草枕 旅行く君と 知らませば
岸の黄土(はにふ)に 匂はさましを
=巻1-69 清江娘子=
住吉に 斎く祝が 神言と
行くとも来とも 船は早けむ
=巻19-4243 多治比真人土=
あなたが 旅のお方と知っていたら、この住吉(すみのえ)の岸の黄土(はにふ)であなたの衣を染めなどしなかったのに
住吉神社にお仕えする神職のお告げでは、行きも帰りも船は安全で早いことでしょう
「住吉」は萬葉時代全て「すみのえ」と呼ばれており、当時は住吉神社の東南方向から堺市の浅香丘陵にかけて海が湾入しており、広く住吉の御津(すみのえのみつ)と呼ばれそこから神社にまで船が入ってきており、住吉大社は白砂青松の景勝地であった。
古代より万葉歌人が度々お詣りに訪れ住吉にまつわる多くの歌が詠まれている。
この歌碑は住吉大社反り橋西側に建てられており、古代船を模して作った現代的なモニュメントで平成3年の建立。
住吉にちなむ万葉歌17首が、周囲のパネルに刻まれており、
その内の2首が、御船の上辺りの柱に特記するように並べられている。
この歌碑の台下には、30世紀に向けて集められたメッセージがタイムカプセルとして埋められているとのこと。
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