亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

転機となりそうなことがいろいろ起きているぞ!

2019年12月19日 23時37分37秒 | 金融市場の話題
週末配信のリポートを書くためにFRBの資産(バランスシート)の変化を調べて改めて、このところの急ピッチの拡大を確認した。12月12日時点での保有資産額は4兆954憶ドル。8月28日時点では3兆7599億ドルだったので、約3400憶ドルほど増えていることになる。短期金融市場の動乱が表面化したのは9月17日だったので、あれから3カ月になる。FRBが正常化に向けて資産縮小つまり資金回収を決めたのは2017年10月だった。当時は(知られているように)バランスシートの規模は4兆5000億円規模まで膨らんでいた。1年10カ月かけて7000憶ドル減っていたのが、今年の8月だった。わずか3カ月でその半分近くが再び放出された(増えた)ことになる。FRBは長期債の買取りによる資金放出ではないので、QE(量的緩和策)には当たらないとしている。

10月11日のいわば臨時FOMCをきっかけに月間ベース600憶ドルの短期債の買取りを決め、実際には市場の現状からそれ以上の資金投入を余儀なくされているFRB・・・より具体的にはNY連銀の状況がわかる。今週もすでに手当済みとしてきた年末対応の資金供給を、さらに厚みを増す計画が明らかになっている。短期の資金繰りは、昔のように金融機関に限られるものではなく、米国債などを担保にしたヘッジファンドの借り入れなども入っている。何が起きているのか?今月初めに発表された世界の銀行の中の銀行(金融機関の国際管理機関)国際決済銀行(BIS)のレポートは、資金の出し手側の分析が中心になっていたが、知りたいのは取り手が誰かという話。闇の中だが、この話こそ先行きのリスクを読む上で必要と思う。それぞれの連想力、シナリオ・メイク能力が試されるということか。いやいや、そんな深刻な話ではありません!で決着となるのか否か。

いずれにしても予期せぬ、このFRBのバラマキが米国株を高みに上らせ過去最高値更新にひた走ってきた。資産効果で個人消費を刺激しているのは間違いなく、足元で発表される米経済指標はみないい。これ、いつまで続けられるのか・・・と思う。

話は変わるが本日は、スウェーデン中銀がマイナス金利の打ち切りを発表した。事態が好転しスウェーデン経済が良くなっているわけではなく、むしろ低迷が続いている。副作用として個人債務の急拡大に警戒感が高まっての方針転換ということのよう。最初にマイナス金利を採用した中銀が音を上げたわけだ。これも今後を見極める参考材料として、頭に留めておきべきだろう。



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