鹿男あをによし (幻冬舎文庫) | |
万城目 学 | |
幻冬舎 |
本書は、まるで落語の世界である。
読者の想像力に任せるままに、古の奈良の地に運んでくれる。
鹿が喋る、昔、馬が喋る、そんな馬鹿なという、海外ドラマがありましたが
狐、狸がでてくる落語の世界につながる。
この作者、万城目学さんは、大いに落語好きと見た。
主人公の下宿先の重さんが、いつも車の中で聴いているのが、落語のCD。
枝雀の「高津の富」と、米朝の「ぬの字鼠」とは、恐れ入る。
そして、小説「坊ちゃん」のパロディのごとく、随所にでてくる。
昼間は学園ドラマのようであり、夜は、暗闇の中でおきるミステリーでもある。
あれもこれもと、盛り沢山で、飽きることの無い、
サービスたっぷりの「鹿男あをによし」でおました。
先の「鴨川ホルモー」も読まなくては・・・と。
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