亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

15人で話し合われ経済予測が示される今回のFOMC

2018年09月20日 23時20分46秒 | 金融市場の話題
昨日、今夜はいよいよNYダウが新値を散ることになるのだろう・・・としたが、結局、届かず本日に持ちこされ、S&P500種ともども過去最高値を更新している。やはり、米中貿易戦争は目先の悪材料出尽くしということで、脇に置いておいてという展開。

19日は、中国、天津で開かれた世界経済フォーラム夏季会合(夏期ダボス会議)の開幕で演説した中国の李克強首相が、「中国は決して人民元の操作で輸出を刺激する道を歩まない」と発言。中国株が続伸となる中でアジア株の上昇も続き、インドルピーの上昇に引っ張られるように新興国通貨も底堅く推移し、世界的にリスクオン・センチメントの広がりにつながったとされる。

李克強首相はトランプ政権を名指しはしなかったが、「一方的な貿易措置ではいかなる問題も解決されない」とし、多角的貿易主義を維持するよう訴えかけるとともに、暗にトランプ政権を非難したと思われる。グローバル化の流れは、止められないとし、自由貿易の基本原則を維持すべきとした。

「問題があれば協議によって解決すべきだ」と述べたくだりは、株式市場などでは、貿易交渉について将来妥協する意向を示したものと楽観的な受け止められ方をしたが、果たしてどうか。中国はここまで、米国側が制裁関税を発動すると、世界貿易機関(WTO)に提訴しており、「協議」とは必ずしも2国間協議を指しているとは限らないと思われる。いずれにしても、人民元に関する同首相の発言は、市場の楽観ムードを助長することになり、20日の米国株高に及んでいる。

ところで、トランプ大統領は、1席、指名待ち状態にあったFRBの理事職に元FRB金融安定局長のネリー・チャン氏を指名したと伝えられている。これで現在、指名はされたものの3名が承認まちということになる。今週は、NY連銀総裁に転出したウィリアムズ総裁の後任として、サンフランシスコ連銀はメアリー・デーリー氏を指名している。10月1日付で就任の予定で、結局、今回のFOMCは15人で話し合われ、9名で投票が行われることになる。FRBの理事の承認手続きに時間がかかっている。


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