ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

ふりむく~松尾たいこ(絵)・江國香織(文)

2015-09-12 05:55:55 | 本の少し
ふりむく (講談社文庫)
クリエーター情報なし
講談社

☆☆☆

松尾たいこさんの絵を見て、江國香織さんが感じたまま文章にする。


どちらかというと、江國さんの感性に感心。

例えば、南国的な女性の絵に、

「チンパンジーの飼育係になりたい、
と言ってケニアに旅立って行った女を、
牛乳をのみながら僕は見送った。」の文章、

なぜケニアまで飛んじゃうの、凄い。


コスモスの様な野草の絵に、

「なんの音もしない場所で、
手をひかれて立ったまま、
かちゃかちゃと歯にぶつけていたドロップの記憶」

まるで、短歌のようですな、風景やものを見てそれを歌に、
そこからはみ出て感じるものを文章に・・・・・

文筆家って、文章の前に、物事に対する感性が鋭どくなければならないのですな。


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