日本にいるシロクマ相方から電話がかかってきました。
そっちはどう?とか、
こっちは○○さんと△△さんに会って、元気そうだった、とか。
いつも電話は“用件あるのみ”なのに、さしたるご用もなさそう。珍しいこともあるもんだ。
それが調子よく話していたと思ったら、
なんだか言いにくそうに切り出すのです。
「ごめん。僕は忘れていました」
は?ナニを忘れていたというのでしょう。
「僕たちの結婚記念日を忘れていました。一緒に過ごせなくてごめん」
え?それを今、あやまってくれるって、それはどういうことでしょう?
それを言うために電話をくださったんですか?
「だからごめんなさいって。すっかり忘れていて今、思い出したんだ」
そんなにすっかり忘れていたんですか?
「ごめんなさいって。
わんわんわんわんの犬の日、11月11日をすっかり忘れていました。
覚えやすいようにしてくれたのに…」
そうですか。それは本当にすっかり忘れていたってことですね。
そんなに謝らなくていいですよ。
私たちの結婚記念日は、まだ来ていませんから。
「え!?まだ来てない!?」
はい、結婚記念日は、わんわんにゃんにゃん、ですから。
「わんわんにゃんにゃん!?」
はい、11月22日です。
それに“犬の日”はわんわんわん、11月1日です。
犬好きの私としてはその日を結婚記念日にしたかったのだけど、
婚姻届にもらう母のサインが間に合いそうにないから、
だったらそこは妥協して、わんわんにゃんにゃん、でいこうかな。
あなた、覚えやすい日にしないと忘れるでしょうから。
ってそこまで話したのに、それもすっかり忘れてしまってたんですね。
ということで、
相方は、
結婚記念日をすっかり忘れていたというよりは、
正しく覚えてすらいなかった、ということが判明しました。
はぁ~。
なんでしょうこの、脱力感、“何をやってもムダ”感。
なんだか私の英語の勉強に通じるものがあるなあ。
まあ私は、記念日に何かして欲しいというタイプではないので、いいんですけどね。
ところで、
わんわんにゃんにゃんの11月22日は“いい夫婦の日”らしいです。
その日、ひとりで市役所に届けを出しに行ったら、
もう午後もいい時間ですいていたのに、係のひとが疲労困憊していたんです。
なんだかよろけながら歩いていて、髪も乱れていて、マンガみたいでした。
それで、
「今日は忙しかったんですか?」って気遣ったところ、教えてくださいました。
「ええ、今日はご結婚なさる方には特別な日ですからね」って。
知りませんでした。
朝から婚姻届を手にしたカップルが列を成していたそうです。
みなさん結婚してないのに、そんなことを知ってるもんなんですね。
しかも朝からって、ふたりそろってって、相当な意気込みが感じられます。
「わんわんにゃんにゃんで届けを出しに来られたのは、おそらく初めてです」と言われました。
独身の方のためにひとつ言っておきますと、
友人によると、
“いい夫婦の日”に入籍したカップルは離婚率が高いらしいです。
届けを出した後、
「今日が何の日か知ってた?」って電話をかけて、教えてもらいました。
へえ。
縁起を担いで意気込めるほど熱しやすいってことは冷めやすい、と、そういうことでしょうか?
私たちはわんわんにゃんにゃんの日だから大丈夫かと。
独身の方のためにもうひとつ言っておきますと、
婚姻届には双方の保証人の署名捺印が必要です。
未成年の場合と違って、親権者である必要はないです。
保証人が実在することを証明する書類なども必要ないです。
愛が急に燃え上がって、今すぐ結婚しようということになったおふたりや、
周囲のみんなの反対を押し切って結婚するおふたりは、だから偽造するがいいですよ。
本日も無関係写真。
シンガポールの観光バス。
脱力感いっぱいに街なかを走り抜けています。
乗ってるひと、白人さんが多いかなあ。