亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

米CPI受け直前に修正されるFOMCメンバー予測

2024年06月12日 16時59分41秒 | 金市場

NY金は調整モードのレンジ取引で小動き。引き続き欧州情勢の流動化が伝えられる中で、方向感なく推移した。

前日比0.40ドル高の2326.60ドルで終了。

 

本日の米国は言わずと知れたイベントデー。

NY時間の午前8時半(日本時間本日21時30分)に5月の消費者物価指数(CPI)の発表。そして午後2時(同13日午前3時)に連邦公開市場委員会(FOMC)声明文とFOMCメンバーによる経済予測の公開、続いて2時半からパウエル議長の記者会見が1時間ほど。

 

FOMCのポイントは、四半期に一度発表されるメンバー全員(現在フルメンバーの19名)による経済予測の各項目の分布図(ドット・プロット)と中央値。足元では金利見通しが最大の注目点。

3月FOMC時に(かろうじて)年内3回の見通しになっていた利下げ回数が、引き下げられるというのはほぼ織り込み済み。

問題は2回なのか、1回なのか。

9月利下げ着手については、市場予想も真っ二つに割れている。

 

今回もう一つのポイントが、午前早くに発表される5月のCPIだ。

この結果が、午後に発表されるメンバー予測に反映されるとみられること。

つまり金利とインフレ見通しについてはメンバーにより直前に手直しするケースがある。

 

昨年12月の会合に際しては「新たなインフレデータを反映させるため『幾人かが実際に(直前に)予想を更新した(パウエル議長)』」(ブルームバーグ)とされた。

つまり今回は5月米CPIとFOMCというダブルの要因が市場を刺激することになる。

早朝発表のCPIの結果が午後発表のドットプロットに関し憶測を呼び、この段階で市場の値動きが大きくなる可能性は高そうだ。CPI総合指数は前年比3.4%の伸びで前月と変わらず。エネルギーと食品を除いたコア指数は前年比で前月の3.6%から3.5%に低下する予想になっている(ダウ・ジョーンズ)。 これらを受けパウエル議長の記者会見となる。

おそらく自身の会見開始前の市場の動きを見て、それらも考慮した上での発言内容になる。

 

寄せては返す波のように強弱を繰り返してきた利下げ観測。

先週末7日の雇用統計の上振れで、年内利下げなしまで利下げ観測は後退しているが、さて、会見を受けどうなるか。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« NY金、急落後の反発に力なし | トップ | CPIは明らかに鈍化もほぼ無視 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

金市場」カテゴリの最新記事