見晴台学園トピックス

 1990年、学習障害や発達障害の中学生・高校生が学ぶ全国にも珍しい父母立の学園です。

二学期スタート!

2010年09月02日 | 講演・セミナー活動
 学納金の改正

 秋のオープンスクールのお知らせ


 昨日から2学期が始まりました。
それぞれ日焼けをしてたくましくなった感じがしました。
これから、10月31日に行われる“みはらしだいまつり”の準備で
忙しくなります。
 さらに今日は7月に専攻科が袋掛け実習した巨峰の収穫実習に
出かけています。なんと400㌔の巨峰を収穫するそうです。


 遅くなりましたが、8月7日8日に愛知で行われた全国障害者
問題研究会に参加した時の感想を掲載します。
学園からは2本のレポートを用意し、二つの分科会に生徒と一緒に
参加してきました。

 今年は地元愛知での開催ということもあり、専攻科生徒も一緒に参加をしてレポート
報告を行いました。参加した分科会は「後期中等教育・卒後の課題」という分科会です。
 過去数年も同じ分科会に参加をしてきました。もともと別々の分科会2つが1つになった
こともあり、高等部の実践報告に加えて卒後の進路の課題やそこから見えてきた高等部時
代に大切にしたいこと、専攻科の取り組み、また、発達障害を持つ青年が抱えている問題
などなど分科会としても幅広く、毎年たくさんのレポート報告があり、分科会当日は大半
がレポート発表となってしまう分科会です。逆にいえばそれだけどの地域でもこの高等部
や専攻科の実践、高等部卒業後の進路の課題に対して関心が高いということだと思います。

 今回、①障害を持つ持たないに限らず、現状として大卒後の就職率が60%である時代、
40%の青年たちは社会参加が困難な時代であるという点から、青年たちが社会参加をする
ために後期中等教育はとても重要な時期であるということ。それを踏まえ、②障害をもつ
青年たちにとっての高等部3年間や専攻科の存在の大切さ、そこでの学びをどう考えるのか
が一つの柱として話し合われました。
 専攻科の時期は卒後の進路を考え、焦りであったり心配になる部分が多くなります。
しかし、今回のレポート報告では現在の専攻科生の姿からもう少し膝を曲げて力を蓄える
時間が必要な所を感じ、学園時代を謳歌して、仲間とともに自分を見つめる力を育んでい
ってほしいという思いを伝えました。そして、実際に専攻科で学んでいる生徒たちがどん
なことを考えているのか生の声を聞いてもらいました。

 生徒たちは「専攻科になって」と題して本科時代の自分と今の自分を少し比べてみて自
分が成長したなと思うことや今専攻科になってがんばっていることをそれぞれの言葉で発
表しました。普段の学園では見せない緊張感や大きな声で堂々と発表する姿を見てとても
頼もしく思い、自分の成長やがんばりを伝える姿にとても感動しました。

 他の人の発言に「うんうん」と頷いたり、ついつい眠たくなる話でもきちんと一参加者
として参加している大人な姿に私自身も励まされた全障研でした。
                                      (専攻科担当)

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今年の見晴台学園のテーマは「評価票」
 地元愛知で開催されることもあり、有志本科生3名と一緒に第39分科会 LD、ADHD、高機
能自閉症等の人達の生活と発達の分科会で発表してきました。分科会参加者はおよそ50名。

 この分科会では3本のレポートがありました。東京学芸大学による「本人調査からみた発
達障害の『身体症状(不調・不具合)』の検討」では、発達障害を抱える本人特有の身体症
状のアンケート結果から、私たちではなかなか理解できにくいことが明らかにされました。
「急に大きな声がしたり、先生が突然怒鳴ったりするなど、突然の大きな音は非常にストレ
スを感じる」などの項目に「うん、うん」とうなずいている生徒たちの姿がありました。沖
縄のHさん(親)の「つながることの大切さ~息子を地域で育てたい」では、息子さんを真
ん中に置き、何が必要かを家庭・学校・学童(地域)が連携を取り、適切な環境を作り上
げ、今までの二次障害が嘘のようになってきているという報告でした。

 学園からは、開校以来取り組んでいる「評価票」をテーマに、どんな意味があり、なぜ今
まで続いているのか、自分(生徒たち)にとって「評価票」とは何かを一緒に考え発表しま
した。

「評価票、それは自分にとってその学期で成長したことや反省点を見つけ出す上で大切なも
のだと思う。これからも評価票を書いていきたい。」

「評価票とは自分を評価する物でありつつ、未来の自分が読み返し、自分を見つめ直す物だ
と思う。」

「「自分にとって評価票とは」、それは【成長のあかし】。改めて昔の評価票を読み返し
た。「やっぱ違うなぁ…、昔の評価票と最新(本科3年1学期)の評価票、内容が全然違う。
見晴台学園に入ってやっぱりかわっている、自分!」と自分の変化が目に見えるのが評価票
だと、自分自身は思っている。」

 発表後、質問が次々とされたのですが、それに堂々と答えている彼らからは自信がみなぎ
っていました。そんな中、「将来の夢は何ですか?」という質問に「今、夢はありません。
専攻科に行ってゆっくり考えます」という答えに共同研究者の先生は「彼らは今自分を作り
直している。そしてこれから先を自分で作っていくという気持ちの表れだと思います。」と。 

 今回参加することで生徒たちは自分たちが取り組んでいる教育課題(評価票)についてじ
っくりと考えまとめ、それを多くの人に聞いてもらい、共感してもらえました。このような
場面がまさに青年期には大切だと感じ、これからも機会があれば生徒たちとこのような研究
会に参加したいと思いました。
                                    (本科担当)



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