メモリアルデーの3連休明け5月28日のNY金は、5営業日ぶりの反発。前週末比22.00ドル高の2356.50ドルで終了した。
金市場の内部要因としては、自律反発ということになる。
大量に買い付いた目先筋のファンドのロング(買い建て)が、一斉に手じまい売りされ整理が一気に進み、あく抜けした形で連休明けに反発した。
イスラエル軍のガザ地区ラファ侵攻を巡る地政学リスクの高まりも意識された。28日は、米10年債利回りが米財務省による国債の大量入札による需給悪化から、利回りが一時5月3日以来の水準に上昇、それに応じドルも上昇する中での反発となった。
この日コンファレンス・ボード(CB)が発表した5月の米消費者信頼感指数は市場の予想外に上昇した。102.0と、上方修正された4月の97.0を上回った。市場は95.9への低下を読んでいた。上昇は4カ月ぶりで労働市場に対する楽観的な見方を受けた。一方、消費者は物価上昇と家計を巡り懸念を強めていることが示された。平均の期待インフレ率は今年最高に上昇した。
10年債利回りは一時4.561%を付け約4週間ぶりの水準に上昇。4.557%と節目の4.5%を上回って終了した。
発言を控える来週のブラックアウト入りを前にミネアポリス連銀のカシュカリ総裁はこの日の発言が目を引いた。
ロンドンでのイベントでの発言と同じ日のCNBCのインタビューの2本立てだが、「賃金の伸びは、最終的に2%のインフレ目標と整合的と思われる水準に比べてまだかなり堅調だ」と指摘。利下げが適切になるには「さらに多くの月にわたる(インフレ鈍化を示す)ポジティブなデータ」が必要との考えを示した。この辺りは他のメンバーと同じ。
さらに「利上げを実施する確率はかなり低いが、選択肢からは何も排除したくない」とも述べている。このところ数名も同様の発言をしている。
聴衆からの質問を受けて話したのは、米国経済へのリスクとして商業用不動産市場でのストレスを指摘したこと。このセクターで「大きな損失」を予想しており、そうした損失が発生する場合にはサプライズが起きる可能性が高いと述べた。
高金利政策が続く中で、以前から市場の一部で懸念されている商業用不動産の抱えるリスクだが、FRB高官がここまで踏み込んだ発言をするのは珍しい。
問題が起き始めるのは、返済期日の到来が増え始める年後半以降と思っているのだが、問題なく通過はないよな・・と思っていたが、だよね!という感じ。