ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

短歌の不思議~東直子

2017-10-05 05:05:05 | 本の少し
短歌の不思議
クリエーター情報なし
ふらんす堂

、タンカ
☆☆☆☆

大好きな、東直子さんが短歌の秘訣を伝授、それも沢山の歌を例にあげながら、
そこは、いつものごとく、気にいった短歌を・・・説明は省きますが、項目だけ書いときます。

【短歌の秘訣・必死条件】

観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日(ヒトエ)我には一生(ヒトヨ) (粟本京子)

【短歌の秘訣・単刀曲入】

花水木の道があれより長くても短くても愛を告げられなかった (吉川宏志)
とりにくのような せっけん使ってる わたしのくらしは えいがに ならない (今橋 愛)

【体感とイメージ】

あをき血を透かせる雨後の葉のごとく鮮(アタラ)しく見る半袖のきみ (横山未来子)

【情景を絞る】

春分の日の電車にて床にさす光もともに運ばれて行く (佐藤佐太郎)
窓辺にはくちづけのとき外したる眼鏡がありて透ける夏空 (吉川宏志)
特急に胸のあたりを通過サれながらあなたの言葉を待った (松村正直)

【余韻を残す】

印鑑は文明堂の箱の中 母の慣(ナライ)を受け継ぎ暮らす (藤島秀憲)

【想像の世界へ・フィクションを楽しむ】

透明を憎んで木々はこれほどにふかいみどりに繁る 見る 見よ (佐藤弓生)
石の汗ほのかに匂う参道をゆけばわたしはむかし石の子 (佐藤弓生)
あんなあ、と言うタケちゃんの物語ヒマラヤ杉のあたりまできた (東直子)

【想像の世界へ・事実無根】

お名前何とおっしゃいましたっけと言われ斉藤としては斉藤とする (斉藤斎藤)

【一人称の使い方】

一生を一所と決めて疑わず俺は俺だと立ちあがる樹 (佐佐木幸綱)

【ユーモアのある歌】

ゲンジボタルの尻が発する光をば見んとぞわれら泊りがけで来ぬ (奥村晃作)
次々に走り過ぎ行く自動車の運転する人みな前を向く (奥村晃作)
滋賀県より琵琶湖が大きいと思ふ人さあ手を上げなさい きみは手を上ぐ (小池 光)
秋の雲「ふあ」と数えることにする 一ふあ二ふあ三ふあの雲 (吉川宏志)

【色を使う】

ちちははのくらしあやうし訪ねればほのじろい空の気配している (江戸 雪)

【食物と感情】

バゲットの長いふくろに描かれしエッフェル塔を真っ直ぐに抱く (杉崎恒夫)

【人生を詠む】

「もし」という言葉のうつろな人生はあなたに一度わたしに一度 (俵 万智)


題材というか、歌を詠む、切り口はいか様にもあるというのがわかったようで、
日頃の気持ち、感情の起伏を歌に・・・・まずは、数つくってみることですな。

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