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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

700ドル突破、FOMC

2006年05月10日 17時42分33秒 | 金市場
まずイラン大統領が米国に送った書簡の話。当初から時間稼ぎではないかと見られていたが、報道に載ったところによると、この問題を解決するために妥協点を探るというよりも、むしろイラン国内向けの政治的な動機が見え隠れするもののよう。アハマディネジャド大統領の急進的なやり方に対し、無用の混乱を招いていると内部での反発も強いらしい。一応、原油価格の高騰に助けられた国民へのばら撒き政策もあり人心は掌握しているというところか。結局イラン問題になんら進展はなく、若干の期待が生まれたところへ、内実は平行線が続きむしろ軋轢が高まることが考えられることから、昨夜はメタルからエネルギー関係に買いが集中した感じ。

米国にしても、これは安易に妥協して交渉のテーブルに着くなどということは考え難い案件ではある。なんせ秋の中間選挙に向け支持率の低位低迷を脱しようとあの手この手のブッシュ政権としては、イラン問題はいわば国内の政治的関心を誘導しやすい“イベント”の一つであるからね。

金価格は700ドル突破。

動くもの、動く方向に付くというトレンドフォロー(順張り)の買いにショート・カバー(空売りの買戻し)を巻き込んで、700ドルの攻防戦もあっさりと突破されてしまった感じ。先日、「振り子」に例えたが、セミナーなどでは、「この相場は吹かないでは終わらない」とも表現してきた。相場の表現で「吹く」とは、「急騰」を意味するが、いま加速する相場展開を前にして言えるのは、伸びきるようなら相場の位置付けとしては、大きなトレンドの中の一循環が終わろうとしているのかもしれないということ。
ただし、この流れは「よもや、このタイミングで、ここまで!?」というような展開もありなので、この水準で一段落してもおかしくはないし、750ドルもまた相場という感じ。勢い次第ではそのまま800ドル接近あるいは突破も否定できない。ただこの局面で上に伸びれば伸びるほど急落のリスクも高まることになる。

ただし、通貨(ドル)を材料とするテーマは残るので、一循環が終わるといっても、その調整の日柄は短い可能性が高いと思われる。今夜のFOMCにしても、0.25%の利上げと声明内容での利上げの打ち止め示唆を織り込んでいるが、本当はどうなるかワカランということ。むしろ市場の予想に違える結果を出し難いという状況だが、これはグリーンスパン時代の「市場との対話」路線の副作用というべきものだろう。自らの“見通し”に自らが縛られるという自網自縛状態とも言えるのでないか。

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