今日は、石木ダム建設のための付け替え道路工事4日目。
ダムは要らないのだから、地権者の同意は得られていないのだから、付け替え道路は造ってもムダ!
だから工事は止めて下さい。
その意志表示のために、約50人の人々が集まりました。
作業は通常8時から始まるので、現場から少し離れた広場に7時に集合。
鉢巻きやゼッケンをつけ、現場入り口前に並びました。
私がつけてもらったゼッケンはこれ。
住民を苦しめているのは県であり、佐世保市であり・・・
その佐世保市民の一人として常に申し訳ない思いがあります。
このような旗を見るにつけても、それは痛切に感じます。
報道関係もたくさん来ていましたが、
肝心の工事関係者は、8時を過ぎてもやってきません。
たぶん、この阻止行動についてはマスコミ等で公表済みだったので、
今日の作業は見合わせていたのでしょう。
その時、周りが急に騒がしくなって、皆が一斉に一台の車に向かって駆け出しました。
様子を見に来た県職員の車でした。
「降りろ!」「出てきて説明しろ!」みんな口々に叫びましたが、
行く手を阻まれた車は、バックで急発進。
追いかけた人もいましたが間に合わず・・・逃げるように消えてしまいました。
それからまた元のような和やかな空気の中、入口前に立ち続けました。
親しい仲間や、地元の方とおしゃべりしながら・・
初めて言葉を交わした方もいます。
かつて、1982年の強制測量時にドキュメンタリーフィルムを作成したアマチュアカメラマンや、
清流の会メンバーのご家族の方など・・
反対同盟のある女性は、かつては共に闘い、その後、土地を売って出ていって、
今はダム推進派に変わった人たちのことを全く恨んでないと言います。
「今でも会うと普通に話すのよ。ダムの話だけはぜったいにしないけどね。
お互いにしたくないものね。向こうは向こう。私は私。人それぞれよ。
それでいいのよ。ただ、私たちは今の暮らしを大事にしたいと思っているから、
その気持ちは変わらない。私たちが変わらなければダムはできない。
ただそれだけよ。他の人がどう言おうと問題じゃない」と。
その潔い言葉に、思わず胸が熱くなりました。
以前、このブログによくコメントして下さっていた「影ホタル」さんが、いつも、
川原の人は素晴らしい!とおっしゃっていた意味がとてもよくわかりました。
いま私自身がここに居ることを誇りに感じる気持ちさえ湧いてきました。
しかし、そのような熱い気分とはうらはらに、体は一向に温まりません。
今日はいい天気で日も差していたけれど、気温が低くて、
ただ立っているだけというのは、冷えるものですねぇ。
女性仲間と団結小屋のお手洗いを借りようと向かいました。
その道すがら、石木川の流れがキラキラとまぶしいくらい輝いていて、思わずパチリ!
午前10時、今日の阻止行動は、これで解散となりました。
たった3時間の意思表示。
工事関係者は誰も来なかったので、一人相撲のようなもの。
でも、新聞・テレビで報道して頂くことによって、
私たちの思いは県民に伝わり、県や佐世保市に伝わります。
私たちがなぜ工事を止めたいのか、その意味も合わせて正確に伝えて頂いたら、
支援者もあらわれるかもしれない。
今日は50人だったけど、次回はもっと増えるかも・・
少しずつその波紋が広がっていきますように・・と願いつつ現場を後にしました。
その後、私たち「石木川まもり隊」は、まっすぐ佐世保に帰らず、寄り道をしました。
メンバーの一人が、ハウステンボスを対岸から一望できるある場所に案内してくれたのです。
そこは、江上大島橋を渡って行った大島の高台にある特養老人ホームサンホーム江上
に隣接した公園のようなところでした。
公園というか・・そのホームの理事長さんの私有地ですが、一般にも開放されているらしい。
よく手入れされた草木が茂り、桜も満開でした。
たしかにハウステンボスも見えます。
船が白い軌跡を描いて出ていくところです。
長崎空港へ向かうのでしょうか?
そして、珍しいこの光景。
たくさんのお地蔵さんが・・・
私も心の中で手を合わせました。
お地蔵さん、石木川を守ってくださいね。
川原の里を守ってくださいね。
工事が一日も早くストップしますように・・・