亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

レンミンピ(人民元)

2005年07月21日 22時22分21秒 | 金融市場の話題
(21:15)人民元の切り上げが発表された。いまから1時間ほど前に国営テレビを通して公表という意表をつくものだった。即日の実施ということなので、これまでの1ドル、8.28元を先ほどから(日本時間の20時、現地19時)8.11元と2%の切り上げたという理解で間違いなかろう。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJネット版)によると、毎日の終値を人民銀行が公表し、それを中心値にして翌日は0.3%の範囲に値動きを留める方針という。これまでも制度としては0.3%の範囲内ということだったが、実質的に為替介入により固定されてきた。それからすると前進だが、厳格にレンジは守られそうだ。つまり国内への影響も考え、まずは改革へのスタンスを外に示したということだろう。これで米国の対中貿易赤字が減るわけではないし、先週14日に発表された「中国の外貨準備が昨年末から1010億ドル増えて7110億ドル」というニュースに驚いたばかりだが、その外貨準備の増加も当面続きそうな雲行だ。ただし、変動性への大きな一歩を踏み出したわけで、当面のレンジもその内なし崩し的に拡大するものと思う。その移行期にさらに米中間の摩擦もありそうだ。

結局はレンジを設けることが、その上限あるいは下限をターゲットにした投機筋の買い攻勢、売り攻勢を呼び込むことになるので、折に触れ市場に材料を提供することになりそうだ。注目は「ドルとの固定をやめ複数の通貨を対象にした(バスケット制)狭い(0.3%)範囲での変動」(WSJ)を表明したという点だ。どの通貨が対象通貨かは現時点で定かではないが、貿易面から日本円は入ろう。よもや“通貨制度は政治的側面も反映される”などと円を除外するような現実を無視した行動はなかろう。
ドル円は、このところ圧倒的にドル買いにポジションが傾いていたので、とりあえず巻き戻しで売られ円は急騰している。ドル安を受け、金はスポットで3ドル高とこちらは買われている。今日の、この後の動向を見守りましょう。いい教材なのだ。
「7月に人民元をめぐる何らかの発表がある機運を感じる」としたが、当たったぞ・・・手前味噌だけど・・・・。
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