Blue Sky Love Sky

空を愛する者として各地を歩いた際の航空機の写真災害時の活用法などを掲載しています。現場の意見などコメントをください。

原発上空の温度調査をするCH-47

2011-06-26 13:46:52 | 趣味・航空機
福島原子力発電所の原子炉は、津波被害を受けた後、3月12日に発生した水素爆発などによって大きなダメージを受けた。炉心部や燃料保存のための冷却装置への冷却水の循環が出来なくなったため、ヘリコプターや消防車からの応急放水、引き続き、大型の給水装置を使用しての冷却が続けられた。防衛省は、中央即応集団隷下の第1ヘリコプター団のCH-47に技術研究本部が計測機材を搭載(高度3000Ftで約170m×約130mの範囲が撮影できるサーモグラフィー搭載)し、3月20日以降ほぼ2日ごとに、原子炉建屋及び炉心周辺の温度調査を続けた。そのデータについては、4月26日までの状況が防衛省HPで公表されている。有人機による調査でのデータは原子力発電所安定化のために多いに役立てられていると信じているが、米国製の無人機でも調査をしていることから、有人の調査活動は、もう行われていないかもしれない。
防衛省(技術研究本部)の報道資料からは、測定の結果(データ)の評価が殆ど公表されていないので、調査活動がどのように貢献しているのかは良くわからない。有人の調査と無人機の調査で反映させる施策に等が異なり、使用目的が異なるのであれば、別だが、狙いは、原子力発電所の炉心周辺及び建屋の冷却状況・冷却効果の確認や、特異な部位での温度上昇箇所の早期発見であろう。
無人機(UAV/UGV)の方がより低高度(施設近傍)で局部を観察できる場合もあるが、搭載する機材が貧弱で効果が少ない場合もある。有人機の高精度の観測は、一定の間隔で必要かもしれないが、隊員への影響の拡大を大いに考慮すべきである。隊員の被曝線量の累積値はしっかり管理されていると聞いているが、無人機で可能なものは無人で行うようにするのが原子力災害等特殊災害対処の基本的な考え方であろう。
写真は、CH-47に搭乗して懸命に調査活動を行う技術研究本部及びヘリコプター団等の隊員で、機体の天井に日の丸が掲げられているのが緊張感を物語っている。上空での被曝を恐れず任務を行う隊員諸氏に感謝している。