NY時間外のアジアの午後からロンドンの時間帯を通し、金市場は売りが先行する流れが続いている。NYの早朝の時間帯もさらに下値を探る動きにある。直近の下値を切り1731ドルまで見ている。
前日は1.516%。迄上昇した後に1.485%に落ち着いていた米長期金利だが、再び1.5%を超えこの時間には一時1.546%まで見て、上値追いのトレンドを示している。6月上旬以来4カ月ぶりの水準だが、断続的に売りが出ていることを表す。この長期金利の上昇に刺激されドルインデックス(DXY)は93.67まで上値を追っているが、93.73を超えると、昨年10月まで節目はなくなる状況にある。米国株の先物も売られ、特に金利上昇に弱いナスダックの下げが大きくなっている。
この米債売りの背景は今朝のニュースを受けてのものと思われる。本日はパウエルFRB[議長が上院銀行委員会で行われる公聴会に出席する予定(議会証言]になっている。現地の27日夕刻つまり日本時間の本日早朝に証言原稿が公開されたが、新型コロナ禍からの回復に伴う米国での物価上昇や雇用の問題が「予想以上に長引く」恐れがあるとの見解が盛り込まれている。経済再開のプロセスは昨年春の経済休止と同様、前例がないもの。
したがって、「経済再開が継続する中、ボトルネックや雇用の困難、他の制約の度合いが想定以上に大きく、長引く恐れがあり、インフレに上振れリスクを及ぼす可能性がある」と指摘。その上で「持続的なインフレ上昇が深刻な懸念となれば、インフレがわれわれの目標と整合して推移するよう、FRBは確実に対応し、政策手段を講じる」との内容と伝えられた。
市場の解釈としては、仮にそうなれば悠長にテーパリング終了後に、時間をかけてゼロ金利解除に向け次のステップなどとやっている場合ではなく、引き締め策を早急に講じる必要が出てくるのではというものだ。足元で原油価格の上昇が目立つが、欧州を中心に天然ガスの急騰に対する警戒感が一気に高まっている。つまり、FOMCの結果を受けた長期金利の上昇(米債売り)で始まった流れが、早期のインフレ懸念に材料を変えて長期金利の急騰につながっている。
実際にパウエル議長の証言がどのようなニュアンスになるのか。事前公開のテキストが示す警戒モードの話になるのか。内容如何で流れが決まりそうだ。
ただし一方で、27日はブレイナードFRB理事が講演で、インフレの加速は「一時的」と結論づけた上で、「物価上昇率を目標値まで下げるための手順はよく試され、効果的だが、経験上、インフレ率を目標値まで引き上げるのは難しい」と述べている。言わんとするところは、デフレ対応は難しく、インフレ対応の方が組みしやすいということ。FRBハト派に共通する論点で、デフレ基調から完全に抜け出すまでは予断を許さずということで、拙速な金融引き締めに慎重な姿勢で臨むことになる。
なお、ブレイナード理事は、雇用の改善がテーパリングを始める条件を満たしているかどうかについて「私が考える『さらなる著しい進展』の水準にはまだ少し不足している」としている。
前日は1.516%。迄上昇した後に1.485%に落ち着いていた米長期金利だが、再び1.5%を超えこの時間には一時1.546%まで見て、上値追いのトレンドを示している。6月上旬以来4カ月ぶりの水準だが、断続的に売りが出ていることを表す。この長期金利の上昇に刺激されドルインデックス(DXY)は93.67まで上値を追っているが、93.73を超えると、昨年10月まで節目はなくなる状況にある。米国株の先物も売られ、特に金利上昇に弱いナスダックの下げが大きくなっている。
この米債売りの背景は今朝のニュースを受けてのものと思われる。本日はパウエルFRB[議長が上院銀行委員会で行われる公聴会に出席する予定(議会証言]になっている。現地の27日夕刻つまり日本時間の本日早朝に証言原稿が公開されたが、新型コロナ禍からの回復に伴う米国での物価上昇や雇用の問題が「予想以上に長引く」恐れがあるとの見解が盛り込まれている。経済再開のプロセスは昨年春の経済休止と同様、前例がないもの。
したがって、「経済再開が継続する中、ボトルネックや雇用の困難、他の制約の度合いが想定以上に大きく、長引く恐れがあり、インフレに上振れリスクを及ぼす可能性がある」と指摘。その上で「持続的なインフレ上昇が深刻な懸念となれば、インフレがわれわれの目標と整合して推移するよう、FRBは確実に対応し、政策手段を講じる」との内容と伝えられた。
市場の解釈としては、仮にそうなれば悠長にテーパリング終了後に、時間をかけてゼロ金利解除に向け次のステップなどとやっている場合ではなく、引き締め策を早急に講じる必要が出てくるのではというものだ。足元で原油価格の上昇が目立つが、欧州を中心に天然ガスの急騰に対する警戒感が一気に高まっている。つまり、FOMCの結果を受けた長期金利の上昇(米債売り)で始まった流れが、早期のインフレ懸念に材料を変えて長期金利の急騰につながっている。
実際にパウエル議長の証言がどのようなニュアンスになるのか。事前公開のテキストが示す警戒モードの話になるのか。内容如何で流れが決まりそうだ。
ただし一方で、27日はブレイナードFRB理事が講演で、インフレの加速は「一時的」と結論づけた上で、「物価上昇率を目標値まで下げるための手順はよく試され、効果的だが、経験上、インフレ率を目標値まで引き上げるのは難しい」と述べている。言わんとするところは、デフレ対応は難しく、インフレ対応の方が組みしやすいということ。FRBハト派に共通する論点で、デフレ基調から完全に抜け出すまでは予断を許さずということで、拙速な金融引き締めに慎重な姿勢で臨むことになる。
なお、ブレイナード理事は、雇用の改善がテーパリングを始める条件を満たしているかどうかについて「私が考える『さらなる著しい進展』の水準にはまだ少し不足している」としている。