東京新聞 社説 2018年10月13日
温暖化による平均気温上昇の上限を、二度ではなく一・五度に-。世界の科学者たちがまとめた特別報告書。この夏も気象災害が猛威をふるった「気候脆弱(ぜいじゃく)国」日本への警告の書とも読めないか。
「産業革命前からの平均気温上昇が、早ければ二〇三〇年に一・五度に達する恐れがある」-。国連・気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の特別報告は、もはや“緊急警報”の域にある。
IPCCは、一九九〇年からほぼ五年に一度ずつ、気候変動に関する最新の科学的知見を集約した報告書を国際社会に問うてきた。
最新の第六次報告書は二一年から順次、作業部会ごとに公表されるが、それまで「待てない」ということなのか。
二〇年から始まる温暖化防止の新たなルール「パリ協定」は「世界の温度上昇を産業革命前の二度未満、<可能な限り>一・五度に抑える」とする大枠を定めており、加盟国それぞれに国別の達成目標を申告し、その進行を確認し合うシステムだ。目標は五年ごとに見直すことにもなっている。
「一・五度に抑えることで温暖化による海面上昇や、北極海の不凍結などのリスクを抑制できる。そのためには五〇年にも、世界の温室効果ガスの排出量をゼロにする必要がある」-。「一・五度報告書」と呼ばれる特別なリポートは、パリ協定の大枠から速やかに<可能な限り>を外しなさい、と訴えているかのようだ。
公表の背景には、海面上昇などを受けやすく、気候変動に対して脆弱な途上国への配慮があるとされている。しかし、昨今の全世界的な異常気象を見れば、途上国だけの問題でないのは明らかだ。
命にかかわるこの夏の猛暑、近海で発達しながら次々に列島を駆け抜ける強い台風…。日本こそ、温暖化の影響に対して「脆弱」な国なのだ。
気象庁の検討会も、この夏の記録的な豪雨と猛暑の背景に「地球温暖化に伴う気温上昇と水蒸気量の増加があった」と断じている。
異常気象対策は、もはや「安全保障」とみるべき時代になっている。
それなのに、温室効果ガスの主な排出源である石炭火力発電の維持にこだわる一方で、再生可能エネルギーの推進にはいまだ及び腰-。この国の「守り」は手薄である。
「一・五度報告書」は、そんな日本への特別な“警報”でもあると、とらえるべきだ。
きょう一日、あまりぱっとした天気ではなかったのだが、夕方から晴れてしまった。予報によればこれから明日いっぱい晴れマークで、朝方の予想気温が0℃。ここは山の方だからおそらく氷点下になるだろう。収穫できるものは可能な限り持ってきた。パブリカ、カラーピーマンにはブルーシートをかぶせてきた。
午前中、ヒョウが降ってきた。
雲南百薬(おかわかめ)の花。これもダメになるだろうけど収穫できなかった。