阪急電車 (幻冬舎文庫) | |
有川 浩 | |
幻冬舎 |
☆☆
懐かしい、阪急電車が本に。いや、阪急沿線、
それも今津線が舞台に、それぞれの乗客が、絡み合う。
私にとって、阪急電車は、憧れの電車、いまだ変わらない
あのマロン色の車体が好き。子供時、ファミリーランドの
遊園地の乗り物より、電車館が大のお気に入り。
16才まで梅新で育ち、その後宝塚へ引越し。
三の宮の予備校、京都の大学、そして就職して大阪へと、
常に阪急電車が傍にいた。
予備校時代は、帰りは清荒神まで乗らずに、
いつも、南口から大橋を渡って、歌劇のスターと出会うのを、
楽しみに、大劇場の横を通りすぎて、川面の方へ上がる。
不安な受験で悶々としていた、予備校時代でも、
ぶらぶら歩きながら、武庫川のせせらぎと風には、癒されていた。
北口の平面交差。
「ガターン・・・ガタン、ガタン」のあのなんとも言えぬ、線路の響き。
あの、音聞きたさに、急いで電車に乗り換えることは、まずしない。
懐かしさに、浸っている場合ではなく・・・本のことを少し・書かねば。
この本に出てくる女性は、凛として、
背すじが伸びている人ばかりで、気持ちが良い。
おしゃれで、ほのぼのとした車窓からは
緑の風景が見え、おとなしめの音だけが聞こえてくる。
大阪以外の方、是非、一度、
昼下がりのロマンチックな今津線にご乗車あれ。
これだけ、普通(各停車)が似合う、沿線はありませぬ。
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