亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

バーナンキ証言

2006年02月14日 15時06分55秒 | 金融市場の話題
(14:55)先週後半9日に、日銀の政策変更の影響は国内にとどまらない、したがって先週あたりから俄かに騒々しくなった内外金融証券市場、商品市場の背景には、それを先取りしている可能性があるとした。今週は現地時間の15日と16日に予定されているバーナンキFRB新議長の議会証言が注目されているが、言うまでもなく利上げ継続の有無についてのサインを嗅ぎ取ろうということ。米経済については、2月4日(「政府支出で堅調データ」)に書いたように、力強さを強調することになるのではないだろうか。金利政策については、はっきりとしたことは言えないのだろうが、結局、市場は3月28日のFOMCでの利上げを読むことになりそうだ。そこに日銀の量的緩和解除が重なるというイメージになる。バーナンキ発言については、足元は問題ないが将来の状況次第では利下げ対応だってあるんだという政策の柔軟性を強調するのではないかと思う。我々は、どう転んでも打つ手があるんだよ、と。

いずれにしても、これまでの金融環境の変化を思わせる話(必ず「変化する」という意味ではない)なので、利益を確定できるものは手堅く確保、という心理が市場に広がっている。モルガン・スタンレーが国際分散投資における日本株の比率を15%から10%に引下げたことが話題を集めているが、この政策変更を織り込んでのものだろう。コスト・ゼロの円の威力は、今朝の日経が一面で報じる「純利益1兆円突破(三菱UFJ、1000円増配へ)」でもわかる。コストのない資金を調達して貸せば、そりゃ利益は出るわね。ネット証券も信用取引の参加基準をメチャクチャ低くして、ええっ!こんな人まで信用取引やってるの?という状況は、同じくコスト・ゼロの資金を投資家に貸し出し(株を買ってもらい)、金融収支で稼ごうということ。優良個人株主(こんな表現あるかな?)を育てるための投資教育などを実施する片方で、短期売買主体の投資家も育成中というわけ。

ドル建て金価格は、海外筋が指摘していた50日移動平均540ドルを割り込み、NYコメックス4月もので見て半値押しにあたる538ドルも割れてきた。まだ“コツン!”という音は聞こえてこない様子。静かに待ってるところ。


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