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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

データは物語る「9月は金の上昇月」

2009年09月02日 16時12分26秒 | 金市場
NY株式の急落。このところ住宅価格の下げ止まり傾向や販売件数の底打ちの兆しと期待を抱かせる内容となり、早い話が明るい内容が続いているにもかかわらず株価は頭打ち状態が顕著になっていた。ここでもNY株も頭打ちと書いたが、実際にはそれ以降も小幅ながら上昇は続いていた。ただ出てくる材料の割には上げ幅は限定的で、むしろ益出しの動きが感じられる動きだった。昨夜のNY市場は、伝えられているように8月のISM製造業景況感指数という好材料が飛び出した。米国内の資材購入担当者へのアンケートから導かれるデーだが、7月の48.9から8月は52.9に上昇していた。この指数は50ポイントが景気判断の分かれ目とされ、超えると景気見通しも一気に明るさが見えてくるとされる。その水準を08年1月以来初めて上回り、ISM(米供給管理協会)も「製造業の縮小局面は終了した」とコメントを発表している。
これはイイ話だ。

そのなかでNYダウは185.68ドル安。1日だけの下げで全てを見通せないが、株価はここまでの景気指標の改善を織り込み済みであることを示したということになる・・・・・・こう書くとよくある市況解説のようだが、当方が感じるのはここまでの上昇相場をリードしてきた投資銀行筋やヘッジファンドが益出しに動いたということ。8月のNY株の上げを主導した銘柄は金融株とされる。ただし保険大手AIGや債務超過のフレディ・マック、ファニーメイなどの株価が8月に出来高を伴って急騰状態になったのをみて思ったのは、またまたディーリング益稼ぎの大手金融の暗躍か?ということだった。それは日本国内でも見かける監理ポスト入りした低位株を短期で大量売買を繰り返すような感じだった。AIGなど8月に3倍になった。そして昨夜急落状態となった。金融銘柄の資産内容に対する不透明感が高まり・・・・・・だ、そうな。ここでは8月20日以降3度地域金融の破たんやその他について書いたが、FRBの政策で「カネ巡りはよくなった」しかし「不良資産は抱えたまま」の状況は変わっておらず、この問題は市場の関心事として明日以降落ち着いたとしても、また10月には浮上することだろう。

株も原油も大下がりするなかで金市場は堅調だった。ひとつのシグナルと受け止めることもできるだろう。レンジ相場を放れることなく地味な展開だが、見方によっては「超然」という面持ちではある。経験則(データ)からは9月は金の上昇月という。逆に株は下げる可能性が高いとも。

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3 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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5度目の正直 (いつも拝見しております)
2009-09-03 07:58:27
さてどうなりますか・・・
他の証券など金融商品を差し置いて貴金属、特に金が上げるとなると余程のことでないと厳しいと思います。
だからこそ、金だけ上げるなんてあって欲しくはないのですが、5度目の上値トライですね。
月足では2007年9月からの足かけ2年に渡る持ち合いと思えばエネルギーは十分溜まっていると思います。
この辺を抜けるか押し戻されるか?為替が不安定なのでとりあえず様子見してます。金の上抜けより他金融商品(※公債除く)の下抜けの方が可能性が高そうなので・・・
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5度目 ()
2009-09-03 10:13:45
勝ち組ファンドの追加参入でしょ。
返信する
恐れ入ります (いつも拝見しております)
2009-09-03 12:32:32
日本と海外の市場関係者の認識の差が際だっていますね。
日本では債権が正しいと信じてますが、海外では公債の大量発行はバブルもしくはインフレを発生させると信じているそうです。
早晩、論点は整理されると思いますが、問題はその規模と長さですね。変動が大きければ大きいほど社会への影響も大きくなります。
個人的には勝ち組ファンドに勝ってもらったほうが社会に優しくていいと思うのですが・・・
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