旅芸い者放浪記

前沢政次 ブログ

勉強家の知恵

2013-11-01 22:43:31 | 読書
「どうでもいい」を座右銘にしている名郷直樹君の最新刊『公開したくなければ「医者のいいなり」はやめなさい』(日本文芸社)を読みました。

昭和61年自治医科大学の卒業。6年生のときだったか、扁桃炎がなかなか治らず、よく私たちの地域家庭診療センターに来ていました。本人は冗談交じりでHIV感染を心配していましたが、なぜでしょうね。ぼくは卒業試験のストレスと思ってました。

そんな名郷君も今やEBM(エビデンス・ベースト・メディシン)の第一人者、著書も多いし、講演も大人気。

すごい勉強家で、エビデンス関連の論文をたくさん読んでいるわけですが、その結論は「どうでもいい」ようです。

この本では「本当は必要のない検査やクスリ、予防接種を正確な表現で書き表しています。痛快です。一部矛盾した表現もあり、とまどってしまう部分もありますが。いろいろな論文があるということでしょう。まさに「どうでもいい」のでしょう。最近の文献が書かれてない部分もあります。次々成果は覆されるのです。

論文はランダム化比較試験であっても、効果なし、効果あり、でも副作用あり、効果なしの繰り返しのようにも思えてきます。医者は勉強はほどほどにして、楽しいことして遊んだほうがいいんじゃないですかね。いやいや、それよりもじっくり患者さんと意味ある時間を過ごしたほうが良い?


外来のクスリや検査を全部やめたくなる読後感です。これぞ病人という人に出会ったらがんばるだけで、あとは力を抜きましょう。

医者も必要ない。医師不足なんてない。そういう世界はいつ実現するのでしょうね。国民の理解を得るには時間がかかるのでしょう。



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