
私たちは現在、太陽暦で生活しています。しかし、日本の歴史や文化を振り返ると、かつては太陰暦に基づいた暮らしが営まれていました。例えば、俳句の「月天心 貧し町を 通りけり」にもあるように、月は昔から人々の暮らしや感性に深く関わってきました。月夜の晩に狸が現れるという話や、十五夜に月見団子を供える習慣も、月と人間とのつながりを示すものです。
さらに、私たちの身体にも月の影響が見らます。女性の生理周期は約28日であり、これは月の満ち欠けと同じリズムです。また、種が発芽しやすいのは満月の時だという話もあります。このように、私たちは本来、月と密接に関わりながら生きてきたのです。
ところが、現在の私たちは太陽暦に慣れきっており、日々の生活の中で月の存在を意識することはほとんどありません。昼間に月が出ていても気づかず、半月や満月の光を意識することも少なくなりました。これは、私たちが自然から離れた生活を送っていることの表れかもしれません。
もし、私たちがもう一度太陰暦に基づいた生活を試みることができたら、昔の人々の生き方や、自然と調和することの大切さを改めて実感できるのではないでしょうか。月の満ち欠けに合わせて行動し、自然のリズムを肌で感じながら生活することで、新たな気づきが得られるかもしれません。
太陽と月の影響を受けながら、地球の一部として生きる——そんな視点を持つことが、これからの時代に求められているのかもしれません。
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