亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

チャートは保ち合い放れ

2012年08月25日 21時01分10秒 | 金市場
さて1週間を終えて金は週足で53.5ドル高の陽線。4ヵ月ぶりの高値に。出来高面で極端に細り陰の極という状況が8月2週目で、“煮詰まった状態”にあったが、動きが出始めた。きっかけは8月1日のFOMC議事録だが、その前段階から動きはあった。いずれにしても来週、そしてレーバーデーの連休明けの9月へと取り組みも増えていくと思われる。つまり初動はショートカバーだが、ここから新規資金が入ってくることで本格化する。チャートは保ち合い放れ。ただし、このところ週足は上昇、下降を1週おきに繰り返しており、今週は上げの週だった。


24日は金融政策がらみで材料が出た。バーナンキ議長の下院監視・政府改革委員会ダレル・アイサ委員長宛の書簡が公開されたもの。報道によると「金融の状況を緩和し、回復のてこ入れするための追加的な行動をとる余地が金融当局にはある」としたと。もともとアイサ下院議員が8月1日にバーナンキ議長に出した質問状に対する回答として22日に手元に届いたものを公開したということのようだ。大量の国債の買い付けなど急激にFRBのバランスシートを膨らませたが、更なる危機が到来しても対応できるのか、大丈夫なのか??という疑問をぶつけたもの。それに対して、政策余地はあると答えた。

また同議員が、ツイスト・オペが稼働中のいま、新たな緩和策を検討するのは時期尚早ではないかとの質問も。それに対しても、要約すれば、金融政策は機能するのに時間が掛かるため、見通しを踏まえて決定する必要があるから、検討するに早すぎるということはないとの回答。議事録要旨の発表と同じ日に回答が届くところは、もちろん発表スケジュールを意識したもの。

一方で、各国首脳の夏休み明けで動きが出始めたユーロ圏は、ギリシャを巡る動きが活発化している。昨日はギリシャのサマラス首相とメルケル首相の会談が持たれたが、事前予想どおりドイツは明確な回答を保留。9月のIMF、ECB、EUのいわゆるトロイカの判断を待つというスタンス。ギリシャはこの春に約束した緊縮策の達成期日を2年間延ばしてほしいと要請しているが、ドイツ世論は“またか!”という感じで、今週半ばのドイツZDFの報道では、ユーロ圏からの退出も避けられないというニュアンスで報じていた。

本日は午後、都内でセミナー。米国がらみの材料を中心に話した。それと内部要因の注目点をいくつか。

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