佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

公共事業評価監視委員会 無理やり「継続」

2011-06-08 | 石木ダム

一昨日の長崎県公共事業評価監視委員会のあり方には、誰もが首をかしげました。 

地元地権者は怒りと悔しさでいっぱいでした。 

 

第一に、委員からたくさんの疑問や問題点が指摘されたのに…

第二に、その問題点の1つはデータが不十分だということだったのに…

第三に、この日が2回目でしかも審議するのはこの日が初めてだったのに…

にもかかわらず…

委員長は、強引に、原案通り「継続」と結論付けてしまいました。

これを受け、県は近く、石木ダム建設事業継続を決定し、国に報告する見通しです。



委員さんたちが特におかしいと言い続けたのは、

★ 計画に使われている、いろんなデータが古い。どうして最近のデータを使用しないのか。

★ 用地買収の見通しはたっていないのに、実現性が他の案よりも「優位」とするのは納得できない。

というごく普通の、誰もが感じる問題点です。



それに対する県の答えは、

★ 国が定めた再検証の手続きに沿って準備したので問題はない。

★ 現行案なら8割が移転して残るは2割。新しい案だと用地買収も1から始めなければならない。
   数字の上で優位となるという判断。住民感情は考慮していない

でした。

形式さえ整えればそれでいい。

しっかり再評価しようという意思なんて、やはりなかった。

念頭にあるのはすべて数字。そこに住んでいる人々の心情など考えちゃいない。

ポロリこぼれた本音のようです。

 

傍聴席の住民からは、我慢できずに、

「俺たちはモノじゃないぞー」という声が上がりました。

 

しかし、この結果は想定内のことでした。

所詮は県が選んだ委員で審議する委員会。

私は本音の部分では期待などしていませんでした。

形だけ、アリバイ作りの委員会だろう、御用学者の集まりだろう…

そんなふうに内心思っていました。

 

それは誤解だった。

あの3人の委員に限ってはそうではなかった。

 

特に、最後まで新しい資料を出すよう要求していた委員さんがいました。

手続き上何も問題ないとして、あくまでも資料提出を拒み続ける県の職員に、

「じゃあ、なぜ今わたしたちはここにいるのですか?その意味を考えてほしい」

と切り返したその言葉に、胸が熱くなるほど感動してしまいました。

 

3月6日の公開討論会の場で、今本先生がおっしゃった言葉を思い出しました。

役人は国民に対して誠実であってください。そして学者は、御用学者にならないでいただきたい
 

今回は幸い御用学者はいなかったようですが、御用委員長などがいて・・・

結果として、「評価」も「監視」もできない「公共事業評価監視委員会」になってしまいました

 

行政にも、委員会にも期待できなければ…自分たちでやるしかありませんね。

市民がしっかり「評価」「監視」して、ムダな公共事業を減らしていかなくちゃ…

私たちの借金は増えるばかりですぞ~ 

 

コメント (5)
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