万葉アルバム(中部):長野、園原の里 2009年02月03日 | 万葉アルバム(中部) ちはやふる神の御坂(みさか)に幣(ぬさ)奉(まつ)り 斎(いは)ふ命は母父(おもちち)がため =巻20-4402 防人の歌= 神の御坂に幣をささげ、わが命の無事を祈るのも、父母のためです、という意味。 防人として九州に出向く信濃国の若者が、神坂峠を越えていくときに歌ったもの。峠を越えて西国に行くことは、当時としては決死の覚悟であった。 峠神に幣をささげて身の安全と無事帰還を祈ったのは、故郷に待っている父母のためであるというのは、現代の若者にはみられない万葉びとの強い家族愛を感じる。