表される6月のFOMC議事録要旨が焦点となりそうだ。

それにしてもイラク情勢は、すでに隣国イランやサウジなどから、それぞれの勢力に武器供与などの動きが出ていると見られるが、結局国を割っての混乱の長期化は避けられないのだろう。国家対国家の戦いと異なり、いつ始まっていつ終わるかわからないダラダラした状況が続きそうだ。オバマ大統領がマリキ政権の空爆要請を受け入れなかったのは、予想通りといえる。そもそも米軍がイラク戦に入ったときに、ピンポイントの空爆などで圧倒的に有利とする見方がある一方で、結局は市街戦に持ち込まれ米軍には不利という見方があり、結局それが正しかった。ニュースで流されている、ピンポイント空爆の映像を見るとかなりの威力が感じられるが、それだけでは終息は難しく、ISIS(スンニ派武装勢力)の侵攻は続きそうだ。長引くほどに悪材料視されることになる。

先週はブッシュ政権時代のチェイニー元副大統領が米紙ウォール・ストリート・ジャーナルにオバマ政権の外交戦略を痛烈に批判する意見広告を載せていた。中間選挙をにらんでのものだろうが、またぞろネオコンの復活を思わせるような内容だった。その内容ではないが、見ていて“大統領の決断”が見えてこないことは、保守派を相当イラつかせているのは確かだろう。今回、共和党下院院内総務に保守派の議員(ナンバー3)が付くことになったが、流れが変わりそうな気配だ。やはり財政協議などでも対立の構図が浮かび上がるのだろう。

金市場ではショート・カバー(空売りの買戻し)に加え新規買いも入っている様子。ただ、投資銀行系は今回の上昇も一過性としている。

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1 コメント

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お礼 (河田耕一)
2014-06-24 16:40:54
いつも亀井先生のお話は分かりやすく、昨日は、国際情勢の変化から見ての金市場の分析、又、米国経済の現状等、とても参考になりました。

そして快く、知り合いには名刺を頂きまして、感謝しておりました。
ありがとうございます。

今後とも、宜しくお願い致します。
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