26日、IMFが2月の中央銀行の金の持ち分変動のデータを発表し、ロシアが22万5000オンス(約7トン)、トルコが18万5000オンス(5.75トン)増やしていることが判明した。中央銀行版純金積立と当方は呼んでいるのだが、ロシアはコツコツほぼ毎月のように買い続けており、ついに3140万オンス(約977トン)まで増えたと。ロシアは既に保有上位8位に位置して、外貨準備に占める金の比率は9.6%程度になっている。もともと10%にすると宣言して買い始めたが、当初は本当に買い続けるとは思われていなかった。とはいえ、この金は国際市場からの調達ではなく国内生産分や還流分を買い取っていると見られる。つまり直接的に相場には関係ない。
トルコも中銀の持ち分が、このところドンドン増えているが、国内民間銀行保有分を中銀に集めているという事情もある。経済成長もこのところ目立っており、オリンピックの開催で日本と競い合っているところ。余談だが、伸び盛りの国であり、イスラム圏初の開催というのが、訴える要素として強いと見ている。アラブ隣接という地政学的要因もプラスだろうなぁ。地政学的要因といえば日本(東京)も言えなくはないが。オリンピックの候補地とは、そんな要素も含めて選ばれているのではないかと(勝手に)思っている。
話を戻すと、IMFが発表した主たるところはこの2国だが、これは届け出ベース。2月はここにも書いたが、韓国が20トン購入したことを発表している。これから調査が進んで増えてくるだろう。ちなみにトルコはベネズエラを抜いて保有国16位から15位となったと見られる・・・順位など無意味ではあるが。ちなみに日本は、ずっと765トンのままなのだが、ECBとかBOE(英国中銀)とかが売ってしまったので9位に浮上している。韓国は3月初めに書いたように2011年から今回まで5回買付け104.4トンとなったが、111.7トンのあのギリシャより少ない。上から34番目程度。ただし外貨準備は3000億ドル前後あって上から8番目。つまり韓国は(関係者の発言からも)まだ買うだろう。
さて、ギリシャが出たところで、保有大国イタリア(2451.8トン)でワールド・ゴールド・カウンシルが一般民衆に政府の借金を減らすために金を使ったらどうかという意見を支持するか否かを調査したらしい。どういう意図を持った調査なのかがわからんが。。。。イタリアの国民(16~70歳の1009人)と経営者を対象にしたとのことだが、52%が「債務返済費用を削減するために国が保有する金を利用すべきだ」と答えたと。
実はイタリアの保有の売却を話題にする動きは、早晩出ると睨んでいたが、なかなか出ないので?だった。やっと話題になったかという感じ。10年以上前にも、出たことがある。イタリアは昔から借金が多いことで有名だったから。その時はイタリア中銀がキッパリ売らない!とした。いまやユーロの枠組みの中で中銀の保有資産は国の債務返済などを目的に売ることができなくなっているはずだ。あれだけギリシャが騒がれたにもかかわらず、金の話がまったく出なかったのはそのため。それにイタリアの負債は金を売っても、焼け石に水という感じ。いわんや日本をや。