goo blog サービス終了のお知らせ 

鎮守の杜から

葛木御歳神社神職が、神道についてや、日々感じたことなどを思いつくままに綴った私的なページです。

本殿遷座祭

2013年11月12日 | お祭りについて
10月27日に仮殿になる神饌所へ神様に御遷り頂いて、しばらく御鎮座頂いていました。
仮殿と言っても、ご神体に御遷り頂くわけですから、出来るだけのことをしないと!ということで、今回奉納頂く本殿の扉にかける御簾とその内側に御神体を隠すための幌(白い布を垂らします)を神饌所の中にかけて場を仕切ってそこへ御鎮座頂きました。
空気が変わることをまざまざと実感しました。
神饌所全体が御本殿になるのですね。
すさまじい御神気に圧倒されつつ、私にとってもお傍近くで給仕するような幸せな2週間を過ごさせていただきました。


その間に本殿の内部の修復をして頂いたのですが、大工さんはこれ位なら奉仕でさせていただきますと仰って頂き、ありがたいことです。
柱のずれによる隙間やネズミが開けたような穴がありましたが、それを塞ぎました。
これで一安心です。

さて、私にとっても本殿内部の構造を初めて知る機会になりました。
長年の塵も綺麗に拭いて、菰等もすべて新しく敷替えました。
建て物以外はほぼ新品になりました。
きっと神様、お喜びになって御本殿へ御戻り下さるだろうと思いました。

さて、11月10日の本遷座祭当日、あいにく天気予報は雨の予報ですが、きっとうまくいくだろうと変な自信がありました。
これは神様がお喜びくださって快く御遷り頂けるだろうとの気持ちになったからです。
午前中に本殿内部に御簾と幌と菰を設置しました。
御簾を運び込む時間帯はうまく雨も収まって無事作業が出来ました。
雲が南北に分かれて流れて行っている様子。
どなたかが生駒から金剛山のあたりに錫杖を刺して雲を左右に掻き分けて下さっているのかしらん。。。

御簾を吊ったり菰を敷いたり壁に白布をかけたりしていると、皆がクラクラするなあと。。。
神様、「どんな風になりました?」と様子をご覧になりにお越しだったのかしら?と皆で笑顔で話していました。

午前中でほぼ作業を終えましたが、午後から夕方にかけては再び大雨になりました。
寒冷前線が通過します。
5時半には関係者がほぼ集まります。
まだ激しい大雨です。
あと30分!あと15分!
「上がるよ、きっと!」皆が信じます。

ほーらね♪激しい雨が6時開始の5分前にはピタッと止みました。
さすが!!
星が雲間に見えます。
厳かに遷座の儀です。

今回は氏子のお嬢さんに巫女さんをして頂き、鈴の音の中を神様が御渡り下さいます。
本殿の狛犬さんと古い棟札、御神鏡も新しく奉納くださったものを設置。
最後に今回の棟札を納めます。

ああ、無事滞りなく遷座の儀を終えました。
ホッとしました。

氏子役員さん、御歳神社崇敬会、おとしだまの森倶楽部の方々が一致協力してのお祭りです。
なんという素晴らしい神社なのでしょう。
感慨無量です。
心の中が温かいもので包まれるような幸福感です。

御本殿にお鎮まり頂き、神社の境内がまたしっくりと落ち着きます。
清めの雨の効果も相まって静謐な凛とした空気に包まれます。

ようやく日常になりました。
御協力頂いた皆様に心より感謝申し上げます。
それから、これらすべてを上から仕切って下さった方々にも深く感謝申し上げます。

*写真は御遷座頂く前に撮影した本殿の様子と今回の棟札です。





最新の画像もっと見る