飛鳥への旅

飛鳥万葉を軸に、
古代から近代へと時空を越えた旅をします。
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1986年11月 飛鳥(下平田から磐余道へ)

2010年02月15日 | 思い出の大和路探訪
 <1986年11月23日(日) 飛鳥(吉備姫王墓-山田道)>
 飛鳥駅から遊歩道に沿って歩いた最初の頃です。

 コース:飛鳥駅・・・下平田・・・中平田・・・定林寺跡・・・橘寺・・・岡寺・・・板蓋宮伝承地・・・旧飛鳥小付近・・・飛鳥資料館・・・山田道・・・磐余道・・・桜井駅

 飛鳥は、わりと賑やかな遊歩道沿いと、その周辺の静寂な場所に二分されます。
遊歩道沿いの下平田(猿石)・中平田(天武持統天皇陵)・橘寺・岡寺・板蓋宮伝承地などはポピュラーな観光スポットとなっており、回りやすい所ですが、
定林寺跡や磐余道はほとんど観光客が来ない所で、案内板もなく目的地を探すのに苦労します。
 今回は動と静の異なる観光スポットを回りました。


欽明天皇陵
欽明天皇の時代に、百済から仏教が伝わった。蘇我堅塩媛、蘇我子姉君を妃に皇后を石姫とする。
この後、姉妹である、蘇我堅塩媛、蘇我子姉君の子供たちにより、王位争奪戦が繰り広げられる。のちに娘の推古天皇により、蘇我堅塩媛と合葬。
欽明天皇陵は、ここではなく橿原市の見瀬丸山古墳だという異説もある。


猿石
天皇陵のすぐ側にある吉備姫王(欽明天皇の皇子茅渟王の妃)墓にある。


下平田の風景
亀石につづく遊歩道から、正面が細川山
ここからの眺めが大好きで、飛鳥に来るとこの場所から同じ構図の写真を撮ったほどだ。
この写真はその中の最初の1枚である。今は舗装されてしまったが、当時は素朴な土の道が続いている。


天武持統天皇陵
中央集権国家体制を樹立した天武天皇と、その妻・持統天皇を合葬した陵墓。
堂々とした八角墳で、近くには草壁皇子の墓と見られる束明神古墳や文武陵などもある。
数ある天皇陵の中で、被葬者が確実なのは、ここ天武・持統天皇陵だけだと言われている。
先に亡くなった天武天皇の棺と、火葬された持統天皇の骨壺が並んで安置されている。


天皇陵わきの柿の木


定林寺と定林寺跡の石柱
立部の集落を通る細い道から延びる参道を少し上がった場所に定林寺(じょうりんじ)があり、隣接地には春日神社、さらに参道を登ると国史跡の定林寺跡がある。
定林寺は、立部寺とも言われ、これは所在地の字名によるもののようだ。聖徳太子建立46ヵ寺のうちの一つだとも言われている。


橘寺
白壁の築地塀をめぐらした寺で、聖徳太子生誕の地とも伝えられる。
太子建立の七ヶ寺(法隆寺、中宮寺、法起寺、橘寺、四天王寺、広隆寺、葛城寺)の一つと伝えられている。


橘寺北側の白壁、うしろに細川山


橘寺の二面石(左)と三光石(右)
太子堂の横手にある二面石は、人間の善と悪の2つの心を彫ったものという。
聖徳太子が推古天皇の仰せにより、勝鬘経(しょうまんきょう)を3日間にわたりご講讃された時、太子の冠から日月星の光が輝いたと伝えられているのが、三光石の由来である。


塔礎石


岡寺山門
西国三十三ヶ所第7番札所として知られる。



岡寺本堂
寺の境内には桃山時代に造られた朱塗りの仁王門と本堂、書院、大師堂などが配置されている。
本尊は、天平時代の作と伝わる高さ4.5メートルの如意輪観音坐像(重文)。
塑像としては、日本最大とされている。


岡寺の三重塔


三重塔は昭和61年秋に弘法大師記念事業として、510年ぶりに再興されたということで、落慶直後の真新しい塔であった。


板蓋宮伝承地にある大井戸跡 奥に見えるのが甘樫の丘
飛鳥板蓋宮(あすか いたぶき の みや)は、7世紀中葉に皇極天皇が営んだ宮。


焼畑


畝傍山(右)




浄御原(きよみがはら)伝承地
7世紀後半の天皇である天武天皇と持統天皇の2代が営んだ宮。近年の発掘成果により同村、岡の伝飛鳥板蓋宮跡にあったと考えられようになっているようだ。


飛鳥資料館 特別展「壬申の乱」


資料館の庭にある石遺跡(復元したもの)


須弥山石


吉備池
桜井市吉備。この池は新しい用水池で古代の磐余の池ではないが、眺めがよく歌碑も立っている。
吉備池の築堤には大津皇子の辞世の歌といわれる万葉歌「百伝ふ磐余の池に鳴く鴨を…」(3-416)の歌碑が建てられている。


大伯皇女の歌(吉備池西堤)
うつそみの 人にあるわれや 明日よりは
二上山を 弟世(いろせ)と わが見む  →万葉アルバム


大津皇子の歌碑(吉備池北堤)
ももづたふ 磐余(いわれ)の池に 鳴く鴨を
今日のみ 見てや 雲隠りなむ  →万葉アルバム


東池(磐余の池跡の一部)
桜井市池之内の御厨子観音そばにあり、このあたりに広がる低地が古代の磐余の池跡ではないかといわれている。その一端に小さな東池がある。