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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

リスク・オフ再び

2011年10月04日 22時38分38秒 | 金市場

再びリスク・オフ(リスク回避)に針が振れ世界同時株安に代表される流れの中で、9月は共に売られ急落商状となった金は3日の取引では逆に上昇した。すでに報じられているようにギリシャの財政赤字削減策が目標値とした対GDP比7.5%に抑えられず8.5%にとどまることが判明し、欧州株式市場が軒並み下げる中で金が買われたもの。ギリシャについては、現在IMF(国際通貨基金)、ECB(欧州中銀)、EU委員会の3者が10月中の80億ユーロの融資実行の可否を巡りギリシャ政府と協議をおこなっているが、先行きについて再び金融市場では不安心理が台頭し株式始め商品市場でも原油や産業用メタルなどが売り込まれた。この中でNYダウも前週末の大幅安に続き前日比258.08ドル安と売られ終値の10655.36ドルは年初来安値を更新したことになる。

 

この連鎖株安の中で金は2週間ほど前のように換金売りの波にさらされず、昨日はいわゆる「Safety Asset」として買われている。何ゆえこうも似た環境のなかで方向が変るのか。

 

まずは先月の怒涛の下げの過程で先物市場の目先資金が一斉に取引を解消し資金を抜いたため、目先筋の建て玉がほぼ一掃されていることがある。ここでも「恐れが支配する市場」という表現を使ったが、08年10月の再来を材料にしたものの現実にはここまでのところ流動性危機は懸念はあるものの発生しておらず、空騒ぎという形になっている。主要中央銀行による通貨スワップ協定が流動性危機回避のための、いわばセイフティ・ネットになっている。これが機能していれば金は値を保つ。ただし市場は、これすら疑う可能性もある。

 

本日は、本日で連鎖株安は続いているが、このところ目立つ金融株の下げが、またぞろ不安の種をまき散らしている。とくにユーロ圏の銀行に対する貸し込みが過大だとのうわさのあるモルガン・スタンレーの株価は、7-9月期だけで40%以上下げた。そして下げ止まらずリーマン・ショック後の水準まで落ち込み、投資家心理を委縮させている。ちなみに三菱UFJフィナンシャル・グループはモルガン・スタンレーの株式22.4%を保有する大株主となっている。

 

本日は資産規模でベルギー最大の銀行のデクシアが、資金が取り難くなっているとかで近々資産再編などの動きがあるとの見方から、上場来安値に沈み波乱の火種になっている。火種の元はギリシャだが、ユーロ圏の手に負えないというのであれば、国際協調体制の下での救済という方向も出そうだ。市場は待てなくなりつつある。いまNYダウがマイナス圏で取引が始まった。

 


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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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リスク・オフ (ささやか)
2011-10-05 07:54:26
この状況では、今年はヘッジファンドの解約が多いのではないか、と気にかかります。
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日経に載った話 (老父の息子)
2011-10-05 15:01:06
日本経済新聞の電子版に西野武彦氏がこんな話を書いています。

http://www.nikkei.com/money/investment/stock.aspx?g=DGXNMSFK2801V_28092011000000&df=1

ある意味「常識」ではあります。

そういえば今日は金価格が下がったようですね。
来週になっても上昇に転じなかったら・・・・

気持ちのどこかに置いておきましょうか。
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