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FC町田ゼルビアクラブハウス構造見学会

2021年08月06日 15時51分48秒 | お勧め(建築編)
▲FC町田ゼルビアクラブハウス完成予想(ナイス(株)資料より)


スタッフも私も2021年7月末には2回目のコロナワクチン接種を終えたので
これで少し動きやすくなると思っていましたが、
デルタ株などの変異株でコロナ感染がさらに拡大を続け、終わりがみえなくなってきました。

常に事務所と現場の往復のみ、特定のお客様以外とは面談もしていませんでしたが、
まだそういう雰囲気は続きそうです。

さて、そんな中、2021年8月6日の今日、久しぶりにWEB以外の現地見学、
構造見学会に参加しました。
参加者にはみんな2メートル以上の間隔で並ぶようになっていました。

町田市にある、「FC町田ゼルビアクラブハウス」の上棟が終わり
施工会社のナイス(株)が、構造見学会を実施してくれました。

私が撮った写真は工事中で、その写真だけではよくわからないでしょうから
頂いたレジメの完成予想写真もアップさせて頂きました。
サッカーチームの2階建てのクラブハウスです。

この建物のポイントは、簡単に述べると構造体は重量鉄骨なのですが、
屋根部分に大きなスパン(間隔)にもかかわらず木質系を使っています。

もう少し詳しく述べると、
垂木にTJIジョイストという木質合成梁を使い、
野地板にCLT36ミリという無垢材を積層した木質材を使っています。

野地板は、外部屋根の仕上げ材を支えている板で
垂木は、その野地板を支えている部材です。

なぜ見学に行ったかというと、
垂木のTJIジョイストは、大きなスパン(間隔)に使えるからです。
言い換えれば、広い大きな空間ですね。
通常の木材の梁では、集成材を使ってもここまで大きな空間は無理です。

CLTは、いま注目されていて、ここでは12ミリの厚さの木材を3枚直行させて
36ミリの板をにしています。(他にもサイズはあります)

少し詳しい人は、このCLTは「Jパネルと同じ?」と思われるかもしれませんが
許容応力度計算において材料強度の取り扱いが異なります。
これを利用して建築してみようかと考えている建築家は増えていますが、
実現している人は、まだ少ないです。

現在のウッドショック問題で、全ての木材が高騰するだけでなく、
入手しにくくなっているので、少し水を差されています。

間もなく閉会をむかえる東京オリンピックですが
その国立競技場も鉄骨と構造材の補助として木材を使っていることで
注目されています。

国立競技場は、隈研吾建築都市設計事務所さんの設計ですが、
このFC町田ゼルビアクラブハウスの設計も同じ隈研吾建築都市設計事務所さんです。
鉄骨構造に木質を構造材の一部として利用するという考え方は同じですね。

大きな空間を造るのに、平屋か2階建ての2階なら
通常の木造でもいくつか工夫すれば可能ですが

2階建ての1階に大きな空間となると、通常の木造では
耐震性をクリアしにくくなり、難しくなります。

2階建ての2階でも、今回見学したFC町田ゼルビアクラブハウス
のようにここまで大きな空間となると、通常の木造の考え方だけでは難しいです。

そういうこともあり、実際に見ておきたいので見学させて頂きました。
写真や資料だけでは思っていたイメージと異なることは多々あります。

また、実際にどのような使われ方か、細かい部分まで
実際に使われているのを見ておかないとわからない部分もあります。
今回も、細部まで写真は撮っておきました。

 

▲▼2階内部の完成予想(ナイス(株)資料より)
下の写真は屋根の形状が複雑なので、梁も複雑になっています
この図では小さく見えますが、実際はかなり大きな空間です。



▲構造説明図(ナイス(株)資料より)2階に垂木のTJIジョイスト(こげ茶色)と、
 野地板(ナチュラル色)のCLTが描かれています。


▲▼現在の工事中外観 屋根部分に木質部分が見えます



▲現在の工事中1階内部 通常の鉄骨構造です


▲現在の工事中2階内部 かなり広いことと屋根部分が木質だとわかります


▲▼屋根の部分、鉄骨の上に垂木のTJIジョイストと、
  野地板にCLTを使っているのがわかります



▲クラブハウス前に駐車場があり、その前がこのサッカー場です

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