佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

石木ダム検証~佐世保市の対応は?

2010-11-11 | 石木ダム

昨日10日、佐世保市議会では水資源確保対策特別委員会が開かれたので、傍聴してきました。

議題は、石木ダムの検証についてです。

 

まず当局(佐世保市水道局)から、

経過(この検証の目的も含めて、国交省から県に対して要請がきた日までの流れ)と、

検証の概要(検証の進め方の全体的な流れと利水検討に関する流れ)が説明され、

具体的な検討スケジュールについては、現在県において検討中なのでわからない

ということでした。

 

つまり、検討作業がいつ始まるのか、
作業チームを誰が決めて、どういう人たちが選ばれるのか、
いつ頃結論を出すのかなど、すべて県にお任せだというのです。

委員の山下議員が、

それはおかしいのではないか、
たとえ検討スケジュールを決めるのが県の役目であったとしても、
佐世保市は石木ダムの共同事業者ではないか。
県と共に事業費の負担を目的に応じて分担してるではないか。
総事業費の35%という金額、それは市民の税金であり、水道料金であり、
そのような責任を担っている当局が、佐世保市としての意向を県に伝えるべきではないか、

と質しますが、当局はあくまでも逃げの構えです。

佐世保市水道局長の説明によると、

佐世保市は、確かに石木ダム事業の共同事業者ではあるけれども、
工事に関しては県に委託している。

また、佐世保市はダムの利水目的での事業者であり、我々の上にいるのは厚労省である。
今回のダム検証の要請は、国交省から県になされたもので、
厚労省は、佐世保市に対して「その検証に協力して下さい」という要請をしているのだ。

あくまでも検証主体は国交省(国)で、検討主体が県で、
佐世保市は、その県から依頼が来れば協力するという立場なので、
検討に関する具体的な方法についてとやかく言える立場ではない。

のだそうです。

山下議員との平行線がしばらく続いて説明に困った水道局長は、よりわかりやすくと思ったのでしょう、
こう言いました。

会計検査院を例にとりますと、
検査を受ける側が、検査官に、検査に関してあれこれ注文は付けられないでしょう?
我々もそれと同じで、検証を受ける側です。受ける側が検証のやり方について意見は言えないのです。

そうなのです!
水道局長の言うとおり!

検証主体は国です。国土交通省です。

佐世保市も長崎県も検証される側なのです。

だから、検討作業は、本来、第三者機関に任せるべき!なのです。

それを、「有識者会議」とやらが、検討主体は各自治体に…
などとバカな提言をおこなったのが大間違い!

ただ、水道局長が言ってることはその間違いを指摘してるのではなくて、
検討主体が県だから、佐世保市は県に協力するだけ、県の言いなり…ってことなんですが。トホ…

 

その後、山下議員は、

県が示した石木ダム建設工事の予定が大幅に遅れていること、

国の補助金が大幅に減額されたこと、

工事中の付替え道路はまだ未買収区間がかなり残っていること、
町道川原木場線の場合、55%が未買収。これで道ができると言うのか、

それらの遅れはすべて、強固な地権者の意志による、
彼らは1ミリたりとも売らないと言っている、
100年たってもダムはできないと言っている、

国は、検証に際して、その実現性も確かめなさいと言っている

こういう状況を事業責任者としてどう思っているのか、と再び質しました。
が、これに関しても当局は、県にすべてを投げてしまっています。

我々はダムを造る専門家ではない。

我々はダム建設を県に委託した。その県が工程通りに進めると言っている以上、
我々がそれと違うことは言えない。

と繰り返すばかりでした。

昨日の委員会には新聞各社とTVの記者もいました。
山下議員が、工程表や付替え道路のフィリップを出して説明した時には、
皆さん席を立って、何枚も写真を撮っていました。
ビデオカメラを回している記者さんもいました。

お、明日は一斉に報道してくれるのかな?と思っていたのに、
今日、どこにも記事はでていませんでした。

がっくり。

県に言えば、「国の提言通りにやるだけだ」と聞く耳持たず、
市に言えば、「県の意向に沿って協力するだけだ」と考えようとせず、
マスコミは、その実態を見ていても重要視せず、

あ~あ、
世の中、ワカランチンばかりだなぁ。

当事者でなく、第三者に検証作業を委ねましょう
それが無理なら、
検討の場は自治体だけでなく、賛成反対両方の専門家や住民も入れて下さい
というごく当たり前のことを言ってるだけなのに。

はは~ん、
やっぱり、自分たちの計画に自信がないのですね。
石木ダムは不要と唱える専門家の論理に対抗できないとわかってるのですね。

でも、後戻りするなら今ですよ。
今がチャンス!
半世紀にわたる失策を見直す、きっと最後のチャンス。

中村知事、佐世保市長、もう一度よーく考えてみてください。。 

 

追記:すみません。マスコミはどこも報道してないと記してしまいましたが、
    1紙ありました。毎日新聞長崎版です。
    http://mainichi.jp/area/nagasaki/news/20101111ddlk42010567000c.html

    毎日新聞さん、ごめんなさい。 

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2 コメント

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以前と! (影ホタル)
2010-11-13 12:24:22
県が進めている事だから!市が進めている事だから!以前と変わらない行政!反対派は以前と変わって訴えています。行政の担当は何年か先は移動して行きますその場しのぎだと思います
返信する
その場しのぎ (cosmos)
2010-11-13 14:58:20
ですねー、行政マンの仕事ぶりを見ていると、その場しのぎと前例踏襲の傾向が目につきます。未来に目を向けて、先に先に手を打っていこうなどという積極性はほとんど感じられませんね。
でも、それを許している私たちも怠慢なのかもしれません。
行政マンは公僕。県政の長の知事といえども公僕です。私たち県民が主です。私たちが声をあげて民意を伝えることが大事ですね。
返信する

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