佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

消えた水源、市議会で公表!

2010-03-06 | 石木ダム
昨日5日、佐世保市議会本会議において、
ついに『下の原取水場』(15,000m3/日)の存在が問われました。

今朝の長崎新聞にも
「『不安定水源』に誤り」と大きな見出しで報道されています。


山下議員は、2月14日に私たちが提出した資料、つまり

佐世保市の「上下水道事業統計年報」において『下の原取水場』なる名称が記載され、
一日15,000m3もの水源が存在することになっている、
が、市民への説明会ではこの水源は一度も公表されていないし、
石木ダムに関する再評価委員会の資料からも消えている

という事実を明らかにし、その真意を水道局に質しました。

水道局長の吉村氏は、
これは、同取水場のポンプ能力を不安定水源として表記した事務方の記載ミスである
として陳謝しました。

山下氏は、
陳謝してすむ問題ではない。
これまで当局は安定水源77,000m3、不安定水源28,500m3、合計105,500m3、
これでは足りないから石木ダムを造って水源を確保せねばと言ってきたわけだが、
この統計年報によれば不安定水源は43,500m3であり、合計120,500m3にもなる。
これではダム建設の是非が疑問視される大きな問題である。
当局のデータの信ぴょう性が疑われ、根底からチェックし直さねばならないのではないか、
と迫りました。

水道局長は、
このような重要な数字を何年間にもわたって見過ごしてきたことを反省し謝罪すると再度述べ、
しかし、他意はなく、全く単純な記載ミスである、佐世保市の水源はこれまでの発表通り、
安定水源77,000、不安定水源28,500、計105,500であると断言。

また、安定水源とは
10年に1回程度の渇水時においても河川の機能を平常に維持することができる水源で、
さらに、その取水量を年間を通して355日以上安定的に取水できること、
と説明しました。

そこで山下氏は、
昨年度の取水実績を持ちだし、
安定水源と称される相浦取水場においては、
取水能力4,500m3に対し、平均1,800m3しか(正確には1,868m3)取水せず、
不安定水源と称される三本木取水場においては、
同じく4,500m3に対し、平均8,900m3(正確には8,939m3)も取水していた、
この事実をどう説明するのか。
安定とか不安定とかの根拠はあやふやではないか。
安定水源とみなされるものでも不安定とし、佐世保市の水源を低く低く見せようとしているのではないか、
と追及。

水道局長の答は、
相浦取水場は下流に有り、かなりコストがかかる。
(ポンプで汲み上げ、上流の浄水場に運ぶための電気代のこと)
それで、時には相浦の分を三本木から取水している、ご理解いただきたい。
というもので、私たちが担当職員に質問した時と同じ説明でした。

(なるべくコストを削減したい…
 ひっ迫した水道局の台所事情を知る市民としてはその意向は十分理解できますが、
 しかし、理由はどうあれ、水道局長自らが解説した定義に当てはまらないのは事実です。
 つまり、安定的にとれるはずの取水場からは半分以下しか取水せず、
 不安定と位置付けてる取水場から倍以上取水しているというねじれ現象。

 行政の悪しき慣習(一度決めたことはなかなか改めない)を改め、
 実際に即した水源の見直しをすれば、きっと安定水源は増えるはず!
 と、私たちは確信しています)

タイムオーバーのブザーが2度ほどなって、やむなく山下議員は質問を終えましたが、
最後に、

先ほど速見議員も指摘したように、佐世保市の水の管理は全国でも最低クラス!
(漏水量が多いってこと。全国215の大規模水道事業体中、佐世保の有効率はなんと204位!)
まず、この有効率を全国平均に押し上げること、
(漏水対策をしっかりして漏水を減らし、貴重な水源を有効につかえるようにすること)
これに力をいれるべきで、ダムを考えるのはその後のこと!

と締めくくりました。

パチパチパチ・・・心の中で大拍手。
コメント (4)
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