独立記念日の連休明けのNY金は、昨日の更新時には1800ドル台に乗っていたが、NYの昼前から1800ドル割れに売り戻されることになった。終値は10.90ドル高の1794.20ドルでその後の時間外でも1800ドル回復はなかった。しかし7日のアジア時間の午前中盤には1800ドル台を回復し、現在はNYの通常取引開始1時間前の時間帯だが、徐々に水準を切り上げ1807ドル処で推移している。
戻りに関しては、終値ベースで見て6月の連邦公開市場委員会(FOMC)を受け急落する前の水準1861.40ドルが基準になる。したがって、ここからは、この水準にどこまで接近することができるかといったところだ。
6日の高値が1815.70ドルまで見ているので、通常取引の時間帯にどこまで伸ばせるかというと、この水準の突破は難しいと思う。市場注目の6月のFOMC議事要旨の発表は午後2時につき、NY金の時間外取引の時間帯が注目となる。議事要旨の内容に左右されることに、なりそうだ。
連休明けの金市場を覆ったのは、前週末に発表された6月の米雇用統計の結果が、明確な緩和縮小の必要性を感じさせず、FRB)が当面緩和策の解除を急ぐ必要はないとの見方が広がったことだった。つまり、雇用統計を経て6月のFOMCのタカ派傾斜の印象が後退したことになる。
ここでも指摘してきたが、金市場では、このところ売り持ち(ショート)を膨らませていた短期筋(CTA)の買戻しが価格を1800ドル超に押し上げたとみられる。テクニカル面で今週は、200日移動平均線(1832.04ドル)を50日移動平均線(1832.39ドル)が上抜く「強気シグナル」点灯が見込めることも、買いを促したとみられる。いわゆる「ゴールデン・クロス」の出現だ。米10年債利回り(長期金利)が1.352%と2月24日以来の低水準となったことも、NY金の買いに花を添えた。
ところで、この日発表された6月の ISM非製造業(サービス業)景況指数は60.1と過去最高となった前月から3.9ポイント低下した。市場予想は63.3と横ばいだったが、このあたりはポッドキャストで話したように、そもそも60ポイント超はピークに近く、維持するのは簡単ではない。ただ、非製造業の指数も細目の「雇用」指数が前月から6.0ポイント下がり49.3と後退縮小を意味する50割れとなったのは、前週に発表された製造業景況指数と同じだった。 企業や経営者が、求める人材を確保することが難しい状況が続いていることを表している。
900万件を超す求人に対し、いまだ新型コロナ前比680万人が職を失った状態というミスマッチが続いている。
さて6月のFOMCの議事要旨だが、これもポッドキャストにて一昨日指摘しておいたが、会合終了後の翌週から先週前半にかけて、地区連銀総裁やFRB理事による講演やメディア・インタビューが連日に渡り伝えられ個別に見通しを披露していることから、一定の織り込みが進んでいるのが現状と思われる。それ以上のsomething newが現れるのか否かがポイントといえる。
来週、金曜日のライブ。ラジオNIKKEI[マーケット・トレンドPLUS」が14分番組だが、その4倍バージョンということに。
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今後、年末が迫るにつれて何らかの反応があるのではと考えています。
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