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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

NY金自律反発、米中間の交渉は難航長期化の様相

2025年04月25日 18時57分58秒 | 金市場
4月24日のNY金は3営業日ぶりに反発。前日23日に通常取引終値ベースで前日比125.30ドル3.66%と今年に入っての最大の下げを見せただけに、さすがに安値拾いの自律反発となった。通常取引は前日比54.50ドル高の3348.60ドルで終了。

前々日までの株安、ドル安、米債安のトリプル安の波乱の市場に再び危機感を抱いたベッセント米財務長官による米中貿易交渉に対する楽観的観測の流布は、功を奏した。トランプ大統領も米国と中国が貿易交渉を「活発に行っている」と発言し、市場で見られていた過度の警戒感は後退していた。

しかし、24日は米中間の緊張緩和に対する懸念が再び高まることに。幅広い通貨に対しドルが売られる中でNY金には安値拾いの買戻しの動きが入った。

ホワイトハウスやトランプ大統領による交渉進展の発言に対し、24日中国外務省報道官は「中国と米国は関税について協議や交渉を行っていない」とし、「すべてフェイクニュースだ。いかなる協議もしていない」と言明した。その後、トランプ大統領はホワイトハウスにて記者団に(協議は行っていないという)中国の見解について問われ「協議は今朝、行われていた」とし参加者を問われると「誰が参加したかは重要ではない。後に明らかにするかもしれないが、彼らは今朝、協議した」とだけ答えたと伝わる。

中国商務省報道官は「中国に対し一方的に発動した関税をすべて撤廃するべき」で、その上で協議は開始されるとの意向を表明した。

双方の発言内容を時系列で見るに、4月9日に追加関税発動の90日間延期を発表し、その後数十カ国から協議の申し出があったと発表したものの、未だ特定国との間で合意に至った例はなく(大統領本人が乗り出した日本との交渉も持ち帰り継続協議中)何らかの成果が欲しい米国。中国側は、その足元を見て対応しているということか。

結局、米中間の貿易交渉を巡る不透明感は継続し、不安定な市場環境も続きベッセント財務長官による口先介入的な行動もこのままだと早晩効果がなくなる印象が強い。米中貿易摩擦の緩和には時間がかかるとの見方が定着するなら、金市場を下支えする要素となりそうだ。目先は週前半の白熱相場の揺り戻し(巻き戻し)の動きか。

24日は関税を巡り米連邦準備理事会(FRB)高官の発言も金市場の買い手掛かり材料となった。ウォラーFRB理事はこの日、ブルームバーグテレビのインタビューで高関税の発動で、企業は追加の人員削減に動く可能性があるとし「労働市場がひどく悪化し始めたことがわかれば、より多く、より早く利下げをすることになる」とした。また、クリーブランド連銀のハマック総裁は、5月利下げの可能性を否定する一方で、経済の方向性について明確かつ説得力のあるデータが得られれば、6月にも利下げの判断が下され得るとの認識を示した。

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