飛鳥への旅

飛鳥万葉を軸に、
古代から近代へと時空を越えた旅をします。
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1988年7月 飛鳥(稲淵-栢森-壺阪寺)

2010年10月04日 | 思い出の大和路探訪
 夏の暑い最中に飛鳥の上流を訪ねた。
コース:下平田-坂田-祝戸-稲淵-栢森-芋峠-高取城址-壺阪寺


下平田、鬼の俎の手前、多武峰を望む


坂田から石舞台方面を望む


祝戸研修センターを望む


祝戸付近の飛鳥川


坂田、マラ石
もともとは垂直に立っていたようで、飛鳥謎の石造物の一つ。
地元では飛鳥川を挟んで対岸にある丘を『フグリ山』と呼んでおり、ふたつで一対をなす『子孫繁栄』『五穀豊穣』を祈る古代信仰の遺物とされている。


稲淵、神所橋
稲淵の綱掛神事が行われる場所で、神所橋の橋の上に祭壇を整え、神職がお祓いの後、飛鳥川の上を横切って、陰物をかたどった「男綱」を掛け渡す行事がある。


稲淵、地蔵堂下の石橋
「飛鳥川 明日も渡らむ石橋の 遠き心は思ほえぬかも」
この石橋(いわはし)を渡って、毎夜愛しい彼女に会いに行ったという万葉人を彷彿とするようだ。


稲淵、竜福寺付近にて


稲淵、竜福寺と竹野生石塔
竜福寺は浄土宗鎮西派の末寺で、境内に日本最古の墓標と思われる五輪石塔がある。
竹野王碑と呼ばれているこの石塔は、5層のうち3層4層部分が残っていて、「天平勝宝三年歳次辛卯四月二十四日丙子、従二位竹野王」の文字が刻まれている。
竹野王という人については未だ謎だが、長屋王邸宅からも、その名が記された木簡が出土している。




稲淵、式内社飛鳥川上坐宇須多岐比売命神社
名前も長いが石段も長いこの神社。下流の甘樫丘近くにある飛鳥坐神社の男神に対する女神だとか。古代から伝わる雨乞いの儀式、『仮南無天踊り』が今も受け継がれている。


栢森、水神を祀る小祠


栢森の女綱
稲渕の男綱と対をなすこちらは、やはり飛鳥川上流に棲む女性竜神のシンボルをかたどっている。
女綱のそばにあるのは福石。


栢森集落


栢森、式内社加夜奈留美命神社
祭神である加夜奈留美命は、日本最古の女性の神様で、皇孫を守護した位の高い神様だそうだ。


飛鳥川上流、芋峠方面を望む


芋峠付近の役の行者石像
ここは、新旧の峠道が交わる場所である。
峠の途中にある役の行者像には、「右よしの山上」「左ざいみち」と彫ってある。


高取城址
日本屈指の山城「高取城」は、日本一の比高(麓から天守台までの高低差)390mを誇る。明治時代に解体されたため現在は石垣しか残っていないが、それが古代へのロマンをかきたてるようだ。


高取城址


壺阪寺 山門
西国三十三ヵ所第6番の札所。浄瑠璃「壷坂霊験記」のお里・沢市の物語の舞台である。


壺阪寺境内
一般には「壷坂観音霊験記」の壷阪寺の名で知られているが、正しくは南法華寺(みなみほっけじ)という。 「寺は壷阪、笠置、法輪」と清少納言の「枕草子」にあるように、平安時代から壷阪寺は霊験あらたかな寺として知られ ていたようである。


壺阪寺三重塔


壺阪寺大観音石像
大観音石像は、インドに対して社会奉仕事業(救ライ事業)を行ったお礼として、インド政府から贈られたもので、高さが20m、総重量1200トンあり、石像としては世界最大である。


壺阪寺、寺内より飛鳥方面を望む