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俳優・勝地涼くんのこと。

『父帰る/屋上の狂人』(2)

2007-09-10 00:50:47 | 他作品
また公演の前から公演終了後まで大いに楽しませていただいたのが、出演者の一人・キムラ緑子さん(ドリさん)のブログ。
稽古の様子や舞台の裏話などをあれこれ書いてくれていて、勝地くんも時々登場。
役のヘアスタイルを相談されて「9・1分けでポマードで固めるといい」と適当に答えたら、本当にその通りにしてヘアメイクさんに叱られてた天然っぷりや、本番中に勢いあまってセットから転落した話(これは勝地くん本人も後に雑誌で話してました。他にもよくあちこちぶつけたり足の爪割ったりしてたそう・・・落ち着きたまえ)、
ドリさんが退場時にうっかり壁にぶつかってもがいてたら、勝地くんが(ドリさん演じる巫女を睨みつける場面なので懸命に笑いをこらえたために)凄い形相になってた件など、笑ったり心配したりしたものでした。

とりわけ印象的だったのは千秋楽の日に勝地くんが「最後の気合入れをさせて下さい!」と俳優陣みんなにリポビタンDを差し入れしたエピソード。
その気遣いもさることながら、日頃遠慮深そうな勝地くんが、カンパニー最年少にもかかわらず音頭取りめいた行動を取ったことに驚きました。
きっと一ヶ月の公演の間に本当の家族のような親近感と結束の固さが生まれていればこそだったのだろうな、となんだか胸が熱くなってしまいました。

実際『ポポロ』6月号で草くんが話していた「最近のマイブームは勝地くんの背中をつねること」「若いくせにかっこよくて演技が上手いから、ムカついてつねっちゃいました(笑)」(ともに概要)なんて稽古場の一コマや、下男役の富川一人さんがよくドリさんの肩を揉んであげてたとか、打ち上げの時に草くんが愛用の帽子をお父さん役の沢竜二さんにプレゼントしたとかの話を読むにつけ、カンパニーの仲の良さが伝わってきます。
ドリさんのブログが公演終了後まもなくリニューアルした関係で、当時のログがなくなってしまったのが残念です
(よってドリさんブログの内容は記憶で書いてますので、細部が違っているかもしれません。間違いに気づかれた方はご一報を)。

ちなみに上述のリポビタンDで乾杯したときの掛け声は「ていやー!」。
作中での末次郎の台詞というか掛け声なんですが、草くんはこの「ていやー!」がお気に入りで、TVのバラエティーなどでもしばらく「ていやー!」を使ってたらしいです。
草くんのこのお芝居&カンパニーへの思い入れがうかがえて嬉しくなったものでした。


P.S. 上で「彼(注・草くん)の圧倒的集客力があればこそ、派手な宣伝も演出も必要なかった。」と書きましたが、『GOETHE』2006年8月号によると、このあたりのバランスはキャストから劇場の選定までいっさいのプロデュースを手がけたシス・カンパニー代表・北村明子さんの豪腕に由来しているようです。
もともとSMAPのマネージャーさんから草くんの舞台企画を依頼された彼女が、
「草剛を当たり前の使い方はしたくなかった。(中略)あえて赤字かもしれないというような小劇場を選び、そこで近代演劇をやろうと」決めたとのこと。
ちなみに北村さんは「公演で赤字を出したことは一度もありません。百発百中黒字。どのターゲットに向け、どういう役者がどういう劇場でどういう芝居をすれば儲けが出るか、目算は立ちます。」のだそうです。かっこいい・・・。
8・9月号に分けて収録された北村さんインタビューからは自分にも他人にも厳しく、かつ真の意味で役者を大切にする彼女の人間性が強烈に伝わってきて、この人がキャストの一人として勝地くんを起用してくれたことが何だか誇らしかったりして。

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