週末金曜日19日に米国政府が発表した金融安定総合政策は、公的資金の本格的投入に向けて動き出そうという意思表示と捉えられるが、浮足立ったマーケットに対する多分に心理的な効果をねらって慌てて発表したイメージが拭えない。不良資産買い取り機関を設けて(具体的なスキームはこれから詰める)そこに投入する資金は「数千億ドル(数十兆円)」という規模は、バックアップの大きさを世間一般に知らしめて安心(心理的効用)をもたらすことを第一義的にしたものと見られる。
なぜ「慌てて」というふうに捉えるのかということだが、米国では今週、ある種の取り付け騒ぎが起きていたと言えるからだ。リーマンの破綻、AIGの実質的破綻という事態に信用不安が高まった結果、組み入れ債券の値下がりにより米国での草分け的なMMF「リザーブ・プライマリー・ファンド」の基準価格が元本割れをするという事態となり話題を呼んだのが17日(米東部時間)のことだった(当ブログのコメントの書き込みにも登場した)。驚いた個人のMMFの解約が増加したとされるが、この翌日、今度は米パトナムの機関投資家向けMMFが解約殺到という事態に陥り、解約資金捻出のために多額の保有証券を投げ売りする必要に直面した同社が、このMMFを閉鎖し清算に向かうというショッキングなことが起きたのである。結局、それがMMF全体への懸念となり、いわば取り付け騒ぎが発生しかねない状況となったと見られる。仮にそうした事態が起きてしまうと、更なる換金のための売り殺到で債券市場や短期資金調達市場が大混乱に陥ってしまっただろう。本来元本の保証されていないMMFに対する払い戻し保証として米国政府が500億ドルを拠出する案が盛り込まれていたが、投資家心理の雪崩現象から“MMF取りつけ騒動”が起きることを防ぐ(しかも火急に)意味合いがあったものと見られる。まさに待ったなし、ギリギリの攻防があったということでもある。
それにしても先週ブッシュ政権は住宅金融業務に乗り出したが、今週はそれに保険業務まで加えるばかりか、今後は個人向け貯蓄型投信分野まで手を広げる意欲を示したということになる。いやはや、どうなりますか。
なぜ「慌てて」というふうに捉えるのかということだが、米国では今週、ある種の取り付け騒ぎが起きていたと言えるからだ。リーマンの破綻、AIGの実質的破綻という事態に信用不安が高まった結果、組み入れ債券の値下がりにより米国での草分け的なMMF「リザーブ・プライマリー・ファンド」の基準価格が元本割れをするという事態となり話題を呼んだのが17日(米東部時間)のことだった(当ブログのコメントの書き込みにも登場した)。驚いた個人のMMFの解約が増加したとされるが、この翌日、今度は米パトナムの機関投資家向けMMFが解約殺到という事態に陥り、解約資金捻出のために多額の保有証券を投げ売りする必要に直面した同社が、このMMFを閉鎖し清算に向かうというショッキングなことが起きたのである。結局、それがMMF全体への懸念となり、いわば取り付け騒ぎが発生しかねない状況となったと見られる。仮にそうした事態が起きてしまうと、更なる換金のための売り殺到で債券市場や短期資金調達市場が大混乱に陥ってしまっただろう。本来元本の保証されていないMMFに対する払い戻し保証として米国政府が500億ドルを拠出する案が盛り込まれていたが、投資家心理の雪崩現象から“MMF取りつけ騒動”が起きることを防ぐ(しかも火急に)意味合いがあったものと見られる。まさに待ったなし、ギリギリの攻防があったということでもある。
それにしても先週ブッシュ政権は住宅金融業務に乗り出したが、今週はそれに保険業務まで加えるばかりか、今後は個人向け貯蓄型投信分野まで手を広げる意欲を示したということになる。いやはや、どうなりますか。
最後は通貨自体の価値が毀損してしまうのでしょう。
お星様
大変失礼致しました。
コメントありがとうございました。
「金価格連動型上場投信が危ない?! ETF投資の落とし穴」
http://xn--5pz1jt32d.luckynews.info/2008/09/etf.html
確かに、もう何が起こってもおかしくない感じですね。
今がすでに恐慌になっているのではありませんか?それでもまだ、風に訊けさんがおっしゃるようなスタンスの専門家のご意見はみかけませんね。ネットブログではちらほらと見かけますが。多分、そういうことをマスコミや専門家がしてその結果、恐慌に突入したという認識が世間にひろまるとそれだけで事態が悪化することになるので、恐ろしくてできないのだと思います。将来歴史の本には2008年秋または2007年夏くらいが恐慌突入の年として記されることになると思います。ご参考までに下記ブログを。私読んで、おなかの皮がよじれました。http://geopoli.exblog.jp/9526401/
英雄さんへ
ごめんなさい、あの『お星様』ではありません。なぜなら、今回ネット上ではじめてこのバンドルネームを使いましたから。
そのとき当局や私たちは、どう対応をすべきなのか。
その観点にたった分析や論考、主張こそが報道機関と専門家の本分なのではないでしょうか。
そうしたものを目にしたことがないもので…。