みこも刈る 信濃の真弓 我が引かば
貴人(うまひと)さびて いなと言はむかも
=巻2-96 久米禅師=
みこも刈る 信濃の真弓 引かずして
弦(お)はくるわざを 知ると言はなくに
=巻2-97 石川郎女=
久米禅師が石川郎女にプロポーズし、郎女は弓を引きもしないでと返している。
(巻2-96)信濃の真弓を引くように私があなたの心を引いたならば、高貴な人らしくていやだとおっしゃるでしょうか。
(巻2-97)信濃の真弓を引きもしないで、弦をかけるすべを知っているとは言わないものですが。
本気になって女を誘ってみもしないで、女を従えることなどできるものですか、という意をこめた歌。
「みこも刈る」は信濃の枕詞。「真弓」は檀(まゆみ)製の弓、信濃は弓の産地として聞こえていた。
(新潮日本古典集成 万葉集による)
千曲川万葉公園(南側)全景
この万葉歌碑は千曲市上山田温泉の千曲川堤にある千曲川万葉公園(万葉橋南側)に建っている。
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