亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

話題は無いようで、材料はゴロゴロ

2007年06月22日 19時12分59秒 | 金融市場の話題
本日NY証取に上場される投資ファンド「ブラックストーン」の売り出し価格が上限の31ドルで決まり、予定株数の10倍程度の申し込みがあったと。投資ファンドというよりも一般的には「買収ファンド」という呼ばれ方の方が多いこのファンドは、企業の株を買い集めて経営権を取り、いろいろお化粧をほどこして高く売るということを繰り返してきている。今回初めて知ったが、その運用利回りたるや87年以降ずっと年率30%なんだそうな。なによりも“ずっと”というのが、すごい。年率60%でも70%でも瞬間最大風速ではある話だが、継続するのは大変なこと。この上場で、今後おおどころの同様のファンドが続々上場ということになりそう。日本でも目にするKKR(コールバーグ・クロビス・ロバーツ)も上場らしい。当然、何がしかの規制を掛けようという動きも米国議会では出ているとされるが、下手に規制すると(カネがグルグル回っている)現在の市場のベースが損なわれるだけに、その塩梅(あんばい)が難しい。

話はかわるが、今朝の日経総合面(3ページ)左隅のECB専務理事のインタビュー記事。以前書いた(また、話したりしている)ように、90年代中頃の米国の「強いドル政策(ルービン財務長官)」の欧州版をいまのユーロ圏は実施しているわけ。通貨の強いところには投資マネーが集まり、ますます繁栄するということ。域内の経済が活性化するので、ある程度の通貨高を跳ね返す力が生まれるし、そもそも「通貨統合」という名の下の「統治こそ違え経済は一体化」のメリットがフルに生かされているのが現状。憲法条約など「統治」のほうは、こう、うまくはいかない。それがどう経済のマイナス要因になるか。

またまた話題を変えるが、米国が原子力発電でこれから30基もの原子炉を新設するというニュースがあった。温暖化対策や環境規制が厳しくなると逆に原子炉、という昔のイメージとは異なる流れ。原子炉といえばウェスティング・ハウスは東芝がM&Aで取っているので、東芝の株価を見たら既に1000円を超えていた。まぁ、昨年末の米中経済戦略対話で中国への原子炉建設協力でウェスティング・ハウス=東芝ラインが浮かんでいたので、いまさらということか。それでもこの分野は、まだまだ織り込まれていないのではないか。他に重工などもあるね。

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2 コメント

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餓えたマネー (いつも拝見しております)
2007-06-22 22:59:28
お疲れさまです。

ヘッジファンドとは何のための、そして誰のための仕組みでしょうか?昨今の日本の株主総会を見ていれば、本当に収益を上げたいなら企業株を買うなど本当にバカらしく思えます。それこそ、中国のように合法的に多額の収益をもたらすヘッジファンド特にPEなどの巨万の投資をした方が多額の利回りを望めます。そう思うと、ダウの現状の高値が不思議にも思えます。なぜ皆株を売ってファンドやPEに投資しないのでしょう。日本国債や米国債を売って、株を売ってファンドやPEに投資しないのでしょうか?不思議ですね。彼らは合法的に投資先から収益を上げてくれる存在なのに・・・
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ヘッジファンド (ナニユエ)
2007-06-23 13:40:14
いつも様 私も全く同感です
金融資本は産業資本より強いらしいですが 金融資本の強い部分を切り出した部分がヘッジファンドかなと感じています。 美しい?国には悲しいことに備えがなさそう
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