三代目虎真之助blog 『森から出たまこと』

「森はいのちの源」 奥三河の森から学んだこと、感じたこと、得たものを書き記しています。

奥三河の獣害見える化報告会2

2014-08-10 08:31:28 | 森づくり

「奥三河の獣害見える化報告会」

台風11号が接近中にもかかわらず、約30名ぐらいの方が参加。

猟師、農家、自治体職員、大学生、NPO、民間企業等々、顔ぶれも様々。

昨年から始めた、鹿にGPS付の首輪を取り付けて生態動向を調査する実験の報告がなされた。

初代調査員はシカオ君。

平成25年の12月頃から活躍したが、3ヶ月ほど経ったとき、残念ながら猟師の弾に当たってしまい調査終了。

幸いにも、GPS首輪は無事だったため、今年、2代目調査員シカミちゃんの首に取り付け、再び調査開始。

すると、オスとメスでは全然行動形態が異なることが判明したらしい……。

シカミちゃんのデータはまだまとまってないため具体的な報告はなかったが興味深い。

 

と思っていたら、猟師の方から、「オスは直線的に逃げるから行動範囲が広いが、メスは狭い」と

経験則に基づくそうした行動形態の指摘も。さすが。

ちなみにこんな一言も。「なので今度のメスも(猟師に撃たれやすいので)あんまり長くないかもしれんぞ」と。

確かに俊敏な鹿を撃つため、首輪の確認までしていたら逃げられてしまう。

首輪につけた蛍光塗料が生き残りのカギとなるようだ。

 

そんな環境下での非常に難しい実験だが、そこで得られたデータはオモシロい。

昨今、獣害対策のため農地の周りに柵が張り巡らされている光景をよく目にするが、

鹿はその柵の周りをよくうろついてるようだ。

 

実際に地元の方からの報告で、森と水田の間に張った柵、特に森側が法面の場合は、

よく鹿に乗り越えられているそうだ。

鹿のジャンプ力は2メートルはあるとのこと。

目の前に食べ物があれば、どうにかして柵を乗り越えようとするらしい。

効果的な方法は、むしろ森の中に張り巡らせることらしい。

 

民間企業の方からは、新たな効果的な柵の提案があったりと、

報告会というよりは、関係者がそれぞれの情報を持ち寄った勉強会という趣となった。

 

シカミちゃんのデータが揃ったときには、ぜひまた参加したい。