ぽれぽれ百綴り

犬好きおばさんのんびり雑記。

キリギリスと再会

2019-03-29 19:19:48 | たび・現実逃避
羽田では10年以上ぶりくらいの友人に会う予定です。

遊ぶことだけを考えて生きているので、
キリギリス氏としておきましょう。
たまたま彼も同じ時間のフライトだったという偶然。
もちろん行き先は違いますけどね。

私の友人には尖った人間が若干多い気がするのですが、
中でもこの男は突出しています。

ものすごく仕事ができるはずですのに、
ものすごくバカなのです。

なんで仕事ができるはずかというと、
いまは会計士&税理士として独立した彼ですが、
以前は世界的なファーム、ビッグ4のうちのひとつに所属して、
M&A専門の部署で仕事をしていました。
いまはどうか知りませんが、
M&Aの手法はアメリカなんかが断然進んでいて、
彼の所属部署も半分は外国人だったとか。
大きな案件だと会計士だけでも何十人ものチームで動くそうです。
新聞の一面に載ったような合併や買収にも関わっていたはず。
頭脳とスピードがモノを言う世界、
そこに身を置いていたんだから仕事ができないはずがないでしょう。


なんでバカかというと、
そんな大層な仕事をしていたにも関わらず、
常識はずれなエピソードをてんこ盛り持っているからです。

遅くまで飲んで終電がなくなってしまったけれど、
タクシー待ちの列に並ぶのがイヤだった。
駅前の不法駐輪の自転車の中に、
1台くらい鍵のかかってないのがあるんじゃないかなとか、
ゆっくり歩きながらそれとなーく物色していたら、
警察に職務質問を受け、署にご同行願われたとか。
そこで一夜を明かすハメになったとか。
どれだけ怪しい人物だったんだ。

川べりで自転車に乗った男がおばあさんに接触して、
おばあさんが転倒したのに、
男はそのまま止まりもせず去っていくのが見えた。
頭にきたんで全力で走ってその男を捕まえ、ボコボコにしばいてたら、
警察がやってきて、自分が署に連行されたとか。
正当性をおばあさんに証言してもらおうにも、
怯えて逃げてしまった後だったと。
どれだけバイオレンスだったんだ。

新宿だったかな、また夜遅くに飲んでいて、
ガラの悪そうな酔っ払い同士のケンカに出くわした。
ふたりを止めようと間に入ったら、
ナイフで腹を刺されたとか。
なんでそんなヤバそうなケンカに割って入るんだ。

会うたび、
ふつうに生きている人間はあんまりしない体験を話してくれるのです。

そんなおバカな話を聞きたがる私も私ですがね。
最近どんな仕事をしているかとか、
たまーに、ちょろっと、
インサイダーに触れない程度にしてくれる話もまた、
知らない世界で大変に面白いのですよ。

基本、口を開くと遊びのことしか話しませんが。

今回は以前から「一度会ってみたい」と話していた友人、ともかさん(←仮名です)も同席しました。

この日のキリギリス氏の話から。

彼には長らく、
ケニアやタンザニアのサファリにはまって通いつめていた時期がありました。
カメラに大層凝っていたんですよね。
特に肉食獣が好きらしい。

「ライオンはさあ、群れてるし、奴らでかいじゃん。
だから無理なんだけど、
チーターって単独行動でしょ。
おまけに細いし、頭なんかちっさいんだよね。
オレ、負ける気がしねえ

は?

「いやだから、かかってこられてもね、
チーターなら勝てると思うんだ

なぜにチーターと格闘を?

考える方がおかしいでしょ。

「なーんかくつろいだ感じのチーターを見つけたことがあってさ。
もしかして、
これ、さわれるんじゃないかなって思って。
ドライバーに断って、車を降りて」

え?

(基本的に国立公園内ではみだりに下車してはいけません)

「静かーに近寄って、こう、手を伸ばして…」

こら待て。

なでちゃったんだよねっ!


ええええええー!!!

「へへっ!」ってアンタ、

相手は野生の肉食獣ですよ!

食われますよ!


ドライバーさんに撮ってもらったという証拠写真まで見せてもらいました。

どこまでバカなんですか!?


ともかさんと私は言葉もありません。


そんな彼がいま夢中になっているのはシーカヤック。
ファルトボート(組立式カヤック)、テント、ドローンほか、
合計65キロの荷物を携え、これから沖縄の島めぐりをするらしい。
今回はホエールウォッチングも期待していると。

「那覇から座間味までのフェリーがフライト到着の翌日しかなくてさ。
一晩無駄に過ごすより、
もう自分で漕いで行こっかなーとか考えたんだけど。
それも時間的にちょっとタイトなんだよね」


(フェリーで90分から120分かかるそうですよ)

シーカヤックでこの距離を?

考えますかね、ふつう?


「大丈夫。以前、やったことがあるから


やってしまったんですね。

ほんとにバカなんですね


ともかさんと私、
揃って哀れなものを見る目になっていたと思います。


まあこんな感じで、
キリギリス氏のあきれた話を聞いているうちに、
またもやあっという間にフライト時間が迫ってきました。

氏はタンザニアで会社を立ち上げたという元同僚さんと合流して、
プレミアムチェックインの奥へと消えていきました。


ものすごい頻度で目一杯遊ぶために生きているキリギリス氏は、
結果、その合間はいつも仕事に追われているもよう。
この日も空港に向かう直前まで自宅で仕事をし、
私たちと会う直前まで空港で仕事をし、
私たちと別れてからもギリギリまでラウンジで仕事をしたそうですよ。

貴重なお時間を割いていただいたことに感謝しましょう。

現地では昼はカヤックを漕いで、夜はテントで仕事をするそうです。

何年間か遊びを少しセーブして仕事をがんばれば、
残りの人生を遊んで暮らせるほどの報酬をもらっていると思うんですがね。

なんでいつもそんなにそんなギリギリなのか。

元々が大学卒業後、
バックパッカーやホームレスみたいな生活を何年かしていたとか。
そんな時に同じゼミだった学友にたまたま再会したそうで。

会計士になっていたそのご学友が、

「おまえ、そんなことやってるんだったら、会計士になったらどう?
働かなくても稼げるぞ」

と、アドバイスをくれたらしい。

で、じゃあなろう、と。

じっと座っての勉強が苦手なので、
資格学校の講義は受けず、
独学でわからないところだけ、
講義ビデオを2倍速で見たそうです。


世の中、持つものと持たざるものの差がありすぎる。


さらっと会計士になって言うことには、

「働かないと稼げねえじゃないか!」


そこ、キレますか?


突き抜けてますよね

これからも面白いお話が聞けるよう、
無事の帰還を祈るとしましょう。
今回、よくぞ東京でつかまったもんですよ。


ご覧いただきありがとうございました。

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2 コメント

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Unknown (レノママ)
2019-03-30 11:10:21
キリギリスさん めちゃ興味ある~!!
面白過ぎエピソード 本になりそうですね。
でも会計士独学で取得なんて
すご~くIQ高いのかしら?


↓わたしがいた頃の埼玉
『田舎』とメチャバカにされてました💦
(飛んで埼玉まではいかないけど)


実家の地名や番地も特殊だったし
幼稚園の頃は大宮駅は木造。

今はすごく開発されてる西口はバラックだらけで
「子供だけで行ってはいけない!」って
言われてました。
返信する
Unknown (momo@ぽれもも)
2019-03-31 01:32:33
レノママさん、コメントありがとうございます!
キリギリス氏は紙一重ってやつだと思います。
学生時代、模試の数学はだいたい落とさなかったみたいですよ。
つまり満点。
その本人はある時、
「オレ、発達障害だと思うんだ」と打ち明けてくれました。
いや、私とっくにそれ思ってたし。笑
勝間和代さんもそれだと思ってました。
類似点は落ち着きのないところと、
勝手に高速回転頭脳で突き進むところ。
おバカエピソードについては、
マイルドなものを厳選しました。
ふざけた生き方しているくせに、
売られたケンカは真面目に買う性分みたいで、
私、昔は一緒に歩いたりするときは、
「どうか誰も彼に肩をぶつけたりしないでくれ」と願わずにはいれませんでしたよ。

埼玉が以前はそんなに田舎だったなんて!
いまは眩しい大都会ですよね。
お住まいだった地名が気になって仕方ありません。
『翔んで埼玉』はさっそくネットで検索しました。
よくここまで書けましたよね。笑
サイタマラリアの破壊力!!
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