佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

ピースウォークin佐世保

2010-01-29 | 平和
1月29日、長崎県内としてはピースウォーク最終日の6日目、
佐世保市から佐賀県有田町へ向かう約20kmのコースです。



私は年末からの体調不良で、この日だけの参加。
完歩はできなくても、賛同団体「石木川まもり隊」の一員として、また地元世話人の端くれとして、
今日の日を期待と不安が交錯する思いで迎えました。

不安の第一はお天気でしたが、まずまずの、いえ、最高と言ってもいいのかな?
気温は少し低めで風も強めでしたが、冬晴れのよい天気で、歩くにはちょうどいい感じでした。

持っている横断幕が風に吹かれ真横になびくこともしばしば。
でも、その強い風が寒いというより心地よく感じられたのは、
歩くことによって体が温まっていたせいだけでもないような気がします。

平和を願う、それ自体はほとんど誰もが思っていることだけど、それを行動で示すことは簡単ではない。
歩くという単純な誰もができる行為であっても、それを実行に移せる人はごくわずか。

仕事や勉強や家事や介護や・・・思いはあってもその時間、そこに集うことは
体が二つない限り無理という人々もたくさんいるでしょうし、
時間はあっても一歩を踏み出す勇気がないという人もいるでしょう。
私もこれまでは時間的な理由からピースウォークに参加したことはありませんでした。

同じ意志を持った人々と、平和への願いをこめて歩くということが、
こんなにも心地良いものだということを初めて知りました。






不安の第二はその参加者の数でしたが、予想をはるかに超える40人近い人々が参加。

西海市から駆け付けてくれた知人や、仕事を休んで参加してくれた「石木川まもり隊」の仲間や、
綿密な準備と人集めに尽力して下さった地区労の方々に感謝しつつ、嬉しく出発しました。

ほかにも嬉しいことがいくつも…。

出発地点から佐世保駅前までの3km弱を目の不自由な女性が共に歩きました。
彼女は、私たち「石木川まもり隊」のメンバーで、いつもいろんなことに積極的に参加しています。
彼女の前向きな姿勢に励まされたり反省させられたりすることの多い私ですが、
今日も私たちの横断幕の片方を持って行進してくれました。
白い杖をつきながら。
だから、もちろんゆっくりな足取りになります。
先頭から2番目を歩いていた私たちは、どんどん追い越され、すぐにほとんど最後尾になりました。
(一番後ろにはいつも誰かがいてくれましたが)
すぐ前を歩く人との間隔はどんどん広がっていきます。

すると、一人の男性が「速いよ!速過ぎる!もっとゆっくり!」と大声で前方へ伝えてくれました。
一度ならず何度かそういう場面がありました。
彼はこの平和行進のために京都からやってきた方でしたが、その思い遣りがとても嬉しかったです。

もう一つの嬉しかったことは、すれ違う人々の反応です。
狭い歩道を歩いてるときなど、私たちの一行が通り過ぎるのを待って下さってる歩行者がいたりします。
その時、申し訳ないなと思って頭を下げたり、「すみませ~ん」と声をかけると、
何人もの方が目礼をなさったり会釈を返されました。
「ご苦労様です」「頑張ってください」との言葉をかけて頂いた時は、本当に嬉しかったです。

また、信号待ちしている車の列のそばを行進してるときは、多くの視線を感じますが、
ふと見ると目が合って、そのとき運転席やその後ろの席の人が手を振ってくれたりすることもありました。

こちら側に居なくても、共に行進しなくても、同じ思いの人はいるんだなぁ、
そんなことを感じながら歩いていると、体だけでなく、心もホカホカになってくるのでした。

解散式の時に、石橋上人がおっしゃった言葉が心に残りました。

  今日の疲れは明日には消えるかもしれない。
  私たちが歩いた足跡(あしあと)も消えるでしょう。
  しかし、私たちの心の中の足跡(そくせき)は、消えることはありません。

今日、同じ足跡を心に刻んだ方々と、いつかまたどこかで再会できる日を楽しみにしています。




また、長崎から参加して下さった方からは、
「石木ダムの記事読ませてもらいましたよ。長崎でチラシくばりなどお手伝いします」
とのメールもいただきました。

被爆都市長崎と基地の街佐世保は、なんとなく近くて遠い存在でしたが、
このピースウォークをきっかけに、ぐっと近い存在になった気がします。

これからもこのピースウォークの行く先々で、このような関係がたくさん生まれることでしょう。

「共に歩く」ことの意味の大きさを初めて知りました。

企画して下さった石橋上人、
この企画を知らせ、協力依頼の呼びかけをして下さった友人のIさん、
その依頼を受け、何もできない私が協力を依頼した友人のYさん、
Yさんと私の依頼を受け、快くたくさんの力を貸して下さった地区労の方々、
このピースウォークのために、「石木川まもり隊」の素敵な横断幕を作ってくれたEさん、
本当は歩きたかったのに、体調不良の私のために伴走車の役目を引き受けてくれた夫などなど、
多くの皆さんのおかげです。

本当にありがとうございました。
コメント
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