みなさん、こんにちは。
先日、何かのアンケートで、「設計事務所は信用できない」と思われている方が28%という数字を見てショックを受けました。姉歯さん事件以来、建築士の信用が落ちたのだと思います。
信用できると考えている方が、もちろん多いですし、28%という数字は他と比べてどうなのかということは、わかりません。お医者さん、弁護士、おまわりさん、学校の先生…と比較するとどうなのでしょうか。設計事務所ですから、病院とか法律事務所とかと比べるものかもしれません。
皆さんに知っておいて頂きたいのは、いつもみなさんから直接依頼を受けて仕事をしている設計事務所と、業者の下請けを中心に仕事をしている設計事務所とは、立場が異なるということです。
何度もお伝えしているように、みなさんから直接設計監理の依頼を受けていれば、鉄筋の量を減らして工事業者のご機嫌を伺う必要は無いのです。
例えば、
私は基礎鉄筋の量を少ないときでも2倍、地盤に不安があるときには建築基準法の3倍以上の鉄筋量を設計で指示しています。これは、地盤調査をして、地盤改良の必要がなく、10年間の第三者保証を有料で付けてもなお、私が不安を感じるときは3倍以上にしています。
10年保証がついていても、住宅は最低50年間はしっかりしておいて欲しいですし、地盤改良を行っていても地震で地盤に問題が生じて傾く可能はあります。
将来、万一、地盤沈下や不同沈下が起こった場合でもこのようにしておくと、基礎が折れにくく、折れなければ復旧は可能ですし、布基礎や鉄筋量の少ないベタ基礎に比べると対応が簡単になります。
鉄筋量を増やすと値段が上がるのでは?とご心配されると思うのですが、家全体の価格からしますと、僅かです。木造2階建ての基礎の鉄筋量を3倍にしても、40坪の家で、15万円くらいのアップでしょう。
もしこれが、業者から仕事をもらっている設計事務所ならどうなるでしょうか?
業者から、「勝手に余計なことするな!その金どうするんだ」と叱られるとか、お金の問題を皆さんに確認してクリアーしても、いつもと異なる面倒なことはトラブルの元なので非常に嫌がられます。そうすると業者からの仕事が少なくなります。
注文をくれる工事業者から評判の良い設計事務所というのは、皆さんの立場から見てどうこうではなく、工事業者の立場で考えてくれる設計事務所ということになります。
但し、そういう下請け的な立場でもがんばってポリシーを保ちながら仕事をしている設計事務所の方が、圧倒的に多いですから念のため。
では、設計と工事を一緒にしているところでは、どうなのかというと それ以上に工事業者寄りなのは、明らかですね。
一流のハウスメーカーの基礎でも、「僅かな鉄筋量をカットして、こんなところでコストを落さなくても…」と見ると疑問に思うことがあります。安い建売より少ない基礎鉄筋量というケースもあります。
1万棟を建てていれば、1棟につき1万円のコストダウンするだけで、1億円の純益です。大企業なら大した金額ではないと思われるかもしれませんが、有名ブランドの大企業でも赤字になり大幅リストラを行うことがあったように、1棟で1万円コストダウンというのは、たくさん造っているところほど物凄いことなのです。
そのため、いかにコストを落とすかを研究していますから、3千万円の家で10万円を落とすために、「重要な部分でも隠れてしまうところや、一般の方がわからない部分をカットしたり、品質を落とさないで欲しい」と思うことがあります。見える部分や見映えには当然お金を掛けますが…。
カナダでは、設計と工事は同一会社で行うことを禁止し、設計者の裁量と権限が大きく、同時に責任も厳しくなっています。工事の第三者検査も日本と異なり、義務として役所でその費用を徴収して、かなり回数も質も厳しく検査を行っています。
このように設計者が工事業者の上の立場にならないと、日本の住宅の質も上がらないでしょう。
ミタス一級建築士事務所のようにみなさんから直接仕事を頂くことだけで、スタッフを抱えながら仕事を行っている設計事務所は、日本では残念ながら非常に少ないのです。
大学の建築学科を卒業しても設計事務所に入ると修行で給料は安いです。本当に好きな人しか続かず、独立してかなり時間を掛けた割りには、僅かな設計監理料しか手にできません。継続して仕事があるとは限りませんから、何より不安定です。
そのため、独立しても常に仕事が入ってくる業者の下請け仕事は、慣れれば同じパターンでこなしていけるので、安くても掛ける時間を考えるとそちらの方が良いという考え方もあります。将来のために、今だけはということで行っている設計事務所もあります。
6月20日以降、建築確認申請費用が3倍以上になりました。
内容がともなってくれれば良いのですが、
本当に品質を求めるのであれば、以前から述べているように
・設計監理と工事会社は別にすること
・実際に住む人が設計と監理を建築士に依頼する
・工事中の検査をもっと厳しく行う
というパターンでなければ、期待するのは難しいのではないか、と私は感じています。
皆さんは、どのように思われるでしょうか?
住宅設計 ミタス 一級建築士事務所のホームページ
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先日、何かのアンケートで、「設計事務所は信用できない」と思われている方が28%という数字を見てショックを受けました。姉歯さん事件以来、建築士の信用が落ちたのだと思います。
信用できると考えている方が、もちろん多いですし、28%という数字は他と比べてどうなのかということは、わかりません。お医者さん、弁護士、おまわりさん、学校の先生…と比較するとどうなのでしょうか。設計事務所ですから、病院とか法律事務所とかと比べるものかもしれません。
皆さんに知っておいて頂きたいのは、いつもみなさんから直接依頼を受けて仕事をしている設計事務所と、業者の下請けを中心に仕事をしている設計事務所とは、立場が異なるということです。
何度もお伝えしているように、みなさんから直接設計監理の依頼を受けていれば、鉄筋の量を減らして工事業者のご機嫌を伺う必要は無いのです。
例えば、
私は基礎鉄筋の量を少ないときでも2倍、地盤に不安があるときには建築基準法の3倍以上の鉄筋量を設計で指示しています。これは、地盤調査をして、地盤改良の必要がなく、10年間の第三者保証を有料で付けてもなお、私が不安を感じるときは3倍以上にしています。
10年保証がついていても、住宅は最低50年間はしっかりしておいて欲しいですし、地盤改良を行っていても地震で地盤に問題が生じて傾く可能はあります。
将来、万一、地盤沈下や不同沈下が起こった場合でもこのようにしておくと、基礎が折れにくく、折れなければ復旧は可能ですし、布基礎や鉄筋量の少ないベタ基礎に比べると対応が簡単になります。
鉄筋量を増やすと値段が上がるのでは?とご心配されると思うのですが、家全体の価格からしますと、僅かです。木造2階建ての基礎の鉄筋量を3倍にしても、40坪の家で、15万円くらいのアップでしょう。
もしこれが、業者から仕事をもらっている設計事務所ならどうなるでしょうか?
業者から、「勝手に余計なことするな!その金どうするんだ」と叱られるとか、お金の問題を皆さんに確認してクリアーしても、いつもと異なる面倒なことはトラブルの元なので非常に嫌がられます。そうすると業者からの仕事が少なくなります。
注文をくれる工事業者から評判の良い設計事務所というのは、皆さんの立場から見てどうこうではなく、工事業者の立場で考えてくれる設計事務所ということになります。
但し、そういう下請け的な立場でもがんばってポリシーを保ちながら仕事をしている設計事務所の方が、圧倒的に多いですから念のため。
では、設計と工事を一緒にしているところでは、どうなのかというと それ以上に工事業者寄りなのは、明らかですね。
一流のハウスメーカーの基礎でも、「僅かな鉄筋量をカットして、こんなところでコストを落さなくても…」と見ると疑問に思うことがあります。安い建売より少ない基礎鉄筋量というケースもあります。
1万棟を建てていれば、1棟につき1万円のコストダウンするだけで、1億円の純益です。大企業なら大した金額ではないと思われるかもしれませんが、有名ブランドの大企業でも赤字になり大幅リストラを行うことがあったように、1棟で1万円コストダウンというのは、たくさん造っているところほど物凄いことなのです。
そのため、いかにコストを落とすかを研究していますから、3千万円の家で10万円を落とすために、「重要な部分でも隠れてしまうところや、一般の方がわからない部分をカットしたり、品質を落とさないで欲しい」と思うことがあります。見える部分や見映えには当然お金を掛けますが…。
カナダでは、設計と工事は同一会社で行うことを禁止し、設計者の裁量と権限が大きく、同時に責任も厳しくなっています。工事の第三者検査も日本と異なり、義務として役所でその費用を徴収して、かなり回数も質も厳しく検査を行っています。
このように設計者が工事業者の上の立場にならないと、日本の住宅の質も上がらないでしょう。
ミタス一級建築士事務所のようにみなさんから直接仕事を頂くことだけで、スタッフを抱えながら仕事を行っている設計事務所は、日本では残念ながら非常に少ないのです。
大学の建築学科を卒業しても設計事務所に入ると修行で給料は安いです。本当に好きな人しか続かず、独立してかなり時間を掛けた割りには、僅かな設計監理料しか手にできません。継続して仕事があるとは限りませんから、何より不安定です。
そのため、独立しても常に仕事が入ってくる業者の下請け仕事は、慣れれば同じパターンでこなしていけるので、安くても掛ける時間を考えるとそちらの方が良いという考え方もあります。将来のために、今だけはということで行っている設計事務所もあります。
6月20日以降、建築確認申請費用が3倍以上になりました。
内容がともなってくれれば良いのですが、
本当に品質を求めるのであれば、以前から述べているように
・設計監理と工事会社は別にすること
・実際に住む人が設計と監理を建築士に依頼する
・工事中の検査をもっと厳しく行う
というパターンでなければ、期待するのは難しいのではないか、と私は感じています。
皆さんは、どのように思われるでしょうか?
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