亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

“歴史の綾”

2011年05月20日 20時19分52秒 | 金市場

3月の上旬以降、米国の景気減速の可能性を感じ、機会があるたびに緩和策の継続の可能性やバーナンキという議長の特性とでも言える傾向について歴史的な背景を交えて語って来た。QE3の可能性すら考えられると指摘したのも、その上での結論といえる。とはいえ、どこにスポットを当てて見るのかというアングルの違いにより異なったシナリオを描けるのも確かで、それゆえ慎重にその後に現れる出来事を見守っている。今週発表された米国の住宅指標はやはり悪かった。来週はどうなるか。

 

辞任したストラスカーンIMF専務理事の後任選びが熱を帯びてきている。ユーロ圏の現状と先行きを考えると欧州は身内から選びたかろう。アジアからの人選という話があるが、海外メディアに元財務省出身でアジア開銀の黒田総裁の名を挙げるところもあり、ほぉ~・・・っと。。。米国はこの機会に誰か米国関係者を送りたかろう。ユーロ圏での金融機関の問題など不透明な状況に対しガイトナーなど米国財務省はここまで常に不満を表明してきているだけに、今後のユーロ圏諸国の救済スキーム作成に当たっても一定の影響力を行使したいはず。まぁ陰謀説が渦巻く背景でもあるけど。

 

いずれにしても今回の専務理事交代は、単なる一個人のスキャンダル的なイベントというよりも、国際金融の流れに微妙な(しかし先行きは大きな)流れの変化をもたらすことになるのかも知れない。こういうある種の“ショー”を見ていると“歴史の綾”ということを考えてしまう。

 

さて金市場の話では、年始からここまで公的部門はメキシコの中央銀行の93.3トンを筆頭にロシア22.5トン、タイ9.3トンなど129トンの買い越しとなっていたが、本日さらにロシアが4月に12.4トン購入していたことが判明している。現物の買い引き合いは強い。

 

すでに訂正済みだが、昨日書いたインドと中国の需要に関し、インドの2011年1-3月期投資需要は95.6トンではなく正確には85.6トンだった。したがって90.9トンの中国は地金やコインの買い付けではインドを上回っていたことになる。ジュエリーを含む総量では291.8トンのインドが233.8トンの中国を抑えてトップであることに変りはない。いずれにしても中国の伸びが目覚ましい。

 

明日は13時から名古屋(車道)でセミナー。来週は大阪(本町)。本文に関係ないけどカツオ茶漬け食べたいなぁ。。和歌山(紀州)へ寄ろうかな。


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