今日も7時に集合。
土曜日よりも多くの人が集まりました。
しかし、平日月曜日です。
挨拶だけして出勤される人もいました。
「石木川まもり隊」の仲間のMさんも、その一人。
休暇願いを出したけど却下された、せめて現場の様子を自分の目で見たい…と、
早起きして来てくれました。
フェンスの向こうの、誰もいない現場を眺める人たち。
みんなで「石木ダム絶対反対の歌」を歌っているところ。
手に持った紙には歌詞が印刷されています。
長い(5番まであります)ので、なかなか全部は覚えられませんが、いい歌です。
仲間も「まもり隊」の旗をしっかり持って歌っています。
道路反対側の石垣には、昨日造られたばかりの看板が掲げられています。
「こぎ出せ長崎」という中村知事のキャッチコピーをパクったもの?
工事関係者は今日もやってきません。
県職員も誰もいない中、シュプレヒコールをやりました。
「付替道路工事を中止しろ!」 「中止しろー」
「説明も無しに卑怯だぞ!」 「卑怯だぞー」
「知事は聞いてなかったじゃ許されんぞ!」 「許されんぞー」
「こんなやり方で地域が輝くもんか!」 「輝くもんかー」
(中村新知事は、選挙中、地域が輝く県政を目指しますと言ってたんです)
「ダムは絶対造らせんぞ!」 「造らせんぞー」
静かな時間が戻ってくると、団結小屋のおばちゃんたちは、
団結小屋から持ち出した座布団を敷いて座り、じっと山の方を見つめていました。
28年前のあの日のことを思い出しているのでしょうか。
しばらくして、やっと、県職員が4,5人やってきました。
石木ダム建設事務所長もいます。
あっという間に人垣ができ、その後ろから耳をそばだてると、
工事の妨害をしないでくれと言いに来たようです。
「そういうわけにはいかない、そっちこそ工事を中止しろ」と誰かが言うと、
話してもムダと思ったのか、すぐにUターンして帰っていきました。
その後を皆が追いかけました。
県の横暴に抗議して、付替道路は造るべきでないと訴えるために集まったのですから、
何としてもその気持ちを伝えたいという思いは誰しも同じでした。
しかし、地権者の思いは、そのような生易しいものではありませんでした。
「私たちの土地を奪うつもりか!」
「私たちの権利を奪っているのはお前たちだぞ!」
「私たちの家をダムの底に沈めようとしてるじゃないか!」
ありったけの怒りを込めて、I さんは叫びました。
血を吐くような叫びに聞こえました。
県職員も、マスコミも、私たちでさえ、言葉を失い、
彼の叫びに耳を傾けました。
その後再度場所を移動して、県職員と住民の押し問答は続きました。
「ダムは必要だから造る。妨害行為は危険だからやめてくれ」と所長さん。
「ダムは要らない。危険だと思うなら工事をやめてくれ」と住民。
いつまでたっても平行線。
なぜダムが要るのか尋ねても、職員の誰ひとり明確に答えられない。
ただ「必要」の一点張り。
国だって、石木ダムを検証すべきダムと指定したではありませんか!
事業認定申請だってまだ結論が出てないじゃありませんか!
どうして今、付替道路を造ろうとするんですか!
理に適った返答はいっさい返ってきませんでした。
唯一の答えは
「今日の工事は止めます」
明日以降は?
「明日以降のことは持ち帰って検討します」
検討した結果は?
「言えません」
結果を知らせてくれと、みんな口々に言いましたが、
頑として折れることはありませんでした。
約1時間半の抗議を終え、元の場所に戻るとき、
今日も石木川ののどかな流れが目に飛び込んできました。
この流れを見ていると、なんだかほゎーっとして、怒りも消えていくのでした。
不思議だナァ・・・