・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・上方亭の玄関・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・開演前の照明が落ちている舞台・・・・・・・・
一、笑福亭生寿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「三人旅」
語り口は、上手い。
入門してまだ、確か二年だが、もう5から7年目の噺ぶり。
良き師匠に一番弟子としてつけば、基本が出来、成長も早いのか。
それぞれの馬方、喜六、清八、源兵衛、
登場人物のセリフのリズムが良く心地よい。
この三人旅、ひとつ間違えれば、何のおもしろさ、山場の無い噺で
たっぷり笑いをとるなんぞ、・・この噺では、福笑師匠並みか。
笑いたっぷりのネタを聞くのが、今から楽しみですな。
二、桂こごろう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「骨つり」
今、露出が多すぎて、マクラを毎回替えるのが大変で
そう度々に、おもしろいことが、ある訳では無く・・辛いですと。
この前のマクラ、なかなかようできて、たっぷり笑いもあるので、
聞いてない方には是非と思うし、聞いた方には失礼やしと。
マクラは「旬」のものと云う考え方が、こごろうさんにはある。
いまどき、マクラにそう凝らない噺家さんの多い中、
いつもマクラが新鮮なのは、本題の落語はもとより、魅力ですな。
今年の秋から、ABCラジオの「歌謡大全集」レギュラーに決定。
ナイターオフ期間だけですが南光師匠の後釜に。
有難いですな・・ほんま、師匠に感謝、感謝です。
その南光師匠が、米團治襲名の地方公演で出られない時、
ピンチヒッターで、出さして頂いた時、もう一人のパーソナリティの
土谷多恵子さんに、こごろうさん、話題の映画忌見いや。本読みやと。
普段一切本を読まないこごろうさん、今必死に読み出している。
読みやすいところでは、清原和博の「男道」、でも文学賞の受賞作品
皆読んだはりますか、芥川賞の「ポストライムの舟」
直木賞の「悼む人」なんか、作者の天童荒太の荒太をどう読むのかが
そればっかりが気になって、気になって、・・・「あらた」とか。
題が私にピッタリと坂口安吾の「堕落論」を読むが、難解。
でも、読書の快感を感じていると・・・。
噺は「骨つり」、この頃、江戸落語の「野ざらし」は、かい枝さん、
鶴二さんで良く聴くが、「骨つり」として聴くのは初めてか。
太鼓持ちが、木津川ヘ、若旦那のお伴で舟で、魚釣りに。
そこで、どくろを釣ると、それが夜絶世の美女の幽霊に。
隣の男も行って見つけたどくろは、石川五右衛門の幽霊。
サゲは、蒲団の上で、夜伽でもと言われて、「カマはいらんわ」と。
少し、変えているのか。
後の対談で、釣った魚、一寸、一円(銭)のご祝儀出ると言われて、
長い魚を釣ろうと頑張るところと、二番目の男が、美女が来るのを
いまかいまかと待ちこがれるところを目一杯、明るく楽しくと・・・
ほんま、演者が愉しんでいるところは、客も心底、愉しめますな。
でも、「野ざらし」と「骨つり」、似ているようで、
まるっきり別物の噺ですな。
三、笑福亭生喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「牛の丸薬」
後で、生喬さん、本来「牛の丸子」と書きたいが、
「まるこ」と読まれそうで、でも、昔、仁鶴師匠で聴いた時の
パンフレットには、「牛のがんぢ」と・・・。
最近、文太師匠で、何年振りかで聞いたネタですが、
四十年前に仁鶴さんで聴いた噺の中で、筋を覚えていない
唯一のネタがこの「牛の丸子」。まあ子供心ながら、後味の悪い噺
自然消滅させていたのか、人間生きる上で、
良い情報だけ残すように、できているらしいとか。
こごろうさんは、騙すところは、うまい事やりよんなと、あえて
膨らますと、快感にも。でも、純朴な田舎の人を、大阪の狡い人間が
騙すという、詐欺師の話しですが。
「まあ、信じる者こそ、救われる」と、
人の幸せ。価値観はどこにあるのか。
人間の思いが詰っているだけ、
この噺、落語としてはおもしろさは、十分ありますな。
生喬さんの、良さは、すべて、ご自分のヒダに触れる落語は
演じてみようと、試みることか。
その、アプローチが、他の噺家さんと、一味も二味も違うところ。
10月9日の繁昌亭のテーマ落語会「自分流に変える」では
20分ぐらいにまとめながら、
もっとエグく、後味の悪いようにするつもり。
本日のお客さん中で、その日にも来て頂けると期待して、
その違いを見て貰おうと、今日は「牛の丸子」はフルバージョンの
原型で演りましたと・・・。
落語家は、演者で、プロジューサーであり、総監督ですな。
次回、らくご道、、10月8日「茶目八」、11月14日「茶の湯風呂」と
生喬さんの演目だけでも、行きたくなる落語会ですな。
らくご道・・・笑福亭生喬と桂こごろうの落語会
2009年9月18日(金)午後7:00開演
上方演芸資料館・上方亭
一、笑福亭生寿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「三人旅」
二、桂こごろう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「骨つり」
三、笑福亭生喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「牛の丸薬」
対談・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・夕焼け日記
09-63-285
・・・・・・・・・・・・・・・開演前の照明が落ちている舞台・・・・・・・・
一、笑福亭生寿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「三人旅」
語り口は、上手い。
入門してまだ、確か二年だが、もう5から7年目の噺ぶり。
良き師匠に一番弟子としてつけば、基本が出来、成長も早いのか。
それぞれの馬方、喜六、清八、源兵衛、
登場人物のセリフのリズムが良く心地よい。
この三人旅、ひとつ間違えれば、何のおもしろさ、山場の無い噺で
たっぷり笑いをとるなんぞ、・・この噺では、福笑師匠並みか。
笑いたっぷりのネタを聞くのが、今から楽しみですな。
二、桂こごろう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「骨つり」
今、露出が多すぎて、マクラを毎回替えるのが大変で
そう度々に、おもしろいことが、ある訳では無く・・辛いですと。
この前のマクラ、なかなかようできて、たっぷり笑いもあるので、
聞いてない方には是非と思うし、聞いた方には失礼やしと。
マクラは「旬」のものと云う考え方が、こごろうさんにはある。
いまどき、マクラにそう凝らない噺家さんの多い中、
いつもマクラが新鮮なのは、本題の落語はもとより、魅力ですな。
今年の秋から、ABCラジオの「歌謡大全集」レギュラーに決定。
ナイターオフ期間だけですが南光師匠の後釜に。
有難いですな・・ほんま、師匠に感謝、感謝です。
その南光師匠が、米團治襲名の地方公演で出られない時、
ピンチヒッターで、出さして頂いた時、もう一人のパーソナリティの
土谷多恵子さんに、こごろうさん、話題の映画忌見いや。本読みやと。
普段一切本を読まないこごろうさん、今必死に読み出している。
読みやすいところでは、清原和博の「男道」、でも文学賞の受賞作品
皆読んだはりますか、芥川賞の「ポストライムの舟」
直木賞の「悼む人」なんか、作者の天童荒太の荒太をどう読むのかが
そればっかりが気になって、気になって、・・・「あらた」とか。
題が私にピッタリと坂口安吾の「堕落論」を読むが、難解。
でも、読書の快感を感じていると・・・。
噺は「骨つり」、この頃、江戸落語の「野ざらし」は、かい枝さん、
鶴二さんで良く聴くが、「骨つり」として聴くのは初めてか。
太鼓持ちが、木津川ヘ、若旦那のお伴で舟で、魚釣りに。
そこで、どくろを釣ると、それが夜絶世の美女の幽霊に。
隣の男も行って見つけたどくろは、石川五右衛門の幽霊。
サゲは、蒲団の上で、夜伽でもと言われて、「カマはいらんわ」と。
少し、変えているのか。
後の対談で、釣った魚、一寸、一円(銭)のご祝儀出ると言われて、
長い魚を釣ろうと頑張るところと、二番目の男が、美女が来るのを
いまかいまかと待ちこがれるところを目一杯、明るく楽しくと・・・
ほんま、演者が愉しんでいるところは、客も心底、愉しめますな。
でも、「野ざらし」と「骨つり」、似ているようで、
まるっきり別物の噺ですな。
三、笑福亭生喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「牛の丸薬」
後で、生喬さん、本来「牛の丸子」と書きたいが、
「まるこ」と読まれそうで、でも、昔、仁鶴師匠で聴いた時の
パンフレットには、「牛のがんぢ」と・・・。
最近、文太師匠で、何年振りかで聞いたネタですが、
四十年前に仁鶴さんで聴いた噺の中で、筋を覚えていない
唯一のネタがこの「牛の丸子」。まあ子供心ながら、後味の悪い噺
自然消滅させていたのか、人間生きる上で、
良い情報だけ残すように、できているらしいとか。
こごろうさんは、騙すところは、うまい事やりよんなと、あえて
膨らますと、快感にも。でも、純朴な田舎の人を、大阪の狡い人間が
騙すという、詐欺師の話しですが。
「まあ、信じる者こそ、救われる」と、
人の幸せ。価値観はどこにあるのか。
人間の思いが詰っているだけ、
この噺、落語としてはおもしろさは、十分ありますな。
生喬さんの、良さは、すべて、ご自分のヒダに触れる落語は
演じてみようと、試みることか。
その、アプローチが、他の噺家さんと、一味も二味も違うところ。
10月9日の繁昌亭のテーマ落語会「自分流に変える」では
20分ぐらいにまとめながら、
もっとエグく、後味の悪いようにするつもり。
本日のお客さん中で、その日にも来て頂けると期待して、
その違いを見て貰おうと、今日は「牛の丸子」はフルバージョンの
原型で演りましたと・・・。
落語家は、演者で、プロジューサーであり、総監督ですな。
次回、らくご道、、10月8日「茶目八」、11月14日「茶の湯風呂」と
生喬さんの演目だけでも、行きたくなる落語会ですな。
らくご道・・・笑福亭生喬と桂こごろうの落語会
2009年9月18日(金)午後7:00開演
上方演芸資料館・上方亭
一、笑福亭生寿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「三人旅」
二、桂こごろう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「骨つり」
三、笑福亭生喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「牛の丸薬」
対談・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・夕焼け日記
09-63-285