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俳優・勝地涼くんのこと。

『未来講師めぐる』(2)-10(注・ネタバレしてます)

2009-07-18 00:35:25 | 未来講師めぐる
・めぐるに対し、(めぐるの着てる服がダサいからといって)「そこどいてくんない?エアコンの風こないから」と横柄な口をきく江口。
「上から目線」の時の顔の角度が鼻の穴が正面に来るほどにのけぞっていて、もはや「目線」もほとんどめぐるに向いてないような。もとは高尾山の買ったトレーナーとわかると、今度は高尾山に同じ顔をしてます。

・「お母さんが、ここのテキストはレベルが低いから持って行かなくていいって」。
だったらこの塾に来るなよ、という話ですが、担任教師の話からするに、あんまりお母さんがうるさすぎてあちこちの塾から出入り禁止(慰謝料払って出て行ってもらう)処分になって受入先がなくなったあげくなんでしょうね。
いや少し後でここ入れて4つの塾に通ってると言ってたから「受入先が少なくなった」程度か。

・辞書と思ったら実は箱入り高級チョコレート。とっさに質問のあった英単語「サプライズ」にかけて生徒に一個ずつプレゼントするあたりの機転はナイス。
しかしタモツに気づかれなかったら、授業中に一人チョコ食べるつもりだったのかい。

・「(学生時代と)変わってないのは髪型だけね」発言に講師陣がみな凍りつくなか、みちるは一人くすくす笑い。塾長から見えてないとはいえ。
こういうみちるの悪気ない残酷さは第7回で大いに花開きます。しかし塾長、当時からヅラだったのか?

・前進ゼミナールを意識しまくって塾の名前を「お前達アカデミナール」に改称。しかも看板の「お」「アカ」の文字をわざと小さくして「前進ゼミナール」と読み間違ってもらおうという姑息な計算。
ドラマ放映当時公式サイトで「塾の名前が次はどう変わるか」というクイズをやってましたが、今回の当てた人皆無だったろうなあ。

・続々と生徒が減ってゆくさまをめぐるがナレーション。
「ゆり子さんのせいばかりじゃない。私の責任でもある」というナレーションにあわせ、めぐるの日替わりトレーナー(すべてダサい)がアップになるため、めぐるのファッションの責任、といいたいのかとちょっと思ってしまった。

・この塾にいるときだけが勉強しなくて済む時間なんだというタモツをかわいそうがるめぐるに、勉強を教えてるのにそんなこと言われてしまうめぐるの方がかわいそうだと言うユーキ。おおユーキが賢い事を言った!

・友達と並んで帰るタモツを途中車で拾うゆり子。それはいいとして、友達を一緒に車に乗せて家まで送っていく代わりに、千円出して「これでタクシー拾いなさい」とはあんまりな。そのうえ「遊ぶなら同じレベルとの子と遊んでね」。
息子の周囲を敵だらけにしてどうするんだ。あまりの非常識っぷりですが、昨今はほんとうにこういう親がいるんでしょうね。だからこそ「モンスター」と呼ばれるわけで。

・ゆり子の暴挙をきいて腹を立てるユーキ――はいつのまにか43歳バージョンに。しかし今までと違いめぐるはユーキ23に対するのと何ら変わらない態度でユーキ43に接している。すっかり慣れて「どっちもユーキくん」な心境になってるんですね。

・「デブじゃねえっていうか、サブじゃねえっていうか・・・」。ユーキ23のバッジの「サブマネージャー」の文字はユーキ43では「マネージャー」に。なぜ20年後もユーキが「ダイアナ」の制服姿なのかの謎がここで解けた。
20年かけてこの程度の出世か、という気はひしひしとしますが。やっぱり社長ににらまれたせいなのか。

・めぐるの携帯にゆり子からの電話が。でも登録名が「モンスター」って(笑)。ゆり子本人に見つかったらまたひと悶着はまぬがれないなー。

・「江口先生彼女いましたっけ?」と聞かれて振り向いた瞬間の江口の表情が怖い。何がどうってことじゃないんですけども。

・江口の回想。レンタルビデオ店前で江口がぶちまけたAVを足蹴に、江口を見下ろすゆり子。そのポーズといい高飛車な態度・表情といい、何だか女王様のよう。
しかも「どういう内容それ?言ってみなさいよ」。ものがAVだけにいじめ通り越して言葉責めのおもむきさえあります。なぜか「はい」と勢いよく答える江口の顔ちょっと笑ってるし。

・素直にAVの(ピー音だらけの)内容を説明したという江口にめぐる&みちるドン引き。
問題はAVを見るかどうかより、内容を女性に、向こうからせまられたとはいえ「嬉々として」説明した部分にあると思うなあ・・・。

・打倒前進ゼミナールのアイデア―一日塾長、コスプレで授業など―を「自分が関われないから」という理由で次々却下する塾長。別に一日くらい有名人に塾長ゆずろうが自分自身がコスプレで授業できなかろうがよさそうなもんなんだけど。

・塾歌を作ることをめぐるが提案し、実は結構みな音楽ができることが発覚する。
深田さんは本当にピアノ上手いらしいですし、バンド「SAKEROCK」のギターやってる星野さん、サックスのソロアルバム出してる武田さんにいたっては音楽活動もプロですからね。この顔触れだからこそ思いついた展開なんでしょうか。
しかし高尾山も言ってますが、塾歌にラップが必要だろうか。

・「授業内容や進学率は勝てないからこそ、面白さで勝つしかないんです!」。進学塾として完全なる敗北宣言なんですが、何だか胸を打つ力のあるめぐるの名言。
ゆり子に塾長が言ったように、「楽しんで勉強をする」というのも一つのスタイルとして決して間違ってないわけですし。

・めぐるの家での練習光景。高尾山にラップを勧めておきながら、ラップ入りかけたところで演奏ストップしてしまう。高尾山も気を取り直して拍手してるけど、扱い悪いなあ(笑)。

・音楽祭当日、講師室にははまるから贈られたピアノが。今日が終わったらあのピアノどうするんだろう?
ついでに「ラップはいらないんじゃ」と言ってた高尾山が何気に一番気合入った格好してるのがツボ。

・集まってくれたみんなにホットドッグを差し入れるユーキ。でも塾長が手を伸ばすとひょいとよけて足を蹴っとばす。前回の報復ですね。ことさら「余った分ここに置いていいすか?」と言ってのけるあたりも。
ところでこれって彼の自腹だったりするのか?そしてバイトは休んできたって解釈でいいんですかね。

・「何で君はここにいるのかな?」という江口の嫌味っぽい問いかけに「カレシだから」とさわやかに即答。
このときのソフトな口調、いかにも当たり前という言い方が、何ともいえず「勝ち組」感を醸し出している。相手がモテない代表みたいな江口なだけに。
この時点で彼らがあんなことで意気投合するとは思わなかったなあ。

・これが終わったら(前進ゼミの)説明会に行くから早くはじめてくれと要求する千鶴たち。
よその塾とあからさまに二股かけたひどい言い方みたいですが、受験生がこの重要なときに音楽祭にわざわざ参加してくれたわけですね。彼女たちはそれなりにこの塾に愛着持っててくれてるんだと思うと何だか嬉しくなってきます。
そういや雪子ちゃんがいないな・・・。

・タモツに呼ばれたと言って集まってきた子供たち。あの母親のせいですっかり周囲から浮き上がってそうに見えたタモツくんですが、実は結構人気者だったんですね。
勉強ばかりの他の塾と違って、ここで初めて友達ができたといってますし。

・塾歌をみなで合唱。楽譜もないのによくみんな歌えるな。リハーサルしたんだねきっと。
およそ塾らしからぬ気の抜けた、でも受験のプレッシャーで狭くなっている視野をふと広げてくれるような心なごむ歌です。こんな塾もあっていいでしょう。

・横から出てきて高尾山のラップを奪うユーキ。高尾山気の毒な。それにしても言葉に合わせてのポーズと顔芸が見事。単なるラップでなくちゃんと演技になってるんですよね。
公式サイトの「パねログ」で勝地くんが「ラップが大変だった」と書いていたのでてっきり第4回の「どうでもいーい」のことかと思ってたら、これだったわけですね。リズムにあってるんだかないんだか微妙ながらも充分上手でしたよ。

・タモツを連れ戻しにきたゆり子が、「いやです」と言われたとき一瞬とても悲しそうな表情をする。そしてその表情のまま固い声で再び帰るよう促す。
この抑えた表情変化の中で感情を伝えてくるのはさすがの演技力です。

・同窓生とは言えゆり子に強く意見し、タモツに「学ぶことの楽しさを徹底的に教えてやる」と宣言する塾長。さらには合格させられなければ「お前達アカデミナールの塾長をやめます」と進退までかける。
これまでで塾長が一番格好良かった場面・・・ですが、「これで落ちたらまた塾名を変えて『お前達アカデナールの』塾長はやめたと言い張るつもりなんだろなー」と思ってたら案の定でしたね。格好良さそうで格好良くなれない(ならない)のが塾長ですね。考えて見れば「学ぶことの楽しさを~」も教えるのは先生たちだし。

・出て行ったタモツとゆり子を追って走るめぐるに、二回の窓からユーキがホットドッグを放る。このシーンを見てアンパンマンに新しい顔を投げるジャムおじさんを連想した人は多いことでしょう。
この先積極的に他人の未来を変えていこうとするめぐるをユーキが(食べものを差し入れて)サポートするのがストーリーの定番になるかと思ったんですがそうでもなかったですね。

・めぐるがホットドッグを頬張るのを見て、ユーキはウインク&ペコちゃん風舌出しスマイルで指を立てて見せる。なんたるキュートな。その後走り去るめぐるを見守る凛々しい笑顔も素敵です。
怒涛の第4回を経て一皮剥けたというか、表情や動きが一層はじけてきて、しかも作為的な不自然さがない。海老沢ユーキという人間が本当にその場にいるかのようです。
ユーキのウインクにやはりウインクで応えるめぐるもキュート。バカップルだけど最高のカップルですよね。

・車から降りてきたタモツ32はいまだ東大浪人生。しかし「合格」ハチマキ+「目指せ東大」のたすき掛けって・・・なんてわかりやすい格好してるんだ(笑)。

・めぐるの行動と発言に動かされて、タモツは車のドアを力強く閉めることで母親に叛旗を翻す。
これまではめぐる満腹時は全てめぐる目線で、つまり20年後のビジュアルが登場したら特定の時間が過ぎるまでは20年後バージョンの姿のままだったのですが、今回はめぐるの目に映る32歳のタモツと、ゆり子の目に映る12歳のタモツが代わる代わる登場する。
12歳の弱々しげな少年が自分の意志で歩き出そうとする、その決意の瞬間を大事に描こうとしているのがわかります。

・みんなに一緒にお餅をつこうと声をかけられたタモツは「うん!」と初めて満面の笑顔を見せる。そんな子供たちの姿を見て自分も幸せそうに微笑むめぐる。
授業中にお菓子食べててもいきなりエスケープしても、心から生徒を思ってるという一点において、やっぱり彼女はいい先生なんだと思います。

・お餅をつくタモツの杵をユーキが支え、さらに反対側から塾長も支える。三人がかりでお餅を搗きながら、ユーキが塾長の方に笑いかける。
タモツを挟んで二人の気持ちが通い合ったらしいのがこのワンシーンに表れています。

・「久しぶりにおかわりした」→久しぶりに満腹になったおじいちゃんが(20年後の)めぐるの手に手錠を見て驚く。
これまでにもおじいちゃんはたびたびめぐるの20年後を見ていると思うのですが、その時は手錠はなかったということですよね。他人の未来を変えたことがめぐる自身の未来も変えてしまったのか。
もし20年後のめぐるが逮捕される――刑務所に入れられていると仮定すると、第4回終盤のユーキ43のメールは彼女が獄中にいても変わらず愛しているというニュアンスになるわけで・・・あのメールの時点ではめぐるの未来はどうなってるはずだったんでしょうね。

・猫舌のけったいな占い師「新宿に母」がなんとめぐるの母!衝撃の事実を投げかけたところで幕。すごい引きです。

(つづく)

 

 


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『未来講師めぐる』(2)-9(注・ネタバレしてます)

2009-07-15 01:15:31 | 未来講師めぐる
〈第5回〉

・「俺の彼女はめぐる。吉田めぐる」。いつもはめぐるのナレーションで始まるのに、今回はなんとユーキのナレーション。ユーキが主人公のような展開にわくわく。
そして「はっきりいって、可愛いっす」とその直後の「めぐるー!」の時のわざとらしいまでにキレのよい動き。この、効果音入れたくなるほどのパキパキした動きがユーキというキャラクターには実に似合っています。

・塾の下から「めぐるー!」と呼ぶとめぐるが2階の窓から「ユーキく~ん!」と笑顔で答える。こういうシーン同じく宮藤さん脚本の『僕の魔法使い』でもありましたね。何たるバカップル。しかも職場にいるのに。
そしてめぐるの返事を受けて「オニ可愛いっす♪♪」とメロメロな笑顔に。そんな君こそ可愛いよ(笑)。

・調子に乗ってゴミ捨て場に突っ込んだ直後、また「イチモツの不安」とかモノローグしつつ股間に手をやるユーキ。こらこらっ。
ユーキはこの言葉をどんな意味だと誤解してるんやら。

・ゴミ袋首に巻いた状態のままローラースケートで走るユーキ。それ外せよ。第3回に続いての後ろ向き滑りはあいかわらず見事です。

・第4回の回想から「やったー!」と叫ぶところで現在(でもこれも回想)に話を繋げる。「すみません、今のは思い出し喜びです」。何このカメラ目線。誰に喋ってるんですか。このへんメタ展開ですねえ。

・オーダーの機械が壊れたため記憶頼みで注文を取る藪中店長。毎度トラブってる気がするのに、それでもこの焼肉店(「ジュージューパラダイス」)に来るんですよね。
めぐるの注文にいちいち口で「ピッ」と答える店長にユーキが「ピッピピッピうるせえよ!」(この時の声の裏返り方にユーキの苛立ちがよく出ていてお見事)とツッコむんですが、めぐるの言うとおりいつものユーキらしくない乱暴な態度。
さしも脳天気なユーキも自分のコンプレックスに障るような特殊能力(ハゲてデブった未来の姿が見えてしまう)を持つ彼女を前に平静じゃいられないわけですね。それでもめぐるとの関係を「おおむね順調」と表現できるのはユーキの一種の度量の広さでしょうか。

・ユーキに怒鳴られて「あ、全部とんじゃった、やばいやばい」と言いながら下がる店長。結局オーダーはどうなってしまうのか?
この一連の場面での店長の言動は、ユーキが(もともとイライラしてたとはいえ)切れるのも納得のウザったさがある。佐藤さんの好演が光ります。

・めぐるに20年後の自分の写真を見せてほしいと言いつのっていたユーキが、「私はどっちのユーキくんも好きなんだから」と言われて思わず頬を緩める。めぐるへのベタぼれっぷりがよく伝わってきます。表情変化が上手いなあ。

・めぐるが一口食べるたびに両手で頭を隠しながら、ハゲる方はまだしも「ブルース・ウィリス的ハゲっていうか、ダイ・ハード系ハゲ」などとチャーム・ポイントとして捉えることもできるがうんぬんと一人語るユーキ。
具体的人名を並べての一方的なトークとバッと頭を隠す仕草の繰り返しが何とも可笑しい。ユーキ苦労するな。

・昨日塾に入ったばかりの「石倉タモツ」くんはどんな子かというめぐるに、塾長がさっと名前入りの写真を出してくる。はじめて有名人以外の写真が来た。
普通の証明写真ぽい正面からのアングルでない、勉強中らしい構図からして、塾での授業中に撮ったもの?しかも何か加工してあるっぽいし。これ塾長の隠し撮りなんじゃあ・・・。

・教頭先生がタモツの母親のことを口にした途端に、隣りの担任教師がはっと恐怖の表情になる。
思えばこの担任、最初に画面に映ったときから、妙に憔悴した顔の中で目がおどおどしつつも狂的な光を宿した、ちょっと不気味な人だった。あとで彼女がノイローゼで学校を休んでいる次第が明らかになりますが、言われる前から精神的に普通じゃないのが顔を見ればわかる。さりげない名演かと。
最後の「今は休ませています」で床に転がってるシーンでは見事に目がうつろです。

・めぐるが想像するモンスターペアレントの姿。ジャガー横田さんというあたりが、あはは分かりやすい。しかし担任教師の口にピーマン突っ込む保護者って・・・イヤすぎます。
めぐるの想像世界から現実に戻っても、先生の口にピーマン突っ込まれてるあたりは、ありえないんだけど(だからこそ)笑ってしまいます。

・再度めぐるの妄想ワールド。教員室に乗り込んでくるジャガーさん、なぜにリングコスチュームよ(笑)。後ろにゴングの音まで入ってるし。めぐるの想像力ってすごいな。つーか塾講師として「モンスターペアレント」の知識くらいなくては。

・完全武装状態で、バイクで教員室に突っ込んでくるジャガーさん。顔も隈取り系メイク済み。もはやどう見ても保護者ではない。この外見で、「11月は法事や葬式が多い」とか世俗的なことを口にするギャップがたまりません。
今度は教頭先生が犠牲に・・・。現実世界の教頭も顔に大痣作って服がよれよれです。恐るべしめぐるの妄想パワー。

・塾を襲うジャガーさん。手しか見えませんが明らかに怪獣化している。モンスターペアレントってこわいですねー。
しかしあのタモツ母(本物)が7つの学習塾から金をむしりとるような真似をしたというのがどうも解せません。うるさがたのお母さんってことで憎まれたために噂が一人歩きしたんじゃないのかなあ。

・襲い来る怪獣に踏み潰された瓦礫の山、そこで懸命に怪獣を防ごうとする自衛隊員。もはや学校でも塾でもない。なんか別のドラマになっています。

・タモツくんの母・ゆり子(高橋由美子さん)にネチネチとダメ出しされるめぐるはなぜか微笑みを浮かべたまま。
そしてぐるぐると揺れてぼやける視界、遠くから聞こえる正体不明の軽やかな笑い声。なんかやばいのでは?と思ったらいきなりお花畑で戯れる幼稚園児姿のめぐる+現在と未来のユーキの姿に。
次回予告の時点でスモック姿で丸く手をつなぐ三人の姿に「ユーキ23と43が同時存在してる?しかもスモック?一体何事!?」と思ってたんですが、テンパっためぐるの妄想オチとは(笑)。パステル調の画面と見るからに造花っぽい花がいかにも嘘臭い幸せ感を醸し出しているのがあまりにもグッド。
どうやったらこんなシーンが思い浮かぶのだ。スタッフのみなさんノリノリですねえ。

・妄想の中で笑いながらパイをぶつけ合う三人。めぐるが幼稚園児コスプレらしく髪を頭の両サイドでちょこんと結んでるのはいい(というか可愛い)として、ユーキ23まで男の子のくせに髪結んでるのはなぜさ。なまじ似合ってるせいで一瞬ユーキとは気づかず、本当の女の子かと思ってしまった(笑)。
実はこの髪型勝地くんの提案なんだとか。勝地くんもノリノリだ。そうそうに顔にパイをぶつけられてしまうため、せっかくの可愛い顔がちょっとの間しか映らないのが惜しい(番組の公式ブログ「パねログ」で幼稚園児コスプレ+Vサインの勝地くんの写真が見られます)。

・実は大学の同級生だったゆり子に「門田大くんでしょ」と呼ばれ、「そう、マサルくん!」と力強く大の字ポーズをする塾長。大学生の頃からあのキャラだったのか・・・。
でも彼女いわく「学生の頃は自分にも他人にも厳しいストイックな男だった」そうだしなあ。

・「東大っつってもあれだよ、東京大学」。「東西大学」とかそんなオチかと思ってたら本当に東大なんだ。「ほかにどんな東大があるんですか」という高尾山のツッコミも冴える。

・ひたすら「学園天国」を最初のところだけ熱唱(それも13回も)してはばったり倒れるめぐる。「明日からは学園地獄がはじまるからね」。
モンスターペアレントに見込まれためぐるの追いつめられた気分をこんな方法で(あくまでコメディテイストのままに)表現するとは!宮藤さんのセンスに脱帽です。
その後も前進ゼミナール進出による塾の存亡の危機、なんて小難しい?話がめぐる抜きで進みかけると、おもむろに歌いだして上手く主人公に視聴者の気持ちを引き戻す。上手いなあ。

・ゆり子に服装にケチをつけられたのを受けて、みちると服を交換しためぐる。これはこれでおよそ教師らしくないフォークロア調。肌の露出度が低くて色気がないぶん問題が少ないってことなのかな。
しかしめぐるの服を着たみちるを誉めるのに「エロいねえ」はないだろうおじいちゃん。子供に「えらいねえ」っていうのと全く同じ調子なのがなんとも(笑)。しかもそこからナンパ、でも遊びに誘う先は巣鴨。若いんだか枯れてるんだか。

・おじいちゃんが家に戻ると、寝転んでテレビを見ながら笑っているユーキが。
「おじゃましてまーす」と寝転んだままおせんべかじってたり、どんだけくつろいでるのか。こないだまでいきなり夕飯御馳走になるのも遠慮がちだったのにねえ。おじいちゃんの話に「別にいいっす。興味ねえし」とかさらっと失礼なこと言うあたりの現代っ子らしさといい・・・。
はじけまくりの第4回を経て、ユーキのキャラクターがますますリアリティをもって息づいてきたように思います。

・感謝してるというならまず礼を言ってからせんべいを食え、と言うおじいちゃんの言葉に、ユーキは起き上がりテレビを消すときっちり正座しておじいちゃんを見据える。
ここぞの時はきちんと礼儀正しく筋を通すのね・・・と思いきや、いきなり満面の笑顔で軽く「そわーっす!」と(悪気はない)。おじいちゃんたちまち「なめとんのか!」と帽子で殴りにかかってます。そりゃそうだわ。

・鍋焼きうどんの匂いに吊られて小さな祠の陰に潜む?「新宿に母」こと愛子(榊原郁恵さん)に出会うユーキ。
このときいちいち祠に手を合わせて拝んでるあたりがなんか可愛いです。一面識もないおばさんにうどんの冷まし方をレクチャーするあたりも、いい子だよなあ。

(つづく)

 


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『未来講師めぐる』(2)-8(注・ネタバレしてます)

2009-07-11 00:40:03 | 未来講師めぐる
・おじいちゃんが描いたユーキの20年後。高層マンションの窓から身を乗り出してバンザイポーズ。
画風はキース・ヘリングぽくて、構図はビル火災で逃げ遅れた人のよう(笑)。たしかに何の参考にもならない絵だ。

・「めぐるは自分の内面とビジュアル面とどっちに比重を置いてつきあってるんすか?」との問いにかぶせるように「内面内面内面!」と即答するめぐる。
内面って言ってほしかったのは明らかですが、こう連呼されると、ビジュアルはよほど問題外にひどいみたいでこれはこれで傷つきますね。
そのあとの「どっちもコンクリート」はユーキのビジュアルについては何の回答にもなってないし。

・「お願いします」と少し顔を上向けて目を閉じるユーキ。本当にこの回の彼はいちいち可愛くて困ります。
そして「何言われても動じねえっす」と言いながら何も言う前から動揺しまくり。コアラのように柱にしがみつく姿も可愛いったらありゃしない。

・めぐるに未来の姿を告げられたユーキは「ぎやああ~!」と絶叫する。このときの悲鳴が何ともすごい。勝地くん名演です。
しかし「ずるむけのぷよぷよ」という表現のすごさ(笑)。もうちょっとショックを受けないような形容があるだろうに。田口さんの立場は・・・。

・動揺して暴れるユーキと彼を押さえようとするめぐるの攻防。「周囲の目を気にせず」というナレーションなわりに周りに人なんていないような。
何度も起き上がってはまた倒れるユーキのお腹がちらちら見えるのは、一種のサービスショットですね♪

・「あんたの言うことなんか、信じねえからな」と言われて「『あんた』!?」とショックを受けるめぐる。少し後のおじいちゃんとの会話を聞いても、「信じない」より「あんた」発言に対する怒りが大きい模様。
ユーキも「あんたとか言ってすみませんっす」とこっちの発言の方をあやまってましたし。そんなもんかなあ。

・股関節を脱臼したユーキがローラースケートのまま、よたよたと歩き?去る。いつにないぎこちない動作が本当に足を怪我してるように見える。
勝地くんのローラーさばきが笑いや緊迫感を生んでいるシーンはここの他にも多々登場する。ユーキははまり役ですね。

・「その日を境に、ユーキくんの生活は荒れました」。ヤクザ風、チャラ男風とコスプレ連発の、勝地ファンには必見の場面。
しかし「ギャンブルに明け暮れ」と言いつつ単なるスロット、薬物に走ったかと思いきや実はヤセ薬+毛生え薬(なのに何であんな恍惚とした顔してるんだ。それに今から飲んでどうする)、高校生(中学生?)にケンカを売り、こめかみや唇の端に血を滲ませつつ(つまりあの大人しそうな少年たちに返り討ちにあったわけですか・・・弱っ!)AVを大量に借りまくる(即日返却って、あれだけ一気に見るつもりか?)・・・。
「飲む打つ借りるの悪行三昧」と言いつつ、悪行といえるのは飲む打つ借りるに入っていない学生イジメだけなんじゃ。めぐると決裂しても女を「買う」でなくAV止まりというあたりにユーキの根の純情さが滲み出ています。
それにしても薬の名称が「カミハエ~ル」とか「ヤセレ~ル」(笑)。まあ本当にありそうですけど。小道具のスタッフさんも楽しんで作ってたんだろうな。

・おじいちゃんの回想。「まだ見えたてのぺーぺーだった頃だ」という表現に笑う。何か元ネタありそうですねこの台詞。地井さんの若作りもすごい。瓶底眼鏡と学生服・・・。
そして一目ぼれからいきなりプロポーズという急展開、20年後の変貌しまくった奥さんの姿。「ノーブラで腹にスイカの皮を乗せて寝る」という妙にリアルな表現も、モデルいたりするんでしょうか。
しかしめぐるが家事一切できない(やらない)のはおばあちゃんの影響なのか。後に登場する母・愛子は普通に料理してたので、12歳にして両親に別れためぐるをおじいちゃんが不憫がって(おばあちゃん同様に)甘やかしたものか。こんなめぐるの20年後も・・・。やたら食べるしねえ。

・おじいちゃんが見た20年後のユーキ。つるんで悪さしてる二人組がそれぞれきちっとしたスーツと白衣姿に。二人とも立派に更正するんですねえ。ユーキは・・・。

・こたつから両足だけ出して「わ~!!なんでだよお~!!」とばたばたさせるめぐる。ううむ可愛い。

・携帯を眺めて溜息つくめぐるをこっそりうかがう塾長たち。・・・棚の後ろから顔だけ並べてる構図が何ともシュールです。何だかさらし首みたいだ。

・「女が食べ物に反応しない理由」についての男性陣の推理が「ヨン様が・・・(あと聞き取れなかった)」てのはなんですか(笑)。
塾長がやたら「キュウリはカッパじゃないか?」と繰り返すのも可笑しい。「鈴虫はリンゴじゃないかなー?」にいたってはもはや本来の話題の面影も留めていないし。しかも今度は廊下の角から三人縦に顔を並べている。塾長なんて首から下はどんな姿勢になってるんだ。
このシーンは「台詞と構図を少しアレンジ加えつつ反復」というパターンを重ねることで面白味を出しています。

・いつのまにかバイトに復帰してるユーキ。あんなサボりまくりで(一応)悪い道に染まっていたというのに、首にもならず副店長を降格にもなっていない。なんつーか大らかな店ですね。

・「めぐるもじいさんのたわ言につき合わされてんじゃねえかって」。
当のじいさんを前に失礼な発言ですが、それだけめぐるを悪く思いたくないってことですよね。ユーキの一途さにじんときます。

・めぐるがアキラとデートしてると聞いたユーキは「別に・・・」とクールに流して見せるものの、内心の動揺のあまり足をばたばたさせたあげく倒れる。ユーキのローラーアクションはほんと体張ってますね。
倒れたまま一転して「どーしよ・・・」と泣きべそ声になるのも上手いなあ。

・アキラに欠点が何もないと言って悩むめぐる。
ユーキに対するすまなさからあえてアキラに幻滅しようとしてみたり、その一方で20年後の姿を見て幻滅したくないと思ったり――このへんの揺れる心情は女性心理として非常にリアルに感じました。宮藤さん男性なのに、この洞察力はすごい。

・メールアドレスだけは未来永劫絶対に変えるなとおじいちゃんはいつになく強くめぐるを叱る。しかしめぐるが変えなくても20年間携帯会社の方がもつだろうか・・・。

・ユーキがえらくマジメな顔をしてると思えば「ダイアナ」社長・アキラの写真を見つめている。
そして大マジな顔のままマジックを取り出して落書き(笑)。なんかこう、やることがちっちゃいなあユーキ。

・一人携帯を開いたり閉じたりするユーキを草陰から見つめる江口たち。
なぜユーキがめぐるの彼氏とわかったんだろ、ユーキとは面識ないはずなのに、と放映時は思ったんですが、第1回の放映時カット部分を足したバージョンをDVDで見て納得。江口がめぐるとユーキの焼肉屋デートの現場をのぞいて悔しがるシーンが入ってました。ここでユーキの顔を知ったわけですね。

・めぐるの彼氏が前に自分の前で「毛が薄い」発言をした男だと気づいた塾長は、前回と全く同パターンの嫌がらせを。このシーンもまた反復の面白さが出てます。

・アキラの告白に「迷惑じゃないから迷惑なんだよ」と泣きじゃくるめぐる。上で書いた「欠点が何もないと悩む」同様の、「惹かれつつ惹かれたくない」複雑な心理がこの一言で見事に言い表されている。
こういう発言がくるのは相当脈がある証拠なのに、めぐるの涙におたおたして飲み物を勧めてしまうアキラ。さらにはめぐるの「泣いてるんだから、ここ座ってよ」という、もう一押しで落ちるの確実な誘い文句にも、従おうとしつつその前に携帯の点滅=メールが届いてることをわざわざ教えてあげる。いい人すぎてツメ甘すぎですアキラくん。
他人からのメールを読むのに側にくっついてたら失礼だとの紳士的配慮から席をはずしたわずかの間に状況は激変し、結局めぐるをユーキにさらわれてしまうわけですから。

・「ありえねえなんて言うなバカのくせに!」「夢のないバカなんておまえ、バカだよ!?」。声裏返らせつつバカバカ連呼する(ユーキ=バカを当然の前提としてるのが失礼っちゃ失礼な)おじいちゃんの力説。
それに対しユーキは「だってありえねえもーん」と言いたげな調子で、指揮でもするように腕を大きく振りながらテーブルの間を滑る。無駄に回転を交えた動きや口笛でも吹くようにとがらせた口に、小馬鹿にした感じがよく出ています。

・ワインをもったアキラが戻ってくると、いつのまにかめぐるは部屋から消えている。しかもアキラの分まで料理を平らげて。満腹状態でユーキに会うためなのはわかるんですが、人の分まで食い尽くして黙って姿を消すとは何たる身勝手な(笑)。
その後もユーキのもとに辿り着くまでに通り姿の人のクレープを奪うわたこ焼きを奪うわ。たまたまめぐるを見かけたはまるが追いかけてきて金をばらまかなかったら泥棒になってたところです。
まあこの極端な行動、何かに必死になるあまり回りが見えなくなるところがめぐるの良さでもあるんですが。

・ユーキ43のメールは、普段の話し言葉以上に丁寧な言い回し、一人称「僕」のせいもあって、ユーキ23よりずっと知的に落ち着いて聞こえる。20年経ってるんだから当たり前ではあるんですが。
「今までも、そしてこれからも僕は君に迷惑をかけると思う」という表現からすると、20年後もユーキとめぐるの付き合いは続いている、おそらくは相変わらず恋仲(夫婦?)なのだと想像されます。
ユーキがめぐるやおじいちゃんの言葉が嘘じゃなかったと悟ったのは、自分の外見変化のせいですかね?

・大松監督のような風貌(サングラスと付け髭?)のはまるがめぐるを追いかけてくる。一緒にいた女性を「鮎原」と呼んでるあたり『アタックNO.1』も混ざってますね。いったいはまる、この時何をやっていたんだ?

・「娘を応援しない父親がどこにいる」とのはまる発言にちょっと感心。それもつかの間、拡声器で周囲の通行人にめぐるへの応援を呼びかけるはまるにヒく。なんつー恥ずかしい。めぐるがよく怒り出さないなあ。

・公園に走りこんでくるめぐるのバックにいつのまにか本当に応援団がついている。この人たちはめぐるが何者で何のために走ってると思ってるんだろう。

・公園の階段を降りてくるアキラ45。現在の面影を多分に残したダンディーな中年に。彼とユーキ43が並ぶと「勝負あった」感がありますね。
二人の表情を見ても、ユーキ43の方はいかにも自信なさそうです。これはユーキ23の表情でもあるわけなので、副店長(実質フリーター)と社長の格の違いがこの自信のなさに繋がってるんでしょうね。顔なら全然負けてないんだけど。
しかし群衆の中から出てきたワイン持ったずるむけぷよぷよのおじさんは何だったんだ?アキラの20年後とミスリードするために出てきたにしてはすぐ後に本物のアキラが出てくるしなあ。

・ユーキとアキラ、二人の中間点に立っためぐるがアキラの方に歩いていく時、ユーキ43は目と口をちょっと開く。
決して大げさな表情じゃないのに彼の受けたショックがすごくよく伝わってくる。田口さんの名演技です。

・めぐるの気持ちを聞いて、きわめて紳士的に身を引いたと見えたアキラが、ユーキに名前を聞いたあと「覚えておくよ、いや、絶っ対に忘れない」と唇をゆがめる。
ずっと超いい人だったアキラが初めて見せた毒の部分。あー、これじゃユーキとうてい出世できませんよ。だから20年勤めててもマネージャーどまりなのかなあ。
アキラの顔見てユーキの方も「うわ~・・・」と自分の先行きを思いやってたじたじな表情をしてます。

・「めぐる、自分で、いいすか?」と訪ねる時のユーキの表情に漂う不安と緊張感。ちょっとした眉の動きでそれを表しています。そしてめぐるに「いいに決まってるじゃん!」といわれた瞬間の泣き笑いのような表情。目が潤んでるのが何とも可愛いです。
さらにめぐるの抱擁を受けて「やったー!!」と繰り返し叫ぶ。大学時代の告白シーンの再現ですね。
この回で「20年後のユーキのことも変わらず好き」との見解に辿り付いためぐるは、以降他の男によろめくことは(氷高さんの件はあくまでユーキ愛の一環とみるなら)ありません。

・歌い手(やなわらばー)が自ら出演するエンディング特別バージョン。めぐるとユーキが並んでホットドッグを食べると、目の前でおもちゃのギターを弾き歌っていた小さな女の子二人が20代の女性二人に転じる、という演出。
このエンディングを見ていたら、今回すごくいい話だっただけに、そして第1回以来の「ずるむけのぷよぷよになってしまう彼氏を愛せるのか」という問題に決着がついただけに、ほとんどこのまま最終回でもいいような気分になってしまった。まあこの直後の予告を見たらすぐに第5回が楽しみでならなくなったんですけども。
ちなみにやなわらばーの歌を聴いているときのユーキは格好はユーキなんですが、しみじみと曲に聴き入っている表情はむしろ勝地くん本人のもののように思えました。とっても優しい目をしています。

(つづく)

 


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『未来講師めぐる』(2)-7(注・ネタバレしてます)

2009-07-08 01:43:00 | 未来講師めぐる
〈第4回〉

・震える手がテーブルの上のコップに伸ばされる。緊迫したBGMも手伝って、何が起きているのかとはらはらする。
・・・が画面が変わるとそこには動くコタツが。毎度のめぐるのナレーションが入ることから、コタツの中にめぐるが潜ってるのは明白。コタツごと動く姿が、なんかすっごい可愛いんですが。
しかしコタツかぶったまま部屋一つ移動するかね。

・「晩飯何が食いてえ?」ときかれて、「食いたいもんなんて、ねえ!」と答えるめぐる。
前回の「おまえらが頑張れ!」もそうですが、めぐるがなまると何故こうも可愛いのか。台詞を言う一瞬だけこたつから顔を出すのも(それも甲羅から頭を出す亀のごとくに)、そのときのぶんむくれた表情もなんともキュートです。

・「めぐるが立ち直るまで、先週の話を思い出してください」とこたつにもぐったままでナレーション。
明らかにめぐる本人が口動かして喋ってることで、マンガでよくある「作中人物が自分がフィクションの登場人物なのを前提の発言をする(「このマンガはよくできてる」とか)」効果を生んでいる。こういうところも『めぐる』がマンガ的といわれる所以かな。

・めぐるがみちるに彼女の未来を告げたために20年後の高尾山とみちるのビジュアルが変わる。
真ッピンクのペアルックから高尾山は和服に、みちるは後ろで緩く髪を束ねた職業婦人風に。見た目的にはこっちの方が落ち着いてていい感じだなあと思ったり。

・ショックを受けているめぐるを心配するユーキ43。「なんでもない」と素っ気無く答えつつめぐるはつい目を背けてしまう。気持ちはわかるものの、やっぱりユーキがかわいそうだよなあ。
「なんでもない人はなんでもないなんて言わねえっす」と言う調子がゆっくり、というかトロトロしてるのも、めぐるをイラつかせる一因になってそうです。このへんの「めぐるをイラつかせそうな雰囲気」を田口さんは上手に出している。めぐるに「放して!」と言われたときの傷ついた表情も切ない。

・「じゃあ、好きって言って欲しいっす」というユーキに「えっ!?」というときのめぐるの顔が、単純にすごく驚いた風でもいかにもイヤそうな風でもなくその中間の表情―「まさか、ありえないでしょ?」と言った風なのが、かえって本当にイヤそうで笑いを誘う。こういう何気ない部分で深田さんも上手い。

・「それ言っちゃダメだ!」というときのおじいちゃんの両手が前にぶらんと垂れてて幽霊スタイル(笑)。細かいなあ。

・立ち上がるなり「やべえ!超嬉しっすっ!」と壁に向かって吠えるユーキ43。このシーンに限らず、ユーキ43は全体に声が太いだけにその必死さがダイレクトに伝わってくる。
そして振り向くといきなりユーキ23に早代わり。赤いセーターはユーキ43と同じものに見えますが、20年間着てるのか、同じような服を見つけて着てるのか。
ユーキ23に好きと言われる分には、つい甘い笑顔になってしまうめぐる。その正直さが可笑しいと同時に、本当に思わず、という感じの笑顔にめぐるがユーキを好きな気持ちが篭っている。

・「脳が初期化されたっつーか、好きで頭いっぱいっす!」と力強く明るく笑顔で言い切るユーキに「バカでよかった・・・」と呟くおじいちゃん。これだけ単純脳だから自分の(ずるぷよな)未来が見える恋人と付き合っていけるんですね(しみじみ)。
しかしおじいちゃんの発言に「バカ?」とちょっとムッとした感じに問い返すあたり、ユーキはバカの自覚がないんでしょうか。

・めぐるが改めて自分の能力を告げようとするのを「わーわーわーわーわー!」と声を上げてさえぎろうとするおじいちゃん。この時歌うように大きく両手を広げるのに、事情がわかってないはずのユーキが同じように両手を広げて答えているのが微笑ましい。いい子や。

・めぐるの能力を知らされたユーキがしばしの沈黙ののち「それって・・・」と真剣なトーンで語りだすので、さすがのユーキも重く受け止めたか、と思いきや「美輪的な?」と続くのにかくっとくる。あげくに「容量オーバー、パッツ~~ン」とか言いながらくねくね倒れてしまう。ああほんとバカでよかった。
しかしこの「容量オーバー~」の時の喋り方が本当にくにゃくにゃでまさにプッツン言った感じ。表情もネジのとんじゃったロボットのごとくだし。勝地くん名演です。

・かくて一週間コタツにひきこもっているめぐる。みちるの差し入れる食事も断ってますが・・・まさか一週間飲まず食わずとは思えないし?

・めぐるの頬のコタツ焼けを指摘する江口。「バーバリーみたいなの」という表現に笑った。確かにどっちもチェックだけども。

・「吉田先生、パンチラ!」。パンチラとバッテラを言い間違えるのもどうかと思いますが、バッテラと黒板消しを間違うのも無理無理ですよねえ。そもそもなぜそんなところにバッテラがいきなり置いてあるのか。
やるならとことん、という感じにツッコミどころを用意してくれるのがこのドラマの醍醐味。

・高尾山先生は20年後仙台の盆栽コンクールで一位入賞するそう。いい具合に枯れてますね高尾山。「仙台の」ということは故郷に帰ったんですね。

・翌日高尾山にラブホの割引券を持って迫るめぐる。ユーキと使った余りかなあとか生々しい想像しちゃいそうなアイテムです。
しかし独身ボランティアなみちるの20年後それ自体にはさほど動揺しなかっためぐるが、高尾山の20年後は「これじゃいけない!」と思ったというのは、いかにも寂しい独居老人然としてたからでしょうかねえ。

・「こう見えて年上じゃなきゃダメなんです!甘えたいんです。甘え体質なんです。」「40ですが何か!?」 いろんな意味で厳しいなあ高尾山。自ら「こう見えて」っていうくらいあってギャップ激しいです。
しかし今度お見合いすると告げるときのひらひら踊るような動きは浮かれてるのか開き直って周りをバカにしてかかってるのか。驚くみんなの表情がアップになりますが、塾長の顔がなんか凄いです(笑)。

・愛されメイクで塾へ表れたみちるに「アーバン計画が着々と進んでるね。まるで豊洲だ」。駅前でスカウトされたと聞いて「それぜったいエロビデオ」とめぐるは隣りの江口に同意を求め江口は「エロビデオです」と頷く。
このあたりの言葉の選び方、テンポの良さはクドカン脚本の妙味ですね。

・バイト中のユーキの独白。なぜか一人称が「僕」だったり、自らを「イケメン」と呼んでみたり、やたら手振りや表情が大仰だったりするのは、前年の舞台『犬顔家の一族の陰謀』の野見山玉男を彷彿とさせます。というか宮藤さん意識してこの場面書いたのでは。

・お客に注目されてると気づいて、営業スマイルを振り巻きつつ、特に意味なく各テーブルの間を滑って回るユーキ。いかにもな笑顔と動きのせいで、なんかディナーショーとかでお客さんのテーブルを回る芸能人みたいです。

・「もともと太りやすい体質」「(父親も兄も代々)毛が薄い!」。うわー笑えない・・・。こんなところまで当て書きなんですね。いや代々毛が薄いのかどうかはわかりませんけど。

・ユーキの「毛が薄い!」発言に反応して自転車を倒す(通りすがりの)塾長。顔を上げたユーキの前で大の字に手を広げて立つのは、以前にもやっていた自分の名前(「大」と書いて「まさる」)を示すパフォーマンス。
塾長の名前が何だろうとユーキ的にはどうでもいい話なんですが。自転車にわざわざフルネームをローマ字で書いてあるところといい、目立ちぃなんだよなあ塾長。

・さっぱり事情のわからないユーキの足を蹴飛ばして転がしておいて、「潰れちゃえばいいよこんな店」「ばーーか!」と叫んで自転車で走り去る塾長。何たる捨て台詞。ほんと子供っぽい人だなあ。
そして蹴られたときのユーキのうめき声と転がり方が実にリアル。考えようによっては怪我しかねない危険なシーンですが、全部自分で演じてますよね。すごいよ。

・木の陰から見て居るおじいちゃんに気づいたユーキは「ダイアナ」の車でおじいちゃんを追いかける。あんなスロースピードなら足で追いかけた方がよくないか。あと職場放棄してるような気がするんですが、お客さんどうするのさ?

・ユーキの特技?「ベロが鼻の頭にくっつく」と言うのは勝地くん自身の特技なんですかね?できてなかったけど。
ところでおじいちゃんが何かと言うとユーキのほっぺたあたりよく触ってますが、23歳(ちなみに演じてる勝地くんは当時21歳)の成人男子に対するには子供扱いすぎる仕草なのでは。でも触りたくなる気持ちはわかる気がします。肌つるつるだもんなあ。

・サブマネージャー待遇になり時給が50円あがったというユーキ。「ジャンプ一冊買えるっす」。なにかと物の値段をジャンプ何冊分かで換算するの、昔よくやってた記憶があります。ある世代には懐かしいんでは。

・柵を越えて線路に飛び込もうとしてる(ように見えた)千鶴に、「ばかな真似はやめてー!」と叫ぶめぐる。
予告でこの台詞が流れたときの映像はやつれたユーキの姿だったので、やけになって道踏み外しそうなユーキに言った台詞だと思ってた。このへんのミスリードも上手いです。

・赤坂くんと千鶴ちゃんは手をつないで歩きつつ、「レイ・チャールズってグループじゃないんだって」なる第1回から繋がっている会話をしてる。
話の内容は実に他愛もないんですが、二人は楽しそう。何喋ってても一緒にいられれば楽しいんですね。ほのぼの。

・めぐるの回想によるユーキがめぐるに告白する場面。ユーキの「先輩」という呼びかけに、二人がもともとは大学の先輩後輩だったんだよなあと思い出す。服や髪型も微妙に今と違えていて、二人の「若さ」(たかだか2年程度の昔ですが)を出しています。

・いきなりドングリをむさぼり食いつつユーキの告白。この場面、勝地くんは本物のドングリでやると言ったものの、あまりの不味さに台詞が喋れなくなりNG(DVDのNG集にこのシーンも入っています)。やむなく代替品でナッツかなんか食べたそうで。
明らかに不味そうな(そしてお腹こわすといわれている)ドングリに挑戦しようとするあたりが役者魂です。失敗したけど(笑)。

・めぐるの「はい!」という返事を聞いたユーキが両手を大きく空に突き上げて「やったー!」と叫ぶ。「吠える」と表現したいようなその声に、彼の喜びとこの告白にかけた緊張感がうかがえます。なんかほんと微笑ましくてつい応援したくなるカップルですね。

・かくて恋人同士になった二人ははじめて(たぶん)手をつないで歩く・・・だけでなく嬉しさのあまりスキップしている(笑)。めぐるは「うふふ」とか笑ってるし。ああバカップル。ユーキの帽子のポンポンが揺れるのが可愛いです。

・食べ物につられて父・はまるの誕生日会に出席したものの、BGM代わりのピアノ弾きをやらされるめぐる。深田さんは実際ピアノが堪能だそうです(ここでは明らかに弾いていませんが)。
食べられなければはまるの20年後も見られない、とめぐるは不満そう。みちると高尾山の未来を変えたかもしれないショックで未来を見ることに恐怖を感じていためぐるですが、前から気になっていた父親の二十年後を見ることには抵抗がないようです。千鶴が自殺するかと勘違いしたことで、自分の力で他人の未来をいい方に変える手助けができると考え始めたせいもあるでしょう。
この「はまるの20年後がどうなっているか」は最終回でやっと明かされることになります。

・床に膝をつきながらお客に媚びまくる父親を「カッコわるい」と感じた直後に、やはり床にはいつくばって何事かやっている―格好いい姿とはいえない青年(塚本高史くん)を、その顔が見えるなり「カッコいい~♪」とニコニコのめぐる。にわかに曲まで陽気なナンバーに変わってるし。
しかし拾ったコンタクトを洗わずに目に入れるのはまずいでしょう。

・めぐると目があった青年は、「おや?」と言いたげな表情でめぐるに近付いて彼女の顔をじーっと凝視する。視力の悪い人が物をよく見ようとする時の仕草ですが、コンタクト入れたのにまだそんなに見えてないのか?
彼と目が合い、近付いてくるシーンで小さく、「ドキ・ドキ」と(めぐるの)鼓動の音が鳴っている。おっと浮気フラグ。

・彼が幼なじみのアキラだと知っためぐるは「え?あの小太りメガネ?」。ひどい表現だ(笑)。「うわ激変じゃん大逆転じゃん!」と内心つぶやきつつにっこり微笑むのも。大作29のときもそうですが、めぐる明らかに面食いですね。
そして大作29同様、少年時代はデブ→スリムな美男子へのパターン。しかも今度は20年後でなく現在が美青年、そして同年代と「時間の壁」がない状態。ユーキピンチです。

・とはいえその後の夜景を見ながらの会話からすれば、めぐるも顔だけでなくちゃんと中身も見ている(大作だってピュアないい子だったし)。いくら美男子でも金持ちを鼻にかけたり当然のように親の脛かじってるだけだったら、めぐる的には「なし」なんですね。金の亡者な父親を見てきただけなおさら。
しかしめぐるの手を取って会場から連れ出したり、自分のコートを脱いでめぐるに着せ掛けてあげたり、さらっと行動が格好良いアキラくん。しかもユーキの間接的上司(最上級)という・・・ますますユーキピンチです。

・アキラの出店計画を聞いて、「じゃあ、副店長も100人?」とめぐるの脳内で、笑顔のユーキが増殖。この絵面に爆笑。すごい迫力というか一種不気味というか。

・新しい塾の名前で揺れる講師室のドアを外から叩くユーキ。この遠慮がちな表情と叩き方が・・・めちゃくちゃ可愛いんですけど!!
左の眉がちょっと上がるところで無言のうちに「ちょっといいですか?」と問い掛けているのが伝わってくる。さすがの表現力です。

(つづく)

 


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『未来講師めぐる』(2)-6(注・ネタバレしてます)

2009-07-05 01:15:10 | 未来講師めぐる
・みちるを迎えたのを機に塾名が「太陽光アカデミー」に。名前の由来をうっとりと語る塾長の窓際でのパフォーマンスと、そちらに背を向けての江口・高尾山のテンション低い会話がナイスコントラスト。
そして電話についつい「太陽光エネルギー」と出てしまう塾長。塾名迷走しすぎですよ。

・なぜかスーパーで肉の試食のバイトをしているはまるは、勝手に松坂牛を試食に出したことでパートのおばさんに叱られる。
のだが、その直後おじいちゃんの姿を見かけておばさんの陰に隠れるさい、彼女の頭や左腕を後ろから押さえ込む形になってるのに、この失礼行動をおばさんは怒らない。むしろ何か身悶えてる(笑)。
23時台のドラマとはいえ、妙にエロいシーンがちらちら出てくるんですよね。これもクドカンテイスト?

・風邪で寝ているめぐるが手を伸ばして「た・す・け・てー」と叫ぶ。
声のかすれ方が本当に風邪で喉をやられて声が出ないときそっくり。すごいよ深田さん。しかしこの間おじいちゃんは何してるんだ?

・「どこにも行きたくない。私はこの家でおじいちゃんとパパとママとみんなで暮らしたい。それだけなの」。
このめぐるのささやかな願いは最終回でしっかり叶えられましたね。この時点ではまさかめぐるのママが登場するともあんなキャラだとも想像してなかったなあ。

・はまるの二十年後を見ようと思い立っためぐるにはずみで突き飛ばされたはまるが、障子に頭ぶつけてくらくらと倒れる。
ベタだけどもタイミングの取り方が抜群で思わず笑ってしまう。船越さんの名演技ですね。

・風邪による食欲不振(あのめぐるが!)をこらえて、未来を見るため何とか物を食べようとするめぐる。しかし「闇を切り裂け私の食欲。七つの海を渡れ、私の・・・」って何を言ってるんだいったい(笑)。
ところで冷蔵庫まで這って行かずとも、はまるがもってきた大量の食料の中にそのまま食べられるものはなかったのかいな。

・すっかり回復しためぐるが休んで迷惑かけたお詫びにと塾に手作りベーグルをもってくる。あの家事いっさいやらないめぐるがベーグル焼けるのか?と思ったら案の定作ったのはみちるだとか。
自分で作れないなら買ってくればいいものを他人に、しかも自分の代理で授業やってくれた相手に作らせますか。うん、そういう子だよめぐるは。

・めぐるが塾講師の紅一点じゃなくなったからと態度を一変させる江口。めぐるが好きというより単なる女好きだったわけか。めぐるとの、猫と猛獣の戦いみたいな応酬が面白いです。

・ベーグルを高尾山にアーンするみちる。それはともかくしっかりかぶりつく高尾山は何事?結局みちるとより戻す気満々なわけですか?

・めぐるが腕時計を見ようとするとなんと手首にはベーグルが。いくらなんでもこれは無理があるだろ、と思ったらめぐるのモノローグも「ありえない。さすがにこれはありえない!」。視聴者の反応を先取りフォロー。
しかもその後両手首ともベーグル付きなのに気づいて慌てたものの、「ありえない通り越して、かわいい!」。このイージーゴーイングな性格だからこそ物語が回っていくんですねえ。
しかし腕時計→ベーグルなんてよく思いつくなあ。宮藤さんの発想力恐るべしです。

・塾を辞めると行って出て行こうとするみちるを高尾山が引き止める。しかし「頑張らなくていいっていったの、先生だべ」の言葉に、彼女の肩を押さえていた手を思わず離す。
その手をしばらく見つめてから、みちるは「さよなら!」と怒ったような顔をして教室を飛び出す。手を離してから出て行くまでの間と表情とで、みちるが高尾山にもっと強く止めてほしかったと思ってたのがわかります。
そして高尾山が止められなかったのは、結果的に淫行になってしまった彼女との関係に忸怩たるものがある―教師として物を言う資格がないと感じてしまってるからですね。

・みちるが出ていったあと、江口が目をこすって(涙をぬぐってた?)から、「センスないこと言っちゃいますけど、追いかけた方がいいと思います」「変わんなきゃいけないの、あんたも一緒でしょ!」。
こんなに江口の言動がまともに思えたのは初めてです。キザに格好つけてるよりセンスない時の方が断然いい感じです江口。
そして「いつまでもいつまでも・・・いつまでいつまで食ってんだ!」と急にめぐるに矛先が向くオチも。上手くその場の主人公をめぐるに戻して次の展開に繋げている。脚本の妙です。

・みちるを追いかける(満腹状態の)めぐるの後ろで、大人がランドセル背負った大人を抱っこしてるシュールな光景が。めぐるの視界に入ってない人間まで20年後の姿になっているとはこれいかに。
そして20年後のみちるの子供たちのお揃いの服の色と柄もいかがなものか。高尾山&みちるのペアルックといい・・・20年後の高尾山(高山)一家はどんな暮らししてるんだろう。

・みちるが「子供を作る気はない」「ちゃんと避妊しますから」と言うと、まわりの子供たちががっくりうなだれる。かわいそうなんだけど可愛らしいなあ。

・自分が子供を好きなのは精神が子供っぽいからだろうかと考え込むめぐるに、ユーキは「子供っぽい人は子供好きじゃなくね?」とさらっと述べる。
ここまでのストーリーを見ててもめぐるの言動は多分に我が儘で子供っぽく思えたのですが、こう言われてみるとめぐるは精神的には結構安定している。
日本語は多少おかしいし微妙に要領を得ない部分もありますが、鋭く本質を見ているユーキはおじいちゃんの言うとおり「バカだけどバカじゃない」ですね。

・上述の会話の締めくくりに「めぐるは大人~♪っす」と笑顔で親指を立ててみせるユーキ。この「大人~♪」って言い方がユーモラスというか優しいというか、ユーキの人間性をよく表しています。
めぐるが戸惑ったように笑いつつ親指立てて見せるのもキュート。なんだかんだいっても似合いのカップルですよね。

・ユーキの言葉に親離れの決意をして再び授業に挑もうと走り去るみちる。その後姿にユーキが大仰な振りで手をあげてみせる。
「頑張れ!」という気持ちをこめてのお見送りなんでしょうが、なんか特撮ヒーローの変身シーンみたいです(笑)。衣装もアレなだけに。

・そんなユーキに「ユーキくんて何かいいよね」と言うめぐる。前にみちるにユーキの魅力を語ったときと同じ表現で、結局どこがいいんだかよくわからないですが、めぐるの幸せそうな笑顔で本心から彼を好きだと感じている(惚れ直した)のがわかります。「何かって何すか?」と尋ねるユーキの表情は見えませんが、声の調子から思いっきり喜んじゃってるのが伝わってきます。
そして大して距離離れてもないのにめぐるは「ユーキくーん」と大声で呼びかけ、ユーキは「はーい!」と両手をあげて答える。そして「大好きー!!」。周りのお客さんからしたら見事なパカップルでしょうが、何とも微笑ましい二人です。

・めぐるの「大好きー!!」に対し、「おれも」とユーキは一人呟き、「キヒヒ」と笑う。このあまり品のない笑い方がかえって彼の「心底嬉しかった感」を伝えています。こういうところがユーキは可愛いんだよなあ。

・高尾山に呼ばれたみちるの両親×2が塾へやってくる。なぜか四人が並列して廊下を進んでくるものだから思いっきり窮屈そう。第二回の大作の父と姉が階段でつかえていたシーンを彷彿としますが、これは「自分こそがみちるの親!」と主張したい気持ちが我勝ちな歩き方につながってるのかな。
「父です」「母です」「父です」「母です」という名乗りも面白い。「義父」とか「義母」と言わないところに、彼らがみちるを実の子同様に思ってるのが表れている。いいご両親たちじゃないかー。それでもみちるは上手く打ち解けられずに内向してしまった。上手くいかないもんだなあ。
しかしめぐるの「めぐるです」という挨拶はどんなもんでしょう。普通なら「同僚の吉田です」とか言うところでしょう。

・「今やってるから」「全然知らないから」と繰り返すめぐると高尾山。同じ台詞を二回ずつ言うところ、とくに二回目は台詞の流れ的に唐突なのも笑える。
少し前の「父です」「母です」に続いて、繰り返しによるテンポの良さが面白みを生んでいます。両親たちの土産物がまた笑える。

・「頑張れ」コールを繰り返す両親と生徒たちの姿に、めぐるは教室に飛び込み「頑張れ頑張れっておまえらが頑張れ!」と怒鳴る。
以前みちるが語った高尾山の台詞の引き移しですが、めぐるが口にすると表情もなまりも何とも愛らしいですね。

・めぐるは教卓の後ろにしゃがみこんでいたみちるの肩に触れて「みちるちゃんは、自分(ずぶん)らしく」と励ます。
この時のめぐるの表情は実に慈愛に満ちて優しい。ユーキの言う通り、めぐるがとても大人に見えました。

・自分には両親が二人ずついて弟や妹もいる、と複雑な家庭環境をプラスに割りきることができたみちる。その晴れやかな表情に彼女の精神的成長がはっきり見えます。
しかし「質より量って意味では、かなりお得ですよね?」という表現が微妙にヒドくて「おいおい」とツッこみたくなる。完全にいい話で終わらせないでちょっとずらして見せるところにかえって味があります。

・吉田家での団欒。満腹になるなりそのまま寝転んで「おじいちゃん、お茶!」というめぐるに「誰も全部食べろって言ってねえっす」と隣りからツッこむユーキ。
さしものユーキもめぐるの我が儘放題の態度にムカついたか?と思えばユーキはごく爽やかな笑顔で親指を立ててみせてる。単に軽口きいただけで全然気持ちが冷めたりはしてないらしい。ほんとベタ惚れなんですねえ。
おじいちゃんが一応はお客のユーキにお茶を入れるよう頼むのもそれどうなのよ?と思いましたが、ユーキを遠ざけておいて高尾山&みちるの20年後をめぐるによく見せようという意図だったわけですね。

(つづく)

 

 


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『未来講師めぐる』(2)-5(注・ネタバレしてます)

2009-07-02 00:32:52 | 未来講師めぐる
〈第3回〉

・みちるに向かってお菓子をわしづかみにして投げつける塾長。豆まきじゃないんだから。これ放映節分ごろでしたっけ?
そして両手を広げてみちるの前に立ち彼女をかばう江口。たしかに塾長の言動は常軌を逸しているので、(この時点では)部外者のみちるちゃんに迷惑かけちゃいけないという常識と正義感の現れだったのかもしれませんが・・・でも可愛い女の子でなかったらかばわなかったな江口だし。

・みちるの登場に驚愕するあまり窓から逃げようとする高尾山先生。逃げようとしただけですよね、飛び降りじゃないですよね?
高尾山を必死で止めるめぐる、という構図のバックに例の「私はめぐる。(中略)進学塾の講師です」というナレーションが入るのが絵面と合ってない(笑)。

・高尾山がみちるを「チルチル」と呼んだのに驚き、思わず復唱するめぐるたち。江口の「チルチル?」は普通ですが、塾長とめぐるはなぜ発音が「ティルティル」なんだ?

・みちるが高尾山に飛びつき結果的に押し倒す構図に、慌てるめぐるたち。
めぐるがさかんに「高尾山落ち着いて」と呼び捨て状態で呼びかけてますが、まず落ち着かせるべきは一方的に抱きついてるみちるの方だと思うけどなあ。目を剥いて硬直してる高尾山も確かに正気じゃないけど。

・みちるが高尾山の淫行相手では!?と江口が指摘したとき、同時に同じ考えに至ったらしい塾長がすごい顔してる。武田さん、見事な顔芸だ。

・散歩しながら大声で街並みについて語り大きく手を広げたりするおじいちゃん。「ちい散歩」のように番組の中でやってるなら普通なんですが、市井の一般人がカメラもなしにこれやってたらただの変な人。
そうとう目立ちまくりのはずなんですが、道行く人は見事に無関心(一人おばちゃんが親しげに話し掛けてくる。これはこれでヘン)。関わるまいとしてるのかなあ。

・みちるの履歴書を皆が検分しているとき、高尾山は一人後ろのソファで横になっているのだが、なんでぬいぐるみを抱いているのだ。ツッこみどころと思われるので一応ツッコんどきます。

・「ここでバイトしたいんですよね?」という江口の問いかけにみちるは満面の笑顔で「んだー!」と答え、さらにそれに江口は「んだー」と返している。
この時江口の顔は映りませんが、声のトーンがなんか甘ったるい。先の「バイトしたいんですよね?」の時も表情といい仕草といい甘々だった。みちるにデレついてるのがわかります。「んだー」と復唱したあたりは「方言萌え~♪」ということなんでしょうね。

・みちるの採用について口をはさもうとする高尾山を、江口は「高尾山(不必要に口をはさむのが)三回目!」と強引にその場に座らせる。
高尾山が力なく「なんで?」と言ってますが、確かに元担任(元愛人?)で彼女を一番良く知っている高尾山には充分発言の権利はあるんじゃないですかね。

・高尾山とみちるの淫行のレベルをさぐろうとする塾長と江口が、高尾山が「おい!」と江口の発言に抗議したのに対して「しゃべったー」と異様な浮かれっぷり。一瞬何かと思いましたが、少し前の「口をきいたらコンビニに行ってもらう」という一方的な約束を受けてのことだったんですね。
それにしても高尾山の周りを回って踊る二人・・・中学生男子か君たちは。

・高尾山の本名が高山、つまり高尾山は偽名とわかったのに、「名前を変えて再出発するという気持ちはわからんでもないね」と苦笑しつつ、「君も本当はエロビデオじゃないんじゃないか?」と江口に振る塾長。
自分が雇った人間が名前を偽っていたというのにこの大らかな態度。これを塾長の度量の深さと見るか単に何も考えてないだけと見るか。塾長のもろもろの言動を見るに後者っぽいような。

・みちるの口癖「地獄さ落ちろ!」が初登場。しかし雇ってもらおうというのにこの発言はどうなのよ。それを許しちゃうあたりも、この塾の異様なまでの大らかさの表れですねー。

・みちるは高尾山がいかに生徒思いで熱血な教師だったかを嬉しそうに力説するのだが、回想シーンでみちるにソフトボール?のバッティング指導をするさいに「ここだ、ここ!」と言いつつ思い切りお尻さわってます。・・・これセクハラじゃん!?
めぐるたちにはみちるの脳内映像は見えてないわけだし、みちる本人は高尾山を素直に尊敬しちゃってるので、このセクハラニュアンスは皆に伝わらなかったんだろーなー。

・塾に通えない自分のために高尾山が個人教授をしてくれた、誘ったのは自分の方、あくまで清い交際だったとみちるは語りますが・・・場所がラブホテルだし!後ろで回転ベッド回ってるし!
事実上清かろうが何だろうが、こりゃ学校に知れたら言い訳できないわな。そしてなぜ高尾山先生はポロシャツ短パンスタイルなんだ。

・コンビニの袋からさっと取り出したものをめぐるに渡す高尾山。「「まるごとバナナ」じゃない~」と悲痛な顔をするめぐるの手にあるのはバナナ一本。あー確かにこれは丸ごとバナナだな。

・「こんな可愛い子とラブホ行って正気でいられますかねえおじいちゃん」「無理だよねー」、っておじいちゃん!この回からおじいちゃん何気にエロな言動が多くなってきます。

・「肉体関係あった?なかった?どっち!?」と問い詰める江口。そして問い詰めモードの皆の顔がアップに。江口の白目剥き気味の不気味な表情と塾長の両手指差しとなぜかみちるが期待するかのような笑顔で高尾山を見てるのが気になる。
みちるは聞かずとも真相を知ってるじゃないか。高尾山が何て答えるかハラハラでなくワクワク、というのはどんな心境なんだろう。

・そして「ありま・・・」と言いかける高尾山の姿に、バラしちゃうのか高尾山!?と思ったところでCM(正確には番組スポンサーの告知)に。何というタイミングで切るのか。さすがに「ありますん」(by『池袋ウエストゲートパーク』)はやらなかったか。
そしてCMが終わったあとは当たり前のように次の場面に流されてしまう。結局あの場にいた面子は真相を知ったんでしょうか。

・CMの直後、料理をするみちるの後ろ姿を見つめながら「この子がねえ・・・」とつぶやくおじいちゃん。CM前の展開を受けての台詞だとすると、「この(素朴そうな)子が(高尾山と淫行するなんて)ねえ・・・」というニュアンスでしょうか。としたら、高尾山の「ありま・・・」の続きはやはり「ありました」だったのだろうか?

・おじいちゃんとみちるに夕飯の仕度一切をやらせて自分はこたつで平然と寝ているめぐる。高尾山も指摘する通り、「手伝えよ!」と言いたくなる光景です。しかも高尾山-お客さんもいるのに目の前で寝てるってどーよ。
しかしおじいちゃんは「めぐるは24年間、食べるの専門」と全く野放し状態。ほとんどドン引きものですが、なんかめぐるだと許せてしまうんですよね。深田さんのキャラの勝利ですね。

・お米はササニシキと聞いて「やったー!」とピースしながらジャンプして喜ぶめぐる。
高尾山が「白いごはんでジャンプする人初めて見ました」とツッこんでますが、実際ここまで手放しで喜ばれると、材料を用意した側、作った側としては悪い気はしないですね。この無邪気さが、めぐるが他人にあれこれ食べさせてもらえる理由なのかも。

・高尾山とみちるが家に帰る帰らないで真面目に議論しているのに、「お腹すいたんで先に食べてもいいっすかあー?」と空気ぶった切りで不満を鳴らすめぐる。うわー我が儘(笑)。箸振り回してお行儀悪いし。
ナレーションで「誤解しないで。めぐるは食いしんぼうではありません」とフォローしてましたが、しかしあの会話の切り方はないと思うの。

・満腹になっためぐるが見る高尾山とみちるの20年後。子供が五人くっついてるのはともかくとして、二人のペアルックは何なのよ。単にお揃いの服というのでなく色がどピンクでそれぞれ「LO」「VE」と書いてあるって・・・いったいどんなバカップルですか。
ところで20年後のみちるには、現在のみちるのトレードマークというべき鼻横のほくろがないですね。第7回でみちるがほくろを取る話が出てきますが、ちゃんとこの時点から伏線が張られていたわけなんですね!さすがです。

・めぐると携帯で話しながらローラースケートで夜道を滑るユーキ。滑りながら、しかも電話しながら、「車両通行禁止」の標識?の下をくぐり、果ては後ろ向きに軽々滑って見せる。すごいよ。
しかも「恐縮っす」と言いながら後ろ向きにハの字に滑る姿が本当に恐縮してる感じを出している。華麗なる曲乗り?を披露しつつ、それがちゃんと感情表現にもなっているという高等技術につくづく感服しました。

・そして続く「超食いてー!」の満面の笑顔がもう可愛さ全開。なのにその直後吉田家にたどりついた時には田口さんのビジュアルに。もう田口さん出てくるだけで可笑しいです。おじいちゃんの「どちらさま?」と言う口調からすると、食後のおじいちゃんにも43歳バージョンが見えてたんだろうなあ。
第一回のおじいちゃんの態度から二人はすでに面識あるのかと思ってたんですが、このシーンをみるとこれが初対面だったみたいですね。記念すべき恋人の祖父との初体面を果たしたのは20年後の姿のほうだったわけだ。

・部屋で寝そべってユーキの変わりっぷりを嘆くめぐる。めぐるの部屋は確かこれが初公開ですよね。ハート型のクッションなどの小道具の色どりが実に可愛らしくて女の子の部屋という感じです。

・最近めぐるの態度が冷たいとぼやくユーキ。しかし「何かあったのかなあ~」と語尾がふにゃふにゃ揺れる口調はバカキャラにふさわしく、深刻な雰囲気にならない。悲壮感がないから安心して見ていられます。
この時おじいちゃんはやたらと至近距離でユーキの横顔を見つめていますが、ユーキに事実を伝えるわけにいかず困惑してるからだけでなく、可愛い孫娘にふさわしい男か品定めしている感じがあります。

・「こういう時はじじいのふりで誤魔化すにかぎる」といきなり「最近床ずれが激しくてなあー」と話しはじめるおじいちゃん。
話の流れを全然無視してるし、「じじいのふり」も何も実際じじいなんだし、床ずれって寝たきり老人でもないのに何言ってんだ、とか突っ込みどころがありまくり。「ばあさんやー、キンショウバイ(錦松梅?)」に至ってはもはや何のことやらだ。

・「イチモツの不安」「エバラな道」なる覚え間違い発言でいかにもアホ丸出しなユーキくん。
しかも「イチモツの不安」のあとに「今は若くて体力あるけど、いずれは衰えるし」などと続けるものだから、本人は真面目に喋ってるのに下ネタになっちゃってます(笑)。しかし『めぐる』といい『蜉蝣峠』といい、クドカン作品の勝地くんはいろいろアレな台詞言わされますねえ(笑)。
でもめぐるの奇行を(彼女の身内の前だからとはいえ)ヘンにとがめだてするのでなく、自分のせいなんだろうかと考えてしまうあたり、彼の裏表のない純な性格とめぐるへの手放しの愛情が伝わってきます。おバカだけどいい子だなあ♪

・自分の現状を冷静に分析し、めぐるとの将来を真剣に考えてるユーキの様子に「こいつバカだけどバカじゃない」と彼を見込んだおじいちゃんは、「おいユーキ、おまえめぐるのどこが好きだ?」と単刀直入に訪ねる。
彼を気に入ったからなんでしょうが、会ったばかりなのにいきなり呼び捨てでお前呼ばわりなんですよねえ。

・おじいちゃんに、めぐるのどこが好きかと訪ねられたユーキは、しばし考えた末に「カラダ!」と答えてじいちゃんに張っ倒れされ、バシバシ殴られる。そりゃそーだわ(笑)。
この場面、悩んでる真剣な顔→「ひらめいた!」と言いたげな笑顔で「カラダ!」、という表情のコントラストがいっそうおかしさを引き出している。前回放映時の次回予告でこのシーンを見たとき、「身内相手になんと大胆な。純情そうなユーキくんも本能に生きる男だったか」と思ったものですが、そしたらちゃんといい話風なオチがついてました。
ついでに殴られてるときに背中がチラリと見えてるのが萌えどころでした♪

・先の発言は「体が丈夫なところ」という意味だったと必死に弁明するユーキ。そして体が丈夫な女が好きなのは、「うち、母親が病気がちだったもんで」。
病気がち「だった」と過去形なところからすると、ユーキの母親はすでに故人なのでしょう。第4回の家族写真もお父さんやお兄さんだけだったし。

・ユーキがめぐるの好きポイントを目を輝かせて語っている頃、めぐるはユーキが好きだという半開き口をしつつ、みちるの質問を受けてユーキのどこが好きなのかを考慮中。
めぐるの半開き口確かに無防備っぽくて色っぽいかも。しかし孫娘の表情を「エロいよなあ~」とエロい笑いを浮かべて語るおじいちゃんって(笑)。じいちゃんすっかりエロ路線に。
逆におじいちゃんに「エロいとは言ってねえっす」と反論するユーキは非スケベ男子なのねえとこの時は思ってしまった。それは第七回で崩れ去ったわけですが(笑)。

・ユーキの想いを確認したおじいちゃんは、ユーキにはめぐると付き合う資格があるうんぬんと力説する。このとき「めぐるを幸せにする責任がある」と言われて力強く「はい!」と答えるユーキは男前だなあ。
しかし力説するあいまあいまに口癖のように「見た目なんか関係ない」を連発するおじいちゃんに笑います。

・あまりにも見た目見た目連呼するおじいちゃんに、「自分そんなに見た目ダメな方じゃないと思うんですけど。ていうかそこそこ自信あるんですけど」と、さすがにユーキも反論。
しかしこの時の立ち上がってくるっと回ってのポージングは何さ(笑)。ラスト股間に手をやってキメなあたり、先の「イチモツの不安」発言を受けてるんでしょうが、なんかマイケル・ジャクソンぽいです。

・みちるにユーキの魅力を語るめぐる。「優しい」とか「美味しそうに食べる」とか好きポイントが、ユーキのめぐる好きポイントと重なるあたり、この二人お似合いだなと感じます。
めぐるの場合、なぜかいちいち「バカみたいに」優しい、とか「バカみたい」が頭につくんですが(笑)。

・みちるの講師としての適性テスト。ちょっと問題児な生徒を演じて見せる江口が口調から表情から、めちゃくちゃ頭悪そうで笑えます。服装はメタル系なのに。
みちるがかつての高尾山の言葉引き移しで熱弁を振るってるときも、椅子の上で体育座りして、口半開きのとろんとした顔でみちる見上げちゃってるし。

・高尾山回想の学校教師時代。いかにも学校らしく後ろの壁に生徒たちの習字が張り出してあるのだが、「不言実行」と書かれた紙にまじって「中三だもの」なる習字が。
何だよこれ(笑)。本当にこのドラマは小ネタまで見逃せません。

・力強く、そしてラストは満面の笑顔で高尾山とみちるに肉体関係の有無を問い質す江口。ということは、「ありま・・・」の後はぼかしたまま終わりだったってことか。
しかし「交尾?or not交尾?」ってすごい表現だ。『ハムレット』の有名な台詞(「to be or not to be」)が元ネタですが、「交尾」と「to be」でちゃんと韻も踏んでるんですねー。

・「江口大暴落。ていうか死んでほしい」。めぐるのきっつい一言。
この第3回あたりからめぐるの発言内容が過激になっていきますが、これは第3回執筆のあたりで宮藤さんがはじめて深田さん本人に会ったことが影響してるのだそうだ。いったい宮藤さんは深田さんに何を見たのでしょう? 

(つづく)

 


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『未来講師めぐる』(2)-4(注・ネタバレしてます)

2009-06-29 01:30:02 | 未来講師めぐる
・朝ジョギングするめぐると大作。ゴール地点の「ダイアナ」でホットドッグを食べる二人。これ結構カロリー高くないのかなあ。何かあまり運動した意味がないような気も?
このホットドッグやっぱりユーキのおごりだったりするんでしょうか。恋人のみならずその教え子の食費まで持つんじゃ、時給900円なのに大変だ。

・ホットドッグを食べると大作が29歳イケメンバージョンに。一方でユーキは43歳ぷよぷよバージョンへ。本人はそんなことはつゆ知らず「毎日走ってるとお兄さんみたいにスリムになれるぞ」なんて言ってるのがなんともはや。
別にユーキ自身は自分の20年後の外見なんて知らないんだから身の程知らずな発言じゃないんですけどね。

・「ユーキくんも一緒に走ろうよ!」(20年後に太るのを防止するため)と言われて、「なぜ?」と疑問形だったのに結局素直に一緒にジョギングを始めるユーキ。とことんめぐるには弱いです。
めぐるたちと並んで走るユーキくん、ヘンな掛け声と闘魂ハチマキにもかかわらず、すらっとした立ち姿がえらくいい男なんですが♪

・変装してめぐるたちの後をつけていたはまるが、レンガ模様のビニールタイル?を投げて大作の足型を取る。このあとの会話からするに、大作にジョギングシューズをプレゼントするためだったよう。
バースデイのビビンバといい、娘への愛情表現が妙に間接的なんですよね。そして金に飽かせての行動ばかり。この前のシーンでユーキの時給を聞いてきたのもそうですが、金でしか物の価値を量れない。これは後々めぐるにガツンと指摘されることになります。

・大作の姉・陽子が一緒に走りたいと意思表明。初登場とうってかわったしおらしい態度は、大作の努力を見て自分も痩せられる希望をもったことで、かつてのユーキ同様太ってるために諦めてた恋愛―女の子らしい幸せを掴めるかも、と思ったからなんでしょうね。
この回、「太ってる=恋愛できない」「恋愛はまず見た目が大事」という図式が繰り返し描かれていて、何とも容赦ないというか。終盤の「優しい男の子が好きなんだ」で救いを用意したかと思えばそのまま素直にオチないし。

・表の看板を派手に笑った江口に対して、塾長がいきなり後ろからダイナミックな飛び蹴り(飛びパンチ?はっきり見えなかった)を。しかもわざとかそうじゃないのか「裏ビデオ」とか呼びかけるし。
江口も「裏じゃなくてエロっす。いやエロでもないけど」とお約束な答えを返してくれます。

・通りすがりの女の子(みちる=黒川智花さん)にぶつかられたために、塾の看板が「太先輩アカデミー」に。看板書き間違えたからって看板にあわせて名称を変更せんでもよかろうに。とりあえず余計な点の上に紙でも貼っておくとかさあ。
個人的には「太」よりもその隣のうさぎっぽいキャラクター(塾のマスコットキャラ・ビクトリー先輩)のウマヘタ絵の方が気になります。

・食べすぎで倒れて担架で運ばれる大作。口にホットドッグ右手にソフトクリーム左手に?のわかりやすい&無茶な食べすぎの構図がベタで笑えます。

・保健室で体重をはかり70キロを切ったと知った大作は、喜びのあまりパンツ一丁のまま廊下へ飛び出す。おいおい、と思ったら案の定女子に悲鳴上げられてましたね。

・自分のために必死で痩せた大作に対し、あっさり笑顔で「ごめんね、でもわかって。(彼のことを)好きになっちゃったの」と答える雪子。9歳なのに悪女っぷり全開です。
将来大作くんは彼女と結婚するわけですが、苦労してないかなあ。

・「負けるってわかってて挑戦しないのと、負けるってわかってて挑戦するのとは全然違うんだよ?」
基本はコメディなこの作品ですが、一話に一箇所ははっと胸をつかれる人生訓が盛り込まれてたりする。笑わせて笑わせてどこかほろっとさせる。そしてどこかしら明日に向かう勇気が出てくるような。
思えば一週間を終えた金曜日の夜に見るには最適のドラマでした。

・サッカーボールを巧みに操りながら登校する山内くん。この「生活即練習」な光景に、何だか『キャプテン翼』を思い出してしまった。

・山内くんを金で買収しようとするはまる。小学生相手に札びら切るなよ(笑)。拒絶されて「金だぞ!金はいらんのか!?」ほんとうにお金以外の価値観がわからない人なんだなあ・・・。
知らない人から金を貰うのに抵抗があった(あれだけ大金出されたらかえって恐いわな)というだけでなく、「絶対負けねー!」と負けじ魂を優先させた山内くん、顔だけでなく中身も男前です。

・山内くん応援団は見事に女の子ばっかり。雪子ちゃんが「先輩ー」と言ってるから一つ年上なんですね。この年頃の一歳差はスポーツで競いあううえではかなり不利では。まあそれ以前の問題という気もしますけどね。
「ぜってー負けねー」と不敵に笑う山内くん、肥満児で一つ年下の大作くんを頭からバカにしてかからず真剣に戦う気でいる。爽やかな子だなあ。
「見た目より中身」な大作くんの恋のライバルを、安直に「見た目はいいけど中身はヤな奴」にしなかったのはさすがの匙加減。

・応援団の彼女たちが振ってるうちわに山内くんの顔が。彼女たちの手製?小学生にしてファングッズまで存在するとは。恐るべし山内くん。

・「よーい、ドン!」の合図でスタートを切る大作くんと山内くん。スローモーションで捉えた走る二人の姿、よく見ると山内くんの靴ひもがぶらぶらしてるのがわかる。そのあとのこけるシーンの伏線ですね。

・山内くんが転んだスキにゴールインすることをせず、彼に手を差し伸べる大作くん。しばしその手を見つめてから振り払い、走ってゴールを決める山内くん。
山内くんが大作くんの手を振り払ったのは邪険なようですが、負けず嫌いの、そしてサッカー少年だけに勝負の非情さをよく理解してる彼としては自然な行動ですね。しばし逡巡したあたり大作くんの優しさはちゃんと受け止めているわけだし。
ここは二人とも態度が男前だなと思います。

・雪子が三人で動物園に行こうというのを断る大作くん。その理由はめぐるの方が好きになってしまったから。
じゃあ何のために走ったのか、ということになりますが、これは「負けるとわかってて~」というめぐるの言葉に動かされたからでしょうね。つまりは自分自身に勝つため。そして自分を励ましてくれためぐるの気持ちに応えるため。
山内くんのほうもあの負けず嫌いっぷりから推すに、雪子ちゃんと動物園に行きたいからというより挑まれた勝負から逃げるのは男らしくない、負けたくない、という気持ちから勝負を受けたように思えます。
そもそも山内くんはどの程度雪子ちゃんに気があったものやら。最後に「雪子ちゃん~」と甘い声をかけたりしてますけどね。

・山内くんに肩を揺すられても地面に座り込んだままの雪子ちゃん。その表情には屈辱感があらわ。
自分を好きだったはずの男が別の女に靡いたと知るなり彼に執着しはじめるという・・・。子供ながらすごく女の性(イヤな面)を体現してるような子です雪子ちゃん。
ここから山内くんそっちのけで大作くんへのラブコールがはじまり結婚に繋がったわけでしょうね。数年後には大作くんの美形化がはじまったんでしょうし。

・めぐると大作の動物園デート。「あー!」と口を開ける大作29の表情と声の無邪気さときたら。
シーン的には少ないものの阿部さんの子供演技は実に見事で、外見と言動のギャップで笑いを誘ってくれました。イケメンであることがそのまま笑いになるという(笑)

・象に興奮する大作くんと、「大きいねえ、格好いいねえ」と言いながら大作くんの顔ばかり見てるめぐる。
めぐるの手にはフランクフルト?が二本。格好いい大作とデートするために常に満腹状態をキープしたいのはわかりますが。この日だけでめぐる何キロか太ったんじゃ。

・20年後の大作くんにメールを送るめぐる。ということは現時点で9歳の大作くんはメアドつまりは携帯を持ってるわけですか?今どきの子としてそう珍しくはないけどあの両親のキャラからしてもちょっと意外。しかし息子の名前「大雪」ってそのまんまじゃん。

・いかにも高価そうな毛皮のコートで「デリ金田」を訪れ、店中の商品を買い占めるはまる。乞食ルックから毛皮まで、はまるのファッションは幅広すぎです。

・訛りまくりのカントリー少女みちる登場。ここまで訛るのもなかなか難しいと思うので、これは黒川さん名演技です。

・エンディング恒例の「キャストが子供の頃なりたかった職業(子供の頃夢見てた20年後の自分)」の絵。今回は勝地くん。
彼の夢が「野球選手」だったのはファンの間では有名ですね。勝地くんはピッチャーだった(今も草野球チームで一応はエース。「一応」と付けたのはほとんど試合やってないらしいため(笑))ので、この絵の左の方にいるピッチャーが「20年後の自分」なわけですね。いや本当に書いたのはスタッフさんでしょうけど。

(つづく)

 


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『未来講師めぐる』(2)-3(注・ネタバレしてます)

2009-06-26 00:49:14 | 未来講師めぐる
〈第2回〉

・振り向いた20年後の雪子ちゃん(松本梨菜ちゃん)のお腹(臨月間近)で突き飛ばされた格好になるめぐる。しかし現実には9歳の雪子ちゃんにしてみれば何でめぐるが急によろけたのかわけがわからないはず。
第1回でも書きましたが、めぐるの目にそう見えてるだけで実際にお腹が出てるわけじゃないんだけどな。まあお腹を通過しちゃうより、ないはずのものに押されてよろける方が絵的に面白いからいいや。
しかし何で授業中に間食してるのだめぐる。お腹が鳴っちゃあいけないからってなあ。

・満腹になった後ユーキについ冷たくなってしまうめぐる。しかしユーキ43の服のセンス、23歳当時と全然変わらない。変わらなすぎて目の毒というか。めぐるの態度にしょぼんと俯いてるところが何か可愛いです。

・「モッカって野球選手いましたよね、大洋に」。この後数話にわたって登場する「助っ人外人」ネタ初登場。面白いのか面白くないのかマイナーなのかそうでもないのか微妙なネタの振り方が妙に可笑しい。
しかし「大洋ホエールズ」とは懐かしい名前だ。モッカの所属チームは正しくは中日だそうですが。

・モッカネタでなぜか激昂する塾長に締め上げられた江口が妙にうっとりした表情で塾長の背中を撫で回してるのはなんだ(笑)。江口の行動は何かいちいち変態チックに見えてしまう。基本線としては正統派女好きだと思うんですけどね。

・「モッカは首位打者になったことはない。なれなかったんだ、一度も」。真剣な、そして泣き出しそうなほど痛々しく張り詰めた表情でふと顔をそむけ足早に立ち去る塾長。実は大ファンだったのか。切ないような笑えるような。
この塾長の言動に対して「生理ですかね」とはめぐるもいる前で問題発言だぞ江口。

・「ヘイヘイヘイ!みんなすっごいうんこが出たんだぜ」で始まる塾長のポージング付きの迷ゼリフ。メイキングによると、武田さんこの台詞でNG出しまくってました。
そりゃこのテンションでこの台詞、しかも踊り付きは相当キツい。こんな台詞を言わされるとはほとんど拷問。それを何度もやり直しするはめになるのもまた拷問。
本当に塾長は言動の一つ一つを見るにつけ、武田さんお疲れさまでしたと言いたくなる。

・おじいちゃんの回想?でディスコで「関係なーい」と踊っているはまる。4話のユーキの「どーでもいい」踊りや9話のめぐるの「信じなーい」踊りのルーツはここにあった?

・20年後も髪型(色とか量とか)が全然変わらないところから塾長のヅラ疑惑がつのる。塾長ももっとさりげなく髪も年取らせていけばいいのに。56歳であの頭はないよなあ。

・「お客さまのお手の方が火傷という形になってまいります」。藪中店長の言い回しに笑う。でもコンビニやスーパーでの紋切り型の口上を思えば、本気で言う人いそうな気もする。
「火傷という形にはならない」と一言ずつ区切るような口調でツっこみを入れるユーキ43の喋り方がいい味。というかユーキくんあのセーター20年間着てるのか?

・実験のために焼肉やらケーキやら食いまくり、ユーキに「ギャル曽根っすか?」と驚かれるめぐる。この調子じゃユーキがずるぷよになる以前にめぐるがずる、はともかくぷよぷよになるがな。
この「ええっ!?めぐる、ギャル曽根っすか?」の言い方がちょっと早口すぎて、まだもひとつ役がこなれてないような印象。ユーキがいよいよ本調子になるのは第4回からですね。

・テストが終わると同時に栄養失調で倒れる肥満児・大作くん。彼のお腹のバンソーコーはなんなんだろう。

・病院で大作が栄養失調と聞いて驚くめぐるに「太ってるからって栄養が足りてるとは限りませんから」と怒る看護婦(婦長?)さん。
この看護婦さん自身が太めなところに可笑しみがある。「ああ・・・」とめぐるが看護婦さんの体を見つめつつ納得してるのも。

・突然地響きとともに画面が揺れるので、地震が起きた描写なのかと思えば、大作の両親(ともに太っている)が廊下を走ってきたためとわかる。なんという漫画的なベタさ。お父さんパパイヤ鈴木さんだし。

・「DELI金田」の定番メニューを見せられながら、目を細め幸せ満点の笑顔なめぐる。この時の笑顔が何となくギャル曽根さんぽいのは意識してですかね?

・これまた太めの大作姉・陽子が帰宅。ロールケーキ一本を無造作につかみ揚げ物をつまみ、みかんを数個取り・・・のとんでもない食欲。
「ちゃんと手を洗ってから」「手を洗ってもダメよ、あんなに食べちゃ」とお父さんとめぐるがそれぞれにツッこみを入れてますが、お客がいる前で店の商品を無造作に口に入れ挨拶もしない無作法さが一番問題な気がするなあ。

・金田家の食事風景の紹介。食事量の膨大さは予想通りですが、いちいちウーロン茶のペットボトル(2L)がどんに食卓に置かれ、めぐるが「ストップ!」というと回想シーンなのに動きが止まり、両親がウーロン茶の効能を説明する間子供たちはストップモーションのままなのがナイス演出。
しかしこの家食費ハンパないだろうな・・・デリ儲かってるんですね。しかし夕食の「一人あたりケーキをホールで一個」はないだろ(笑)。

・大作の部屋。小物までやたらと食べ物(の絵や模型?)だらけ。そしてそこは「見るだけ」と張り紙がしてある。「一日五食」の色紙が飾ってあるとか(モットーなのか?)。美術さん細かいなあ。

・大作に好きな子がいると立ち聞いて、部屋の外で「100パー無理」と爆笑する陽子。うわ鬼姉。大作の恋が実らないと断言する理由が彼の体型にあるんだとしたら全然他人事じゃないじゃんかよう。
まあこれが自分が(体型ゆえに)恋することを諦めてしまっているための言い草なのだと考えたら何気に哀しい発言なのかもですが。口のまわりに生クリームついたままでお客さん(めぐる)の前に平気で出るあたり女捨ててる感じですし。陽子とお父さんがそろって階段下りようとしてつかえちゃうのも芸が細かい。

・その日の吉田家の夕飯は揚げ物。金田家からのおみやげなんでしょうが、老人と女性の二人世帯にはちょっと量が多くないか?ダイエットやめるからってなあ。

・最近のユーキへの態度を自分も見た目重視だったと反省するめぐる。しかし続いての台詞が「来年太るわけじゃない。まだ20年あるんだから」。当面は見た目が大丈夫だから許容できる・・・結局見た目重視なんじゃん!
ストレートにいい子に描かず、それでも「今のユーキくんが好き。だからそれでいい」の一言でちょっとほろっとさせる匙加減が上手いです。

・「20年後おまえがデブ専になればいい」というおじいちゃんに対して「それはない」とにべもなく言い切るめぐる。
しかし実際には20年どころか数ヶ月で「お腹いっぱいになったあとはずるむけでぷよぷよのユーキくんでなくちゃイヤ」になってしまうのだから慣れとは恐ろしいものです。これはこれで見た目重視なような気も。

・食事中、にわかにおじいちゃんが死人に見えてしまうめぐる。頭に三角布、顔色の白さは千鶴ちゃんと一緒ですが、鼻と耳に詰め物までしてあるあたり、いやあ細かい。
「他人の20年後の姿が見える」というのはホラーSFにもなりかねない設定だったんだなあと気づいた。おじいちゃんの場合自分で自分の姿が見える(自分の死期がわかる)わけだし。でもグロくならずにユーモラスな味わいにとどめてある。後ろに小さく「チーン」と仏壇の鐘の音が効果音で入るとか。これもバランス感覚ですね。

・「もう踊らされるのはごめん」と言いながらクラブで踊っているはまる。オールバック(あからさまにカツラ)に白いスーツ姿・・・竹内力さんみたいだ。そのあとなぜかボロルックに着替えるし。

・講師室の一点(何らかの球体―のちに地球儀とわかる)を深刻な顔で見つめる江口と高尾山。何ごとかと思えば(笑)。
公式ページで塾長のキャラ説明のところに早々と書かれていた「ヅラ疑惑」が初めて本式に登場したのがこの場面では。その前の「20年後も髪型がそのまま」と言うのはこの伏線だったわけだ(笑)。

・ヅラ問題に焦る二人を尻目にお菓子置き場のかりんとうを眺めているめぐる。しかもそれを買ってきたという江口に「かりんとうってセンスないですよね」。なんたる言い草ですか。

・「ヅラを忘れていったのはわざとではないか」との持論を展開する高尾山先生。早口の長台詞を独特の節回しで聞き取りやすくかつ面白く表現する。正名さんさすが。
そのあとの「見ないで。見ないであげて」も言葉遣いといい声のトーンといい、やたら女性的なのに笑いました。その後地球儀をいじる江口の顔芸も可笑しい。

・「いやいやいや」と言いながら入ってくる塾長。「いやいやいや」が長すぎて見事なまでに不自然。しかし塾長どうやってヅラ取り戻した&取り戻すまでのあいだは頭をどう誤魔化してたんだろう。帽子かぶってた?

・めぐる先生の英語の授業。なぜ「apple」「bread」「chiken」と来て次が「rice」なんだ?

・チョークがなんとかりんとうに(笑)。いやー毎度この無茶さ加減が見ものでした。かりんとうを口に入れるまでの(入れてからも)めぐるの自問自答っぷりも実に可愛らしい。

・一口食べたらやみつきになってしまっためぐるは筆記用具を引っくり返すがそれ以上かりんとうは入っていない。そりゃそーだわな。
そしてかりんとうの袋を抱えて廊下を走るめぐるの姿。ちょっとちょっと、授業中断してお菓子を優先させたと!?こんなことでいいのか塾講師。

・20年後の大作くんは何と細身の超イケメン(阿部力さん)に。それを見て内心「F4?」とかつぶやいてしまうめぐる。これは大ヒットドラマ『花より男子』(阿部さんがオールマイティのイケメン四人組「F4」の一人で出演)ネタですね。
29歳の大作は何故かお洒落なスーツ姿。そして何故か胸ポケットには赤いバラ(笑)。なんですかこのわかりやすい王子キャラは。にもかかわらずあいかわらずお腹出した格好(服がめくれあがってる)で臍のところにバンソーコーが。何故だ。
しかも話し方や泣きじゃくる仕草はまるっきり子供と言う・・・うーんこのまま大作29がレギュラー化してたらすごい萌えキャラだったかも。

・大作のピュアな心に感動するめぐる。そのわりに感動しながらかりんとうむさぼり食うのはどーよ?と思ったが、大作29見たさだったわけですね。
そして大作に対する「ピュアデブさん」なる形容に笑った。すごい造語だ。

・ユーキの語るデブ連鎖論。ここでも「エンドレスデブ」なる造語が。似たものカップルか。しかし跳び箱飛べなくてストレスで食べて太るのは文科省の出る幕ではあるまい。
このときの「食べるでしょ、太るでしょ」の言い方をDVD特典の座談会で江口役星野さんが絶賛してました。

・「だって俺、その頃のアダ名、「タル」っすよ」。笑顔でさらっと語るユーキ。
あくまで過去形で今はスレンダーだからだろうけど、彼女の前でいいカッコしたがらないと言うか、気張らず自然なところがユーキくんの良さのように思います。

・「ダイアナ」の看板の後ろから現れるはまる。「ダイアナ」の制服どっから持ち出したんだ。そしてその髪型とサングラスはなんなんだ。ユーキの時給を聞いて鼻で笑ってるし。
「なんだよ、感じわりーよ?」ってユーキくんのツッこみがいい味。年上の彼女に微妙に敬語だったり、尻上がりで止める話し方だったり、ユーキくんの会話はごく一般的な今時の男の子な感じです。

(つづく)

 


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『未来講師めぐる』(2)-2(注・ネタバレしてます)

2009-06-23 00:25:24 | 未来講師めぐる
・おじいちゃんの元へ走るめぐるの視界に飛び込むまわりの人々。公園で遊ぶ子供たちは警察官だったりホステスだったり。画で見ると実にシュールだ・・・。

・「おまえのその能力は何の役にも立たんからだ。しいて言えば、自慢。」 
人の未来が見える=予知能力というのは、その気になればいくらでも利用(悪用も)できると思うのだが。実際後半出てくる永作おじさんも愛子ママもそれをネタに金儲けしてたし。
けれど能力を我欲のために利用しようとせず、人にない力を持ってることで優越感にひたることも否定する(せいぜいちょっと「自慢」に思う程度)おじいちゃんの姿勢はすごく清清しいです。
まあ見えるのが20年先じゃ予知が正しいことを証明するのに時間がかかりすぎるから、そのへんが「役に立たん」と言われる所以ではあるんでしょうけど。

・「嫌いだよ。散歩なんて。迷うし疲れるし」。
おじいちゃんのこの台詞は地井さんのレギュラー番組「ちい散歩」にかけてのギャグですね。そして「迷うし」の言葉にたがわず、第3回で迷いまくってました。

・吉田家の系図が公開。古いところでは「ヘレネ」とかご先祖ギリシャ人?な名前や「山椒」「胡椒」などスパイス系、「特盛」「並盛」など丼系、「遅松」「トド松」などおそ松くん系の名前など突っ込みどころ満載。

・「ほうっておいたらユーキくんは」「ぷよぷよのずるむけだなあ」っておじいちゃんヒドい(笑)。
しかしユーキの未来の姿を知ってるということは、これまで満腹時にユーキの20年後を観察したことがあるのか。だとしたら偶然見てしまったのか可愛い孫娘の恋人だけに将来が気になって意図的に「見て」みたのか。
ところで当然おじいちゃんはめぐるの20年後も見て知ってるわけですよね?あの食欲から察するに、ユーキ43以上に太りまくってそうな気がするんですが。

・「考えてみたら今勉強してることが将来役に立つ子なんて、ほんの一握りなんだよね」。
この台詞は何気に重い。学習塾を舞台にしたのは、小学生から中学生くらいの少年少女が20年後に相撲取りやシスターやSMの女王様になっている(今勉強してることが将来役に立っていない)姿を違和感なく見せるためだったのかなとも思えます。

・黒板消しがいつの間にかカステラに化けている(笑)。こんなことってありうるか!?と視聴者がツッこむ前に、めぐる自身に「こんなことってありえる?」とツっこませるのが上手い。
そして動揺するめぐるのモノローグ、「this is カステラ」といちいち英訳してみたり「カステラで字は消えません」と一人ツっこみしたりのパニックぷりから「カステラなんか・・・食べちゃえ!」に至る流れもちょっとおバカで食いしん坊の(何だかんだ言ってカステラ食いたかっただけじゃないのかと)めぐるのキャラを可愛く魅力的に押し出していて見事。
ここの場面、めぐるの声といい表情の一つ一つと言い、「あーっ」と叫びながら教卓の後ろに倒れこむ動作とか、いちいち可愛すぎます。この可愛さは深田さんなればこそ。

・教卓の陰でカステラをむさぼり食うめぐる。あの量のカステラ一気食いとはすごい。太るよめぐる。
ところでこの回、めぐるがスーツの下に着てるベスト?も腕時計も教卓上のペンケース?もみんな色がライトイエロー。『めぐる』の小道具はかなり凝っている印象なので、カステラの黄色と色合いを合わせてそうしてるのかも?こうした色の統一感を出す演出は、他の回でもちらほらとうかがえました。

・振り向くとライフセーバー姿のムキムキな今市くん(西原信裕くん)が。顔は中学生バージョンと一緒ですよね?
あの筋肉は肉襦袢かそれとも合成なのか?まさか自前ってことはないよなあ。

・生徒の中に一人青ざめた顔に三角形の布を頭につけた少女=千鶴(森岡朋奈ちゃん)が。そりゃ生徒のうちに一人くらい20年後を待たず夭折する子もいておかしくないんですが、頭に三角の布という実にわかりやすい映像表現にウケた。
思えば20年後の人々が皆職業を示すような格好をしてるのもマンガ的わかりやすさってヤツですね。

・千鶴に真面目に授業するよう抗議されためぐるは「オバケに注意されちゃった」と肩をすくめる。いやその子数年以内に死ぬんですが?この軽い反応に何ともいえないおかしみがある。
「あなたたちの心配はまた今度ね」とか、赤坂くん以上に千鶴ちゃんを助ける方が急務な気もするんですが、まあドラマとしては赤坂くんほっといて千鶴の話に行くのも中途半端なので「また今度」にならざるをえないんですが。
そしてちゃんと先になってから、めぐるは千鶴のために心を砕き結果的に彼女の命を救っている。いいかげんみたいに見えても、生徒のために自ら奔走するのがめぐるの良さですね。ただの食いしん坊じゃないぞ。

・ペンキ職人の格好で現れる20年後の赤坂くん(金子賢さん)。左手にペンキを下げているわかりやすさが笑えます。めぐるも「ペンキ屋さん!」とか呼びかけちゃってるし。

・授業が終わって帰ってゆく生徒たちがまだ20年後の姿をしてる。最初に小5クラスの生徒の未来を見てしまったときは、すぐに元に戻ったのに。今回はカステラの量も半端じゃなかったですからね(あとで自ら「カステラは腹持ちがいい」からと解釈を加えてます)。
お相撲さんがめぐるの右横を(太ってるため)すり抜けられず、左側に回って通り抜けてますが、たぶん中学三年時の彼はそこまで太ってはないですよね?20年後の姿はあくまでめぐるの目にそう見えてるだけで、実際に彼らの外見が変化してるわけじゃないので、見た目と実際のギャップ(今回のような中学時なら通れる場所を20年後の彼は体型的に通れない)をどう処理するのかと思ってたんですが、20年後の外見基準で「なんで本当に太ったわけじゃないのに通れないんだよ!」と視聴者の笑いを取る方向に持っていった模様。

・話があるといいながら、カラオケで熱唱する赤坂くん。彼の歌に対する情熱が今後の展開に関わってくるとはいえ、塾の講師に相談持ちかけながら一時間歌いっぱなしって。
時間経過を気にするめぐるの「ラップに入ってしまった」という内心のつぶやきに何か笑ってしまった。

・「見た目は立派な35歳でも心は15歳、まだ子供なんだわ」のシーンで赤坂35がにこっと笑う。その表情が本当に少年のように無邪気に見える。金子さんグッジョブ。

・「数学とか将来役に立たなさそうだし」という赤坂くんに「そうね、数学はね」と素で答えてしまうめぐる。おいおい、いくら担任がエロビデオだからって正直すぎでしょ。
そのあとも「でも英語は必要!絶対!」と数学不用発言については全然フォローしてないし(笑)。あとでこれ知った江口が悶絶してましたね。

・何とか言いながら結局つけ麺屋に来ているめぐる。しかも赤坂くんと一緒。教師が教え子、それも男子と二人で、というのはまずいんじゃないのかなあ。学校じゃなくて塾だからそのへんはゆるくていいのかなあ。

・トイレで歌う外人(ペンキ屋)と赤坂くんの交流。そして赤坂くんとレイ・チャールズの出会い。
歌手志望の赤坂くんがいかにしてペンキ屋になったかという理由付けのこの強引さ。ここまで力技だともはや笑うしかない。ていうかそれを狙ってのネタですよね。

・札束もらって嬉々として去ってゆくペンキ屋を見送るはまるに、塾長がなぜ早く作業をしないのか問い質す。
この時はまるがいろいろあやしげな動きをするその一貫として、何を考えたか塾長に投げキッスをしている。このシーンの塾長、いや武田さん素で笑っちゃってる気がするんですが。

・オーディションをTVで見ながら蜜柑の皮を剥いていたおじいちゃんはそれをめぐるに渡す。なんとめぐるの分の皮をわざわざ剥いてあげていたとは!
なのに「白いの全部取って!」と要求するめぐる。どれだけわがままなんだ。めぐるが家のことはなーんもしないという設定はすでにここで出ていたんですねえ。

・メールのアットマークを20個つければ20年後にメールが送れるかもと提案するおじいちゃん。いやあ20年もあればアドレス変えてるだろうしまず無理では?
アットマークを「耳みたいなやつ」と言っちゃうような文明の利器音痴のおじいちゃんならではの発想ですが、それが本当に通用しちゃうんだから文明音痴恐るべしである。

・黒板に書かれた英語の文章に間違いがあれば直せという設問に「分かりません」という赤坂くんに、めぐるは満面の笑顔で「うん!」と答える。ちょうど20年後の赤坂くんから金髪美女との結婚を知らせる写メールが届いたからですが、黒板の文章が「He will be happy after 20 years(彼は20年後幸せになるだろう)」なのも当然関係あるはず。
「20年後幸せになるだろう」→「分かりません」を、「将来幸せになれるかわからない」という意味に捉えて「ちゃんと幸せになれるから大丈夫だよ」という意味合いの「うん」なのか、「未来のことなどわからない」という意味にとって、見えない明日に向かって懸命にもがくことこそ人生なんだから頑張れ!とエールを送る意味での「うん」なのか。

・「やなわらばー」の歌うエンディングテーマ。めぐるやみちるなどの美人数名と自分との相合傘を書く江口の含み笑いが実にいやらしい(笑)。星野さんほんとはまり役です(褒めてます)。

(つづく)

 


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『未来講師めぐる』(2)-1(注・ネタバレしてます)

2009-06-19 01:24:24 | 未来講師めぐる
〈第1回〉

・導入部でいきなり街中を走るめぐる(深田恭子さん)の姿。途中映像が早回しになるのとその際のちょこまかした効果音でコミカルさ(めぐる本人はシリアスにパニクっているが作品としてはコメディであること)を表現している。
走るめぐるの様子を追う間に公園で遊ぶ子供たちやストリートダンサーのの女の子の姿を挿入し、おじいちゃん(地井武男さん)の語りの形で「この子はキャバ嬢」「この子はヤクザ」などとおよそ映像と合致しない人物評をかぶせる。
この時点では何が起こってるのか全くわからない、しかし何かしら謎があることを予感させ興味をひきつける。ツカミは上々。

・「おじいちゃんおじいちゃん!」と叫びながら走り続けためぐるが、つまずいたはずみに自宅の壁を飛び越え庭の花壇?に飛び込む。思いっきり特撮な映像が嘘臭くて笑えます。花の密生の仕方もいかにも不自然で(笑)。

・「私はめぐる。吉田めぐる」ではじまるめぐるのモノローグ。この先ずっと続く定番オープニング台詞のはじまり(やはり宮藤さん脚本の『タイガー&ドラゴン』もキャラ回り持ちで定番オープニングパターンをやってましたね)。
こうしたパターンの繰り返しが『めぐる』の面白さの一翼を担っています。

・めぐるが勤める進学塾「大親切アカデミー(仮)」の看板が大写しに。(1)でも書きましたが、最初番組公式ページで「塾の名称がしょっちゅう変更になる」設定を知ったときには何かすべってる感をおぼえたんですが、これも毎回のお約束になることでしっかり笑わせて頂きました。パターン化することで愛着が湧くというか。
回を追うごとにこの作品にはまっていった、キャラクターの一人一人、ネタの一つ一つまで愛おしく感じられるようになったのは、ここに秘訣があったように思います。

・生徒の中学生(後から思えば今市くん)に「pineapple」の綴り間違いを指摘されるシーンでピコピコハンマーみたいなユーモラスで可愛い効果音が鳴る。こうした効果音も『めぐる』の魅力の一つ。
スタッフさんたちがこのドラマを愛情を込めて大切に作っていったのがよく伝わってきます。

・めぐるをつけ麺屋に誘う江口=エロビデオ先生(星野源さん)。ロッカーに体をもたせかけ右手をロッカーの上について左手親指で後方を指差す。
そのキザなポーズと喋り方で、もうエロビデオのキャラクターをわずかの間に体現している。星野さんの表現力と演出の匙加減に拍手。

・江口の台詞に高尾山先生(正名僕蔵さん)からのツッコミが。ここでの「上沼恵美子と黒柳徹子、どっちが人の話を聞いてるか」という高尾山発言に見られるような、ストーリーに何の関係もない、かつちょっと毒を含んだ台詞をさらっと会話の中に混ぜてくるのが宮藤流のユーモアですね。このしょーもなさが味。

・江口の話にろくに関心を示さず講師室に常設のお菓子置き場でキャンディを物色するめぐる。めぐるの食いしん坊キャラがさりげなく示されている。
ついでに全編通して活躍(?)するこのお菓子置き場が、講師室の場面で画面に花を添える効果をあげています。他にもぬいぐるみやカラーファイルなどの小道具がこの講師室をいかにも楽しい雰囲気に演出している。

・門伝塾長(武田真治さん)登場。こちらも動作や表情がいちいちキザですが、江口のような残念感がない。
でも素直にかっこいいというよりは「ちょっとずれてるヘンな人」という印象になっているのが上手いです。後々はっきりするように、それが塾長のキャラなわけですから。

・つけ麺屋に同行したがる塾長に、江口はあからさまに嫌そうな顔をしたあと「板橋(の店)なら入れますよ。地図書きましょう」と言い出す。そこまでして塾長を連れてきたくないか(笑)。いかに三人しか入れないにしてもねえ。
さっきのシーンに続けて高尾山先生が江口の計画をぶち壊すようなツッコミを入れているのが、反復による笑いを引き出しています。

・「私がつけ麺を食べている間おじいちゃんの話をします」とナレーションしながら、「20年前」の表示とともにいきなりバブル期のディスコで踊るめぐるの父・はまる(船越英一郎さん)の姿に。「まちがえた。これは父です」とはまる関連の話題をいったん締めて本題の回想へ移っていく。
構成としては話の流れがスムーズじゃなくなってますが、早めにはまるの一癖ありそうなキャラを印象づける効果を上げています。

・ぼろぼろの浮浪者ルックでめぐるを訪ねてくるはまる。このとき連れてるホステス風の女性がいちいち腰に手をやって体をそらせるようないかにもなポーズをつけてるのが笑えます。

・父はまるの栄光と没落を描くめぐるの回想。わかりやすいバブリーさとその弾け方(笑)。わざとベタベタにしてあることで笑いを誘う。

・いろいろあってタイトルバックがやっと出る。コミカルなテーマ曲をバックにした、アニメと合成されたキャラクターのコミカルな動きがバカバカしくも可愛らしい。このオープニングにも回を重ねるごとに愛着が出ましたねえ・・・。

・講師室で赤坂くん(佐藤和也くん)の成績不振と流星高校受験について語りあう先生たち。
塾長の独特の節をつけた話し方が、説明台詞も鬱陶しくならずに聞かせる。会話に江口がからんでくるタイミングもグッド。

・生徒と普通にメールをやりとりすると話すめぐるに、江口は「中三て言ったら体も心も立派な大人の男性なんです」と危険性を力説するが、「大人の男性」という時に両手で作ってみせるラインが・・・(笑)。それは女体型だ。このシーンにツッコんだ人多かったろうな。

・「中三の性欲」の話から若者言葉「パねえ」の話に。公式サイトのブログ名(パねログ)にもなったこの「パねえ」、勝地くんが高校時代に使ってた言葉として宮藤さんに何気なく話したのが使われたそう。うーん影響力大きいぞ(笑)。

・塾の名前変更を検討する塾長が、模範的塾の名称をヘンなジェスチャー付きであげる。ドラマ放映開始前のメイキング番組によると、この場面結構苦戦したんだとか。
塾長は常にヘンなテンションでヘンな行動をする人なので、武田さんもさぞ大変だったと思います。

・自分が陰で「エロビデオ」をあだ名されているのを知って激昂する江口に高尾山が「江口ひでお」だから「エロビテオ」になるのだと図解する場面で、バックに「アーン」と女性の甘い声が入るのがベタだけどナイス。
「親しまれてるってことじゃないか。あやかりたいよ」と江口の頭上の空気(オーラ)を自分の頭にかぶせるような仕草をして手を合わせる塾長も笑えます。

・江口に私立中学の教師を辞めた理由をつっこまれた高尾山が「淫行ですが何か!?」と逆ギレする。この発言で一見地味な高尾山のインパクトが一気に増した(笑)。
しかし(女生徒への)淫行で辞めた教師を、若い女の子も受け持つ進学塾の講師として採用するのもどーよ。

・ユーキくん登場。意味なく「あはははは」と軽やかに笑いながらローラースケートで滑ってくる。ああなんて無駄に爽やかなんだろう。
しかし(1)でも書きましたがこのバイトの制服、足の細さと長さ(ローラースケート履いてるせいもあるけど)を際立たせていてナイスです。ゴミ箱に勢いよく突っ込んでゴミ箱の底から頭だけ出した状態になるのもベタすぎて(苦笑)。

・焼肉屋でのめぐるとユーキ。めぐるを呼び捨てにする課題に懸命に挑むユーキの「めぐる、何食べますか」に始まる、「いちいち頭に「めぐる」とつける台詞」連発が可笑しい。
この場面、声の調子や間の取り方、早口な喋り方、せわしなく水を飲み干す様子などでユーキの緊張を上手く表現していて、さりげなく名演技だと思います。

・ビビンバを注文したかどうかでユーキと店員がもめる。この時店員が口にした「アミンバ」ネタがまさか最終回で再び使われるとは。用意周到な伏線、というよりふと思い出して使ったんだろーな。

・中学の頃デブだったから塾を辞めた、という話のところでデブッた男性がテーブルの前を通り過ぎる。こういうどーでもいいような小ネタの数々が妙にツボにはまります。

・ユーキのわかるようなわからないような話に「面白いからいいや」とにこにこするめぐる。笑い返すユーキ。もう見るからに頭悪そうなカップルですが何か微笑ましい。
こんな彼らの関係は多少の波乱はあっても基本的に変わりませんでしたね。

・ジュージューパラダイス店長藪中(佐藤二朗さん)登場。喋り方から雰囲気からウザさ満点。第一話の時点でよもやこの店&店長が毎回のように登場することになろうとは思いもしなかった。毎度のように店長と言い争いながら、それでもこの店に来るんだよなユーキ(笑)。頭下げたままぐいぐい迫ってくる店長の頭をユーキが押さえてるのも笑えます。

・女子トイレで「さすがにおなかいっぱいだー」とおなかをさするめぐる。能力覚醒への前振りシーンですが、それにしてもあの量を全部食べたんだ?さすがは食いしん坊キャラ。

・ユーキ43(田口浩正さん)登場。事前情報なしに見た視聴者には、ユーキの20年後の姿が見えてるのだとすぐにはわかるまい(第4回のアキラ=塚本高史くんみたいな老け方ならぱっと見てわかりやすいのだけど)。
しかしめぐるが彼を評して言う「太ってハゲてニヤニヤした」おじさん、という表現はあんまりな(笑)。そこまで太ってもハゲてもないような。まあ、今は可愛い彼氏がああなると思えばいささかショックではあっても見慣れてくれば十分可愛いオジさんという感じで、実にナイスキャスティングだと思います。
ちなみにユーキ43が田口さんになったのは、勝地くんがインタビューで「20年後はどんな風になってると思うか」との質問に「田口浩正さん」と答えたかららしいです。別のインタビューでは「20年後には田口さんみたいな俳優になっていたい」と答えたのがこのキャスティングのきっかけ、みたいな表現になってましたがどっちが正しいのやら。

・あやしいオジさん(実は未来のユーキ)に見つからないうちにと、そそくさと立ち去るめぐるとユーキの後ろで店員の女性が「10万もらった」とバンザイしてる。
これは台本によれば、はまるがこの日の会計を気前良く払ってくれていた(めぐるの誕生日だからと特製ビビンバを注文したのも彼)という意味らしい。編集段階でシーンをカットしたせいなんでしょうが、ちとわかりづらい。

・「エロビデオ先生」と二回呼びかけて無視されためぐるが、「エロ、ヴィデオ先生」と英語発音で呼びかけ直す。こういう下らない小ネタが大好きですホント。

・赤坂くんが心配だと言いながら、無意識に塾長の持ってるお菓子のお皿に手が出てるめぐる。どこまで食いしん坊。
さらに高尾山が1日遅れのバースデープレゼントだとスイーツのケースを差し出すが、あれ全部めぐる専用!?でもめぐるならあっさり食いつくしそうな気が。

・小5クラスの生徒たちがいきなり大人に見えた謎を解明するため、教室を飛び出して講師室に戻りシュークリームを頬張って駆け戻るめぐる。
授業中のはずなのに、このあからさまな奇行に対して高尾山も塾長も「よっぽど美味しかったんでしょう」「うれしいねえ」と完全野放し状態。確かに(先生たちにとって)居心地は良さそうな職場だけど、この塾から有名高校合格者が出ない理由がわかる気がする(笑)。

・動揺のままに塾を飛び出しユーキの元へ向かうめぐる。まずはおじいちゃんよりユーキなのね、とちょっと微笑ましい。
めぐるに向かってローラースケートで走ってくるユーキ43の足さばきがちょっと危うい。番組放映開始前のスペシャル番組で、勝地くんが「田口さんからあんまり上手にスケート滑るな、先輩つぶしかって言われた」と笑って話してましたが、なるほど。
でもこのよたよた感もユーキ43らしくてかえってナイス。

・ちなみにユーキ43の服は23歳のユーキと同じ「ダイアナ」の制服のまま。
他の生徒たちは皆年齢に応じた(その職業を表すような)服装に変わってるのに、なぜユーキだけ服は今のまま?と思ったら数話後に理由が明かされましたね。20年後もダイアナで働いてたのね。

(つづく)

 


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