亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

3週連続の下げ

2012年10月29日 23時01分31秒 | 金市場
週足で3週連続下落となった先週のNYコメックスの金価格。わずか(?)3週だが、じつは連続安となるとありそうで、ない。データでは2011年9月の過去最高値更新直後から始まった急落局面の4週連続安以来となる。つまり約1年ぶりのこと。今週下げると、それに並ぶが今回は週末11月2日の雇用統計がどうなるかにかかってくる。現時点での市場予想では12万人の雇用の増加(非農業部門)と失業率は9月の7.8%から7.9%に上がるというもの。失業率だが、9月は8月の8.1%から7.8%に下がりサプライズとなった。共和党支持者のGEのジャック・ウェルチ元CEOがオバマ政権の陰謀ではないかという内容を思わずツィートしてしまうほどの改善だった。

もともと雇用者数の数を調べる「事業所調査」に比べ失業率を割り出す「家計調査」はサンプル数が少なく、単月の数字としては信頼性に欠けるというのが、定着した見方となっている。9月は一時雇用(テンプ)の増加で就業者数が大幅に増加し失業率が下がったとされ、増加は一時的な数字の振れとの指摘がある。おそらく、そういうことだろう。さらには、今回の国際企業の決算では人員整理の発表も目立っており、環境を考えると前回の改善は一時的ということではないか。

26日の米国では7-9月期のGDPが発表(速報値)され、年率換算前期比+2.0%と前期(4-6月期)の+1.3%から改善する結果となった。市場予想は+1.8%となっていた。個人消費の底堅さや連邦政府の支出の伸び(景気テコ入れ)が背景にある。一方で企業の設備投資は-1.3%と6四半期ぶりのマイナスとなり、全体の足を引っ張ることになった。最近ここでも書いたが、内需外需ともに縮小気味で先行きを懸念し設備投資などを見送っている企業部門に対し、個人部門は消費なども予想上に堅調に推移している。いわゆる2極化で、どっちがホンモノ?というと語弊があるが、どちらかというと個人部門の失速はありやなしやと。雇用にしても改善には2.5~3.0%の成長が必要とされており、2.0%の成長は「低飛行」ということになる。それも政府とFRBのサポートの中でのこと。政府もFRBもサポートの手を緩めるわけにはいかない。緩めると失速する。そうなれば、さらに大きなコスト(対応策)が必要となる。


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