「好きこそ物の上手なれ」

「努力は苦しみだけじゃない。楽しむ力が道を開く」

　昔は「石の上にも三年」「辛抱が大切」といった教えのもと、我慢や苦労の先に成功があるとよく言われたものです。そんな部分も少しはあると思います。

　しかし、今は情報も溢れるほどあり、選択が可能の時代となりました。嫌なことを続けているよりも、自分の好きなことを夢中で楽しんでいるときこそ、新しい自分に出会い、結果的に社会にも役立っているのではないかと思います。楽しみながら何かに取り組むと、それは自然に長続きし、その人ならではの個性や魅力も輝いて来ます。そこ私たちは生きているのです。これを使わない手はありません。

　嫌なことを無理に続けるよりも、好きなことを前向きに、真剣に取り組む。そうした姿勢こそが、本当の意味での努力であり、生きがいにつながるように思います。

　私もこれからも、そのようなマインドで、日々の小さな挑戦や新しい出会いを楽しんでいきたいと思います。

　そこで、楽しみながら行う活動が結果として体や心の鍛錬につながる事例をたくさんご紹介します。

**自然の中での活動**

- ハイキングや山歩き：風景を楽しむために始めたが、いつの間にか脚力や持久力が向上し、困難に立ち向かう精神力も育まれる

- 海や川での水遊び：涼を求めて泳いでいるうちに、自然と水泳技術が身につき、肺活量や全身の筋力が増強される

- 野外キャンプ：自然を満喫する目的で始めたが、テント設営や火おこしなどを通じて工夫する力や忍耐力が培われる

**創作活動**

- 陶芸：粘土遊びの感覚で始めたが、継続するうちに指先の繊細な動きや忍耐力が養われる

- 編み物：リラックスのために始めたが、指先の器用さと集中力、完成させる粘り強さが身につく

- 楽器演奏：音楽を楽しむために始めたが、指の独立した動きや呼吸法、姿勢の保持力が自然と身につく

**日常生活の中で**

- 庭いじり：植物を育てる楽しみから始めたが、土を耕す作業で全身の筋肉が鍛えられ、植物の成長を待つ穏やかな心が育まれる

- 料理：美味しいものを作る喜びから始めたが、包丁使いや手先の器用さが向上し、レシピを応用する創造力も培われる

- 階段の使用：エレベーターを待つ時間がもったいないと思って始めたが、自然と下半身が鍛えられ、毎日の小さな達成感が自信につながる

**社交活動**

- 社交ダンス：人との交流を楽しむために始めたが、リズム感や体のバランス、姿勢の美しさが自然と身につく

- チームスポーツ：仲間との触れ合いを目的に始めたが、持久力や瞬発力が向上し、チームワークや困難を乗り越える力が養われる

- ボランティア活動：誰かの役に立ちたいという思いで始めたが、様々な状況への適応力や共感力、社会性が育まれる

**趣味活動**

- パズルや脳トレゲーム：暇つぶしで始めたが、論理的思考力や集中力、忍耐力が鍛えられる

- 写真撮影：美しい瞬間を残したいと思って始めたが、じっと待つ忍耐力や観察力、構図を考える創造性が養われる

- 読書：物語を楽しむために始めたが、想像力や語彙力、共感能力が広がり、思考の深さも増す

**伝統的な活動**

- 茶道：お茶を楽しむために始めたが、所作の美しさや心の静けさ、もてなしの心が育まれる

- 書道：文字を書く楽しさから始めたが、集中力や忍耐力、表現力が養われる

- 季節の行事参加：伝統を楽しむために始めたが、準備や片付けを通じて計画性や協調性、自己管理能力が身につく

　これらの活動は、「鍛錬しよう」という意識ではなく「楽しもう」という気持ちで始めたものが、結果として体や心を鍛え、人生を豊かにするスキルや能力の向上につながっていってます。